列強の落日 3 前編
遅くなりました。
今回の話は長くなりましたので、2回に分割しました。
後編は、明日投稿します。
暗い……全身が痛む……私はいったいどうしてしまったのだろうか?
皇都防衛隊の魔信技術士パイは、意識を取り戻す。
全身の痛みに少し混乱するが、考えを巡らし、記憶の糸をたどる。
笛のような甲高い連続した音が聞こえた後、私は吹き飛んで来た誰かに当たって意識を無くした。
その後、建物が崩れるような音がした気がする。
日本国は、警戒態勢にある皇都防衛隊基地に攻撃を加えたのだ。
爆弾は運悪く、私のいる建物に当たったのだろう。
「光!!」
上を見ると、僅かに光が差し込んでいる。
体は痛いが、幸い動く。
骨まではいってないと思う。
「よし!!」
意を決し、自分の上にある岩に力を入れる。
少し動く!!!
「誰か助けて!」
基地にはまだ人が多くいるはず……だから、私の声を聞けば誰かが駆けつけてくれるはず……しかし、誰からも返答は無い。
「……そっか。」
おそらく敵の第2次攻撃を警戒し、戦闘態勢を整えるため、皆忙しく動きまわっているのだろう。
「う……ん!!!」
渾身の力を込める。
なんとか、隙間から外に出られそうだ。
音をたて、レンガと私の服が摩擦し、所々服が破れる。
外に出たら、恥ずかしい視線を受けそうな気もするけど、命には代えられない。
「もう一息……やった!!!」
外に出られた!!
彼女はあたりを見回す。
「そ、そんな!!」
彼女の目に映ったもの、それはすべての建物が原型を留めずに破壊された、元基地の残骸だった。
動いているものは、自分以外誰もいない。
「こんな……こんな事がっ。」
列強たるパーパルディア皇国の中でも最強の陸軍基地、圧倒的な制地能力と、突破力を誇る地竜も、他国を圧倒し続けてきた魔導砲兵団も、制空能力が極めて高いワイバーンオーバーロードの竜舎も、全てが砕け、破壊されつくしていた。
最強の陸軍基地に、これほどの破壊をもたらす存在を彼女は知らない。
魔信技術士パイは、呆然と立ち尽くし、その情景を眺めるのだった。
◆◆◆
パーパルディア皇国 皇都エストシラント レミール邸宅
皇族レミールは、自室のベッドで仰向けになり、布団を上から被る。
彼女は先ほどの出来事を思い返す。
嫌な夢を見て目が覚めた。気分が悪かったため、気分転換しようと思い、自室の窓からバルコニーに出た。
透き通るような青い空、朝の風が少し肌寒く感じ、小鳥たちはさえずる。深呼吸~非常に気持ちいい。
南側の空を見ると、我が国最強の皇都防衛隊のワイバーンオーバーロード竜騎士団が編隊飛行をしており、皇都上空の警戒にあたっている。
その姿は力強く、誇り高く、まさしく列強たるパーパルディア皇国主力にふさわしい。
「考えすぎだったか……。」
自分はムー国大使の言動を間に受けすぎていたのかもしれない。
ワイバーンオーバーロードの空戦能力は申し分無く、ムー国が最新兵器を使用して攻めて来たとしても、撃退出来るだろう。
異世界からの転移国家であろうと、何だろうと、そう簡単にやられるはずが無い。
皇都防衛隊の竜騎士団の姿はレミールにそう思わせるだけの威容と力強さがあった。
「ん?」
突然竜騎士団の隊列が乱れ、各々が勝手に加速し、散開する。
「何かの訓練?」
散開した竜たちが、突如として煙に包まれる。
少し遅れ、連続して轟音が鳴り響く。
「きゃっ!!!」
少女のような悲鳴をあげ、レミールはかがみこみ、上空を見上げる。
彼女の目に飛び込んで来たのは、バラバラに破壊され、雨のように落ちていく竜騎士団の姿。
「まさか日本!!日本の攻撃か!!!」
全身から汗が吹き出る。
そして彼女は気付く。
(まさか!!私が、この私が震えているだと!?)
