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バルチスタ沖大海戦4

 日本国召喚1巻から3巻まで発売中!(原則WEB版に比べて大幅加筆してます)

 どうかよろしくお願いします。

現在4巻の加筆中です。投稿が遅くなって申し訳ありません。

ブログ掲載分を放出します。


バルチスタ北方海域

 

 見る者に圧倒的な畏怖を与える艦隊が進む。

 彼らは白い航跡を引き、戦艦を含む重厚な艦隊は、圧倒的な力強さを見る者に与える。

見た目のみであれば、その艦隊に比べると、自衛隊の護衛隊群でさえも弱々しく見える事だろう。

 

 グラ・バルカス帝国連合艦隊から別れ、神聖ミリシアル帝国の主力艦隊に打撃を与えるべく編成された36隻の艦隊、第1打撃群は北東へと進んでいた。


 第1打撃群、戦艦8、重巡洋艦8、駆逐艦20隻は神聖ミリシアル帝国魔導艦隊に進路を取る。


 特に、今回は敵船の数が多いため、総合力を駆使してダメージを与えるための「初撃」としての役割を与えられ、海を進んでいた。


 第1打撃群艦隊司令カオニアは、旗艦ベ・テルギスの艦橋で海の先を睨む。

 横には歴戦の参謀、定年退職寸前のバーツが立つ。


「敵の大艦隊への初撃か……この数では苦しい戦いになりそうだな」


「はい、ただ本作戦は敵に攻撃を加えて混乱させる事を目的としています」


 艦橋において2人が話していると、どうも通信兵の様子がおかしい。


「何かあったか?」


 司令カオニアは通信兵に尋ねた。


「……本隊より入電、敵艦隊後方上空に、巨大な飛行物体が接近しつつある!