バルコニーの手すりに掴まる手は震え、足は目で見ても解るほど、明らかに震えている。
そして、矢のような形をした何かが凄まじい速度で通過する。
その速度は彼女が知りうるどの物体よりも速く、先ほど考えていた
(竜騎士団が負けるはずが無い)
といった根拠の無い自信はあっさりと崩れ去る。
直後に届く衝撃波音、そしてそれから発せられる光の矢が、陸軍基地へ向かっていく光景。
「まさか、皇都防衛隊が攻撃を受けているのか!!!」
大きな炸裂音の後、陸軍基地から最大級の警戒アラームが鳴る。
レミールは皇都が攻撃を受けている事を理解し、すぐに第1外務局に行こうと足を踏み出すが、足が震えて全く動けない。
ヒュゥゥゥゥ
直後、甲高い音が鳴り、雷鳴の轟きと共に空に消える日本の飛行機械。
別の飛行機械が攻撃に来たようだった。
爆音、そして陸軍基地から上がる煙。
相当な爆発だった。
かなり被害が出ているだろう。
そして……。
ブオォォォォォ
唸るような重低音、大きな翼をもった飛行機械が……50機を超える量で侵攻してくる。
先ほどの小さい飛行機械ですら、あれほどの威力の爆弾を投下した。
「くっ!何をするつもりだ!!!」
大型の飛行機械は各々から信じられない数の爆弾を投下する。
爆弾の雨。
ヒュゥゥゥゥヒュゥゥ……
恐怖を掻きたてる日本の爆弾投下音、そして陸軍基地から上がる猛烈な爆炎。
おそらくとんでもない被害が出ているはずだ。
レミールは屈み込み、両膝を抱え込む。
震えが止まらない。
自分は責任ある立場、すぐにでも第1外務局に出向かなければならない。
しかし、日本軍による皇国へ向けられた圧倒的な暴力、そしてその原因を作り出したのが自分であるという事実。
(日本は……日本は血眼になり、怒り狂って私を探している。)
考えが頭を巡り、恐怖で動けない。
街は、騒然とした雰囲気に包まれ、所々で人々の怒号が聞こえる。
レミールは這うようにして、ベッドに潜り込み、今に至る。
「レミール様、レミール様!!!」
自室のドアを叩き、呼ばれる音が聞こえる。
「レミール様!!」
こんな姿を家のメイドに見せる訳にはいかない。
「今行く!!!」
レミールはその精神力をもって立ち上がる。
震えながらも彼女は自室のドアの前に向かう。
「何だ!!!」
ドア越しに彼女は尋ねる。
「第1外務局から至急来てほしいとの連絡が入っています。」
「解った。着替えてから向かう!!」
全く思いつかない今後の対策、彼女の頭の中を、日本の恐怖が駆け巡る。
◆◆◆
皇都エストシラント 南方の港
皇都防衛の要ともいえるエストシラント南方の海軍基地、同基地には戦列艦がひしめき、皇国海軍主力といっても差し支えない。
基地の中には列強パーパルディア皇国の海軍本部も設置され、多数の戦列艦の並ぶその姿は圧倒的の一言であり、見る者にある種の感動を与える。
海将バルスは、海軍本部の自室から外を眺める。
陸軍が攻撃を受けたとの報により、基地の海軍に全力出撃を命じた。
有事即応体制にあった戦列艦たちは、迅速に準備をしている。
すでに主力の3分の1は警戒のために布陣を整えており、万全の体制で敵を迎え撃つ。
個艦同士の展開範囲を広くとり、かつ莫大な量をもって戦うことにより、長射程砲対策を行う。
本作戦に、海将バルスと皇国の頭脳マータルは、自信を見せる。
続々と港を出港する戦列艦、その一隻一隻が、この世界の平均的な戦船に比べ、圧倒的に強く、圧倒的に大きく、そして圧倒的に速い。
第3文明圏最強の海軍、列強パーパルディア皇国主力艦隊は、おそらく来るであろう日本海軍の攻撃に備え、彼らを滅するために出港準備を行うのだった。
パーパルディア皇国 皇都エストシラント 南方海域
海にひしめく大艦隊、そこにはパーパルディア皇国海軍主力の3分の1が展開していた。
各艦の距離は1.0kmにも及び、とてつもない範囲の「面」に海軍は展開する。
同面内に敵が入ってきた場合は、複数の艦が攻撃に参加する。
同質同数の量であれば、各個撃破される布陣であり、決して行わない。
この布陣は、敵よりも被害を受ける事を前提とし、しかし数で圧倒し、長射程砲を敵が持っていたとしても、確実に敵にダメージを与えうる布陣。
第3文明圏において、質においても量においても、他国を凌駕し続けた列強パーパルディア皇国にとって、この布陣は屈辱的でもあった。
しかし、敵は強い。
間違いなく侮ってはならない。
第3艦隊提督アルカオンは、皇国に3隻しか存在しない150門級戦列艦ディオスに乗船し、前方を見る。
敵はおそらく艦隊を海軍本部に向けて来るだろう。
「報告いたします。」
通信兵叫ぶ。
あまりの慌てようから、他の幹部も何が起こったのかと彼を見る。
通信兵は続ける。
「本国の皇都防衛隊陸軍基地が、日本国の飛行機械の攻撃を受け、全滅したとの事です。
また、海軍本部はこれに基づき、展開中の本艦隊に最大級の警戒を指示すると共に、エストシラント港待機中の第1、第2艦隊に出港を命じました。」
「な……なんと!!」
「主力艦隊の全力出撃は歴史上初めてだな。」
「しかし……皇都が攻撃を受けるとは!!」
艦橋にいる幹部の面々は、驚嘆の言葉を発する。
「日本軍の艦隊の侵攻も、極めて可能性の高い状態となった。
索敵のワイバーンの数を3倍にしろ!!」
「ははっ!!!」
透き通るような青空に向かい、第3艦隊の竜母数隻から次々と飛び立つワイバーンロード。彼らは風を掴み、空に羽ばたく。
その姿は、誇り高く、力強い。
提督アルカオンは来るであろう日本軍に対し、敵意を燃やすのであった。
◆◆◆
パーパルディア皇国 皇都エストシラント 南方海域
日本国海上自衛隊の第2、第4護衛隊群は、波を裂きながら北進していた。
すでに敵の大船団は、レーダー上に捉えられ、おそらくは敵の空母と思われる艦隊の位置も把握し、事前の人工衛星からの偵察により、敵海軍本部の位置も判明している。
「すごい布陣と量だな。これほどの近代艦の大艦隊を相手にした海戦は、日本の歴史上初めてになるかもしれない。」
艦隊司令の内野はつぶやく。
敵空母艦隊は、護衛艦隊から北東方向約120kmに展開し、すでに対艦ミサイルの射程距離に入っている。
空母艦隊からは、多数の敵航空戦力が飛び立つ様子がレーダー画面上に映し出される。
「よし!対艦誘導弾により、敵空母艦隊を撃滅せよ!!!」
各艦に設置された斜め上方に向けられた筒の中で、固体燃料に火が灯り、煙が上がる。
轟音と共にそれは発射される。
合計25発にも及ぶ90式艦対艦誘導弾(SSM1B)は、ロケットブースターにより初期加速を行う。
十分に加速されたミサイルは、ロケットブースターを切り離し、ターボジェット推進に移行する。
ミサイルは、低空を時速1150km以上の速度で敵空母艦隊撃滅のため、飛翔していった。
パーパルディア皇国 海軍主力 第3艦隊所属 竜母艦隊南方約50km空域
ワイバーンロードに騎乗する竜騎士ラカミは哨戒飛行中、海に何らかの違和感を感じ、全神経を集中して海上を見る。
「いったい何だ!?あれは!」
彼は低空を超高速で飛行する矢のようなものを、多数発見した。
「索敵隊より艦隊司令!我、海上を竜母艦隊方向へ向かう超高速未確認飛行物体を発見!