 敵艦隊と合流するものと思われる。細心の注意を払い作戦を続行せよ。

 なお、敵巨大航空機に対しては航空攻撃を行う予定、現在発艦中。

 との事です」


 一瞬の沈黙……。


「巨大な航空機だと?どの程度の大きさか確認しろ!!」


「はい、現在確認中です」


 通信士との会話……途中にレーダー監視員が割り込んだ。


「レーダーに感あり、今お話ししていた飛行物体かと思われます……こっ……これは!!この大きさは!!」


 絶句するレーダー監視員。

 司令と参謀はたまらなくなってレーダー画面に駆け寄り、自らの目でその画面を注視した。


「!!!!!!!!!!!!!!」


 レーダ上に映る「それ」は非常に大きな輝点であり、そこに向かって真っすぐに飛ぶ友軍機が写る。


「なんという……大きさだ!!」


「化け物め!!」


 かつて戦ったことの無いタイプの敵に、緊張感は高まっていく。


◆◆◆


 グラ・バルカス帝国海軍 第18航空隊


『敵は飛行物体としては非常に大きい。距離の誤認による衝突に十分注意せよ』


 無線からは緊迫した指令が飛ぶ。


「いったい何なんだ?」


「戦艦のような物体が空を飛んでいるらしい。信じられるか?」


 ジュピター型急降下爆撃機に乗るクルオズとノルジオは、かつてない指令内容と、本当であれば、前世界においても見た事が無い敵の情報に困惑する。


「そろそろ見えてきてもいい頃だが……」


 二人は前方の空を注視する。


「おい!あれを見ろ!!」


 操縦していたノルジオは、10時の方向低空に何かを発見した。

 細いひし形を3方向に伸ばし、それを円で囲んだような巨大な物体が、ゆっくりとではあるが移動している。


「おいおい、冗談だろ?何だよあの大きさは!!!」


 驚愕するクルオズ、彼らが目標発見の合図を送ろうとした時、すでに護衛戦闘機がそれを発見したようだった。

 付近に他の敵航空機は無く、アンタレス型艦上戦闘機13機は前方に出てバンクした後、10時の方向に向きを変える。

 彼らはスロットルをいっぱいにし、突撃を開始した。


「護衛機が先にいったぞ」


「あれだけ図体がデカいと良い的だな」


「ああ、しかし巨体に効果があれば良いが……」


 急降下爆撃隊は、戦闘機による初撃の効果が確認できなかった場合に備え、上昇しつつ進路を目標に向ける。



アンタレス型艦上戦闘機を操る戦闘員ハイニーダ急加速して爆撃隊を引き離す。


「化け物への一番槍は私がもらおう」


 前世界においても強力無比だったアンタレス型艦上戦闘機……今世界においてはまさに無敵だった。

 転移直後、隣国を攻めた時のワイバーン……そして列強と呼ばれたレイフォルの残党であったワイバーンロード、どれも話にならなかった。

 さらにムーの戦闘機も、我が国の機と比べるとあまりにも性能が低く、赤子を相手にするかの如き結果となった。


『世界最強』などと、大層な肩書がついている神聖ミリシアル帝国の戦闘機でさえ、加速、そして旋回性能においてはこのアンタレス型艦上戦闘機には遠く及ばない。

 ハイニーダはこの戦闘機の圧倒的ともいえる性能に絶大なる信頼を寄せていた。


「よし!いくぞ!!!」


 エンジンのスロットルを全開にし、戦闘機は急降下を開始する。

 急激に近づく目標との距離、彼は照準器いっぱいに目標をおさめた。


「終わりだ」


 一言つぶやき、発射ボタンを押し込んだ。


◆◆◆


 神聖ミリシアル帝国 古代兵器 空中戦艦パル・キマイラ


「アトラタテス砲(轟連式対空魔光砲)発射準備完了」


「飛行機械は我が方に向かい急降下を開始」


 無機質な報告が艦内にこだまる、幻想的な光が並ぶ広い艦橋には大きなスクリーンが設置され、そこに映し出される光景には急降下してくる敵が写っていた。


「鬱陶しいハエどもだな……魔素を展開、装甲を強化!」


 艦長メテオスの指示により、一瞬で艦上方の装甲が強化された。

 神聖ミリシアル帝国の魔導エンジンに比べ、圧倒的とも言える高出力を生み出す古代兵器のそれにより、本来であれば時間のかかるシークエンスが一瞬で行われる。

 パル・キマイラは青いスクリーン状の幕を覆い、その魔素によって光が少し屈折してゆがんで見える。


 一時して、敵機から光弾が放たれ、パル・キマイラに着弾した。


 アンタレス型艦上戦闘機から放たれた20mm機関砲弾はパル・キマイラに着弾し、その威力を開放する。

 着弾部分は水面に小石が落ちたかのごとく、膜状の魔素が放射状に広がる。

 曳光弾を交えた機関砲弾は装甲にはじき返され、様々な方向に飛んでいく。


 パル・キマイラの艦橋では着弾音が反響して少し不快な音がこだましていた。

 敵機はある程度の攻撃を加え、機首を上げて離脱していった。

パル・キマイラが低空を飛行していたために下方にすり抜けるのは無理だと判断したのだろう。


「艦の機能に異常なし」


 無機質な報告。


「塗膜がすこし剥がれてしまったのではないか?」


「急降下爆撃機と思われる物体、降下開始」


 監視員から再度報告があがる。


「ふふ、時速200km以上で飛翔する物体に、急降下爆撃が当たるものか!回避運動をとりつつ、アトラタテス砲(轟連式対空魔光砲)で落とせ!」


「了解」


「……誘導魔光弾を落とすために作られた分速3000発の魔光弾……貴様らには回避できまい」


 パル・キマイラのリング状に設置された6基のアトラタテス砲が上空を向く、粒子が砲口に吸い込まれた後、射撃を開始した。






「第1小隊が急降下爆撃を開始!」


 それを目視したノルジオはクレオスに報告する。

 キャノピー越しに見る光景……アンタレス型艦上戦闘機の機関砲が敵装甲にはじき返された事により、機関砲による攻撃は効果なしと判断され、先行する第1小隊が急降下爆撃を開始するところだった。