総数20以上。
注意されたし!繰り返す……。」
『了解、迎撃は可能か?』
「無理だ!既に通過した。速すぎて追尾不能!」
『了解』
魔信を終了する。
竜騎士ラカミは敵の発見のため南へ向かうのだった。
ウゥゥゥゥーーー!!!!
竜母艦隊に最大級の警戒音が鳴り響く。
「上がれる竜は上がれ!!!」
怒号が飛び交う。
各竜母からは、皇国の航空戦力、ワイバーンロードが続々と飛び立ち、上空で編隊を組む。
竜母20隻からは、各12騎づつ、計240騎がすでに上空に舞い上がり、さらに竜を排出し続ける。
離陸した竜騎士は、魔信で報告のあった方向に向かい、導力火炎弾の発射準備を行い、おそらくは日本軍の攻撃と思われる超高速未確認飛行物体の迎撃に備える。
「これほどの竜が、正体不明の物体の迎撃に上がるのは、歴史上初めてだな。」
竜母艦隊司令バーンは、飛び立つ竜騎士を見て側近につぶやく。
「そうですね、敵のお手並み拝見といきましょう。」
竜母艦隊の軍師アモルは、自信のある態度をもって、司令のつぶやきに答える。
「ん?始まりましたな。」
遠くの方で、導力火炎弾の発射光が微かに見え、魔信からは次々と「発射!」の報告が入る。
200騎を超える精鋭竜騎士団の導力火炎弾の放出、遠くに見える炎の輝きは次々と連続して光り輝き、幻想的にさえ見える。
軍師アモルは両手を広げ、少し大げさに話し始める。
「バーン様、ご覧下さい。あの光の量、凄まじいまでの火力の放出を!!!
……フ、我々はすでに人の領域の戦いを超えています。
これは……まさに、神々の領域の戦いだ!!!これほどの火炎弾を受ければ、正体不明の飛行物体も、もう存在しないでしょう。」
なおも火炎弾の放出は続く。
「報告!!!!」
突然通信士が絶叫する。
竜母に乗艦する幹部の誰もが彼を見る。
「竜騎士団の火炎弾は命中弾なし!!1発も命中していません!!!
飛行物体は無傷で艦隊に向け、なおも進攻中!!!総数25。」
「な……なにぃ。そんな、そんな馬鹿な!!」
軍師アモルはうろたえ始める。
海上スレスレを飛翔してきた1発目の対艦ミサイルは、大きく上昇し、斜め上空から竜母艦隊司令の隣を航行中の竜母アビスに突入した。
猛烈な閃光―。
竜母アビスは、船よりも遥かに大きな爆炎に包まれる。
少し遅れて、海上に轟音が木霊する。
「ひぃぃぃぃぃ!!!!」
軍師アモルは恐怖のあまり、情けない声を出す。
竜母アビスは跡形も無く、木っ端微塵に破壊され、海上から姿を消す。
驚愕。
誰も、何もいえない。
「……竜母アビス、轟沈。」
通信士がつぶやくように報告する。
ドン!!
静まり返った艦橋に、机を拳で叩く音が響く。
艦隊司令バーンの拳は、血で赤く染まる。
「バ……馬鹿な。おのれぇ!!
上空待機中の竜騎士団に、全騎南へ向かうよう指令しろ!!
敵を見つけしだい、各小隊判断で攻撃を行うように伝えるのだ!!」
「ははっ!!」
上空の竜騎士に、命令が伝達される。
「竜母ガルガオン轟沈!!
竜母セイレーン轟沈!!」
海上では、敵から放たれた攻撃が連続して着弾し、次々と竜母が沈む。
「くっ!!これまでか。」
艦隊司令のバーンは、自らの乗る船に向かい、飛んでくる敵の矢を見つめる。
矢は船に突き刺さり、艦隊司令バーンは、猛烈な光と共に、この世を去った。
パーパルディア皇国主力海軍第3艦隊 旗艦ディオス
旗艦ディオスの艦橋で、第3艦隊提督アルカオンは、前方の海を睨んでいた。
間もなく日本海軍と戦う事になろう。
確信的予感。
「報告します。」
通信士が声をあげる。
「何だ?」
「我が第3艦隊所属の竜母艦隊が、正体不明の攻撃を受け、全滅しました!!
すでに上空にあった竜騎士250騎は、南方方向に向かい、捜索及び発見時は攻撃を行う予定との事です。」
「な……なんと!!」
「そんなバカな!竜母艦隊は主力戦列艦よりもはるかに後方ぞ!!攻撃が届くはずが無い。」
場がざわつく。
艦橋にいた幹部はそれぞれ驚愕の声をあげる。
提督アルカオンが手をあげると、場が静まる。彼はゆっくりと話し始める。
「敵には、長射程かつ正確に攻撃できる兵器があるのだろう。
しかし、一気に全ての戦列艦を叩かず、海戦において最も重要なコアである竜母艦隊のみを狙った……敵の長射程攻撃の数に余裕が無い証拠だ。
うろたえるな。」
悲壮感に溢れていた艦橋は、提督アルカオンの冷静な分析により、我を取り戻す。
「戦列艦アディスから報告!!」
通信士は続ける。
「アディス前方約40km地点に艦影を確認!艦数不明!!」
「ほう、見つけたか!!」
アルカオンは手を振りかざし、宣言する。
「全艦隊、第1種戦闘配備!少し外れにいる竜騎士団にも、敵に突入するよう伝えろ!!!
艦隊の隊列を乱すな。最大船速で敵に向かえ!!空と海から波状攻撃をかけるぞ!!!」
「はっ!!」
命令は正確に伝達され、各艦に伝わる。
「すでに竜騎士が空にいたのは幸いだったな……海と空からの同時攻撃、歴史上今回のような大規模攻撃を受けた者はいない。
日本よ、おまえは耐えられるか?」
提督アルカオンは前方を睨みつける。
日本国海上自衛隊 第2、第4護衛隊群
艦隊は波を裂いて進む。
応援も含めた総数20隻の艦隊はすでに戦闘態勢に移行しており、1列となりて敵の大艦隊へ向かう。
最前列にはイージス艦きりしまを置き、最後列にはイージス艦あしがらを配置する。
中心部にあるヘリコプター搭載護衛艦いせは、本艦隊の旗艦も担い、同いせには、海上自衛隊のヘリの他に、7機もの陸上自衛隊の攻撃ヘリ(AH64Dアパッチ、AH1Sコブラ)が配備され、発艦を開始する。
最前方の護衛艦と、敵艦との距離が20kmになった時、旗艦から一斉指令が繰り返し、はっきりと大きな声で流される。
「攻撃開始!!各艦は砲の射程に入り次第、順次攻撃を開始セヨ。」
最前列を行くイージス艦きりしまの、艦前方に設置された127mm単装速射砲が動き始める。
FCS射撃管制システムにより、敵艦と自艦の相対速度が算出され、砲の飛翔速度、弾道、そして着弾予想地点を計算、砲が寸分違わず斜め上空を向く。
「主砲撃ちぃ方はじめ!!」
次の瞬間、轟音と共に、その砲弾はパーパルディア皇国海軍主力第3艦隊の戦列艦アディスに向け、発射された。
後に世界に日本という国を強烈に印象づけ、歴史書にはエストシラント沖大海戦と記された海戦が始まろうとしていた。