「ん!?」


 巨大な敵艦のリング外周で光が集中し始める。


「攻撃か?」


 友軍機はすでに急降下を開始し、爆撃の照準調整を開始している事だろう。

 敵はいったい何をしているのか、ノルジオが疑問に思い、クレオスに話しかけようとした次の瞬間、敵機から猛烈な対空火砲が放たれた。


「な……なにぃ!!」


 空へと打ち上げられる光弾は、例えるならば猛烈な光のシャワーのようにも見え、その光の中で先行していた第1小隊は次々と爆発を始める。


 あまりにもあっさりと、先行していた第1小隊は無線を入れる間もなく全滅した。


「な……」


 絶句。


「と……とんでもない化け物だ!!」


 ノルジオとクレオスは恐怖に震える。


『第2小隊は北へ回り込め、第3は東、第5は西、第6は南から急降下爆撃を開始!!第7小隊は高空からの水平爆撃を実施せよ』


 第18航空隊長から無線により、的確な指示が飛ぶ。


「俺たちは水平爆撃か!」


 命中率は悪いが最も生き残る可能性が高く、安堵のため息を漏らす。

 一糸乱れぬ編隊を組み、回り込んだ彼らは同時攻撃を開始した。



 空中戦艦パル・キマイラ艦橋


『敵、散開を開始、同時攻撃を行う模様』


「……うるさいハエどもだ……落としたまえ、タイミングは任せる」


 アトラタテス砲に一瞬で魔力が注入される。

 この凄まじい魔力量は、艦長のメテオスでさえ、何度乗っても驚かされる。

 空中戦艦パル・キマイラは散開中の敵機に対し、再びアトラタテス砲を発射した。


 魔力を電力に変換し、電波に変えて放射、その反射波から敵の速度、光弾の速度、敵の未来位置を一瞬で算出し、自動的に向けられる照準、そして射出される分速3000発もの光弾……。

 6基から打ち出される分速計18000発もの光弾はすべてが曳光弾のように光輝き、空の様子を塗り替える。


 射撃が終わった後、攻撃を行おうとしていた敵機はほとんどがバラバラになり、残った機も火を噴きながら墜落している。


 一瞬だった……。


 一瞬でグラ・バルカス帝国第18航空隊は離脱しようとしていた護衛の艦上戦闘機を除き、全滅した。





 機体がガタガタと大きく揺れる。

 ノルジオは必死に操縦桿を動かすが、機体が言う事をきかない。

 エンジンと右翼に命中したパル・キマイラの攻撃は、機体に大きな損傷を与えていた。

 前部エンジンは停止し、黒い煙が視界を遮る。

 翼端からは、炎を勢い良く発している。機体は制御を失い、クルクルと回転しながら落ちてく。

 友軍がどうなったのか、全く解らない。一瞬付近を光弾が通過したかと思った矢先に今がある。


「くそっ!」


 無線のプレストークボタンを押し込むが、全く反応が無い。


「おい!クレオス、無事か!!!」


 後席にいる事は確かなのだが反応が無い。


「脱出するぞ!!!」


 彼はキャノピーを手動でこじ開けた。

 耳を覆いたくなるほどの合成風が織りなす轟音……。


「おい!クレオス!!お……くそっ!!」


 後席にはすでに息絶えた同僚が見えた。

 しかし感傷に浸っていると自分も死んでしまう。


「……すまん」


 彼はなんとも言えない気持ちでパラシュートを背負って脱出した。

 空中に投げ出された彼は、落下しながら周囲の状況を確認する。


「な……なんて事だ!!!」


 青い空に炎の雨が降る。


「ぜ……全滅!?」


 帝国海軍航空隊始まって以来の短時間による全滅。

 彼の心は恐怖に震えるのだった。


◆◆◆


 グラ・バルカス帝国第1打撃群旗艦ベ・テルギズ


「本隊より入電!敵大型航空機を攻撃していた第18航空隊は全滅、ターゲットに損傷は認められず、以上です」


「な……何だって!!?」


 司令カオニアは耳を疑い、聞き返す。


「敵大型航空機を攻撃していた航空隊は大半が撃墜され、全滅です。

 十分注意されたしという文言付きです」


 今まで、戦局はグラ・バルカス帝国に優位に働いてきた。

 それがここにおいて土が付く。しかもその相手がたったの1艦という事に、彼は衝撃を覚えた。

 幹部たちは緊張の中、真剣な面持ちで作戦会議を行う。そんな最中、レーダー監視員が議論を遮り、報告を行う。


「報告!敵大型航空機は本艦に向けて進路をとり始めました。このままでは後1時間30分ほどで艦隊上空に飛来します!!!」


「くっ!!艦として見れば異様に速いな……航空機として見れば低速だが……。

 総員、戦闘配備!!対空戦闘用意!!!」


 グラ・バルカス帝国第1打撃群は神聖ミリシアル帝国の空中戦艦パル・キマイラ迎撃のため、対空戦闘準備を開始した。


◆◆◆


 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 旗艦ロト


 旗艦ロトの対空魔光砲の砲手である2人の兵が話をしていた。


「先輩、北東から巨大な空中戦艦が来るため、決して砲撃するなとの事ですが、我が帝国はそんな兵器を持っているのですか?」


 ベテラン兵は、眉間にシワをよせながら考える。


「……噂には聞いた事がある。古の魔法帝国の作りし超兵器を運用している部門があるらしい」


「そっ……そんな所が軍にあるんですね!!私も配属されてみたいです!!!」


 目を輝かせながら話す若年兵、僅かな微笑みを浮かべ、ベテラン兵は答えた。


「いや、軍の機関ではないらしいぞ。技術者が多くいる組織だそうだ。

 なんでも、運用思想が違いすぎて、我々の持つ運用知識では逆に常識が邪魔をして役に立たないらしい」


「では、最新……いや、古代兵器を運用している者達は軍ではないと?」


「ああ……そうだ……」


「……大丈夫なんですかね……逆に軍の運用思想を知らない者達が運用して……」


「さあな、お上の決める事だからな……」


 彼らの会話は艦内放送によって中断させられた。


『これより艦隊上空に友軍艦が進入してくる。各員決して攻撃を行わないように。繰り返す、決して攻撃をしてはならない』


 目を細めると北の水平線にリング状のものが浮いているようにも見えた。

 やがて『それ』は急速に距離を詰め、神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊に近づく。

 通常機密とされてきた空中戦艦、軍上層部はともかく、一般兵は初めて見る者も多い。


「なっ!!!」


「なんて大きさだ!!!ミスリル級戦艦よりもデカいぞ!!!」


 直径が約260mにも及ぶ、戦艦大和の長さにも匹敵する大きさの空中戦艦が上空を行く。


「あんなものが浮くのか!?」


「く……空中戦艦!!!」


「我が帝国は……これほどまでの凄まじい超兵器を運用しているというのか!!!」


「古の魔法帝国……考えるだけでも恐ろしい!!!」


「か……勝てる!!!こんな凄まじい兵器を運用出来る我が国が負けるはずがない!!!」


「神聖ミリシアル帝国万歳!!皇帝陛下万歳!!!」


 空中に浮かぶその力強い姿に兵たちは圧倒される。

 神聖ミリシアル帝国兵の志気はこの上なく上昇するのだった。



◆◆◆



 グラ・バルカス帝国第1打撃群 旗艦ベ・テルギス


 艦隊はすでに戦闘態勢に移行し、万全の状態で敵を迎え撃つ。

 司令カオニア、参謀バーツはまだ何も見えぬ水平線を睨みつけ、艦橋の各員も最善の仕事を行うため、任務に集中する。


 通信士シアノスは本隊からの暗号通信及び各種周波数で流される無線を聞き逃すまいと、通信機に意識を集中させていた。


『……の諸君』


 !?航空機のやりとりを行う無線周波数帯に、戦場にあるまじき声が聞こえたような気がした。


『グラ・バルカス帝国の諸君』


 はっきりと聞こえる無線の声、把握してる最寄りの敵機の位置はまだ艦隊から遥かに離れている。


「……なんて出力だ!」


 あまりにも高出力の無線に彼は驚愕する。

 明らかに語りかけて来るその声、異常な事態、彼は迅速的確に報告を行った。


「敵船から航空用無線周波数帯で通信が入っています!!!」


 どうやって我が国の無線周波数を割り出したのか、微かな疑問を抱きつつ、司令カオニアは無線機まで足を運ぶ。

 自分からっ無線を発する行為は敵に自分の位置を教える事になる可能性があるが、すでに敵大型航空機は真っ直ぐにこちらに向かってきており、位置はすでに敵に知られているものだと考えられた。

 本体との無線でのやりとりも頻繁に行っており、無線封鎖をする必要性が無く、彼は無線機を手に取る。


「貴君はだれだ?所属と階級、氏名を述べよ」


『やっと無線に気付いてくれたのか、君たちは魔導通信が使えないので大変だよ……。

 私は神聖ミリシアル帝国対魔帝対策省、古代兵器分析戦術運用部、空中戦艦パル・キマイラ艦長メテオスという』


「我々に何の用だ?」


 空中戦艦という言葉、自分たちは巨大な航空機と考えていたが、仮に戦艦並みの防御力があった場合はとんでもない事になる。

 司令カオニアは、額に汗をかきながらメテオスに問う。


『なに、君たちに忠告をしようと思ってね』


「忠告……だと?」


『私はね……弱気者を一方的に虐殺するほど趣味は悪く無いのだよ。

 全滅する前に、尻尾を巻いてとっとと帰りたまえ。

 この、君たちにとって救いとも言える言を、本隊にも伝え、レイフォル地区からさっさと逃げるのだよ。

 もう一度言おう……私はね、弱き者を一方的になぶるほど悪趣味ではない』


 仮にグラ・バルカス帝国の前世界に住まう国の者がこの通信を聞いたなら、グラ・バルカス帝国を見下すこの言動をした国が焼き尽くされないか心配し、祈ることだろう。


「我々がそんなこけおどしで撤退すると思っているのか?」


『私が今乗っているのはね……古の魔法帝国……かつて恐怖により全世界を配下に治めたラヴァーナル帝国の船なのだよ。

 君たち文明圏外の猿どもでも、その意味は理解出来るだろう?

 それとも、君たちは力の差すら理解出来ない愚か者なのかね?

 君たちの飛行機械は、あれだけ数がそろっていながら、我が艦1隻に損傷を与える事無く全滅したのだよ?』


「過去の遺物を信仰し、未来へ目を向けぬ貴様らなどに負けはせぬ」


『魔力を持たぬ君たち如きが我が帝国に食い下がったのは褒めてやろう。

 だがこれまでだ。魔力無しでは決して決して届かぬ領域に我らはいるのだよ。

 神聖ミリシアル帝国に逆らった愚か者よ、私の最後の慈悲だ、撤退したまえ』


 沈黙……あまりにもバカにした言葉に、歴戦の猛将である司令カオニアは無線機を手放し通信士に渡す。


「おい、シアノス通信士」


「はい」


「馬鹿めと伝えてやれ!」


「はい?」


「聞こえなかったのか……馬鹿め!だ」


「は……はい!!」


 シアノス通信士は発信ボタンを押し込み、はっきりと発言した。


「バカめ!!」


 神聖ミリシアル帝国空中戦艦との通信は終わった。


 古の魔法帝国(ラヴァーナル帝国)の超兵器、空中戦艦パル・キマイラはグラ・バルカス帝国連合艦隊第一打撃群36隻を滅するために侵攻を続けるのだった。





現在4巻の加筆中、ブログ掲載分を放出します。

 書籍1~3巻、発売中!

 〇 日本国召喚一 導かれし太陽

 〇 日本国召喚二 滅びゆく栄光・上

 〇 日本国召喚三 滅びゆく栄光・下


 よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
こんなの持ってたら最強も自称しちゃうなっていう説得力 でも過去の技術を完全に理解、再現できてないなら驕っちゃあかんやろ
[一言] 懐かしのバカめ。
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