列強の落日 1
日本国首都 東京
防衛省の一室で、日本国内閣総理大臣は、防衛省と外務省合同でのパーパルディア皇国戦に関する今後の作戦概要について、説明を受けていた。
「それでは説明を開始いたします。」
プロジェクターに映像が写され、重要部はレーザーポインターを使用し、説明が進む。
日本からは遠いが、アルタラス王国からは近いパーパルディア皇国、皇都エストシラントとその周辺の地図が画面に表れる。
「アルタラス王国内のムー国が作った飛行場を改良した我が国の基地が完成した後の話になりますが……。」
幹部は前置きをして話を進める。
レーザーポインターで、皇都エストシラントから北側に少し離れた部分を指示する。
「この位置に極めて大きな基地が存在します。
パーパルディア皇国は幸いな事に、街から少し離れた場所に大規模な要塞や基地を作る性質があるようです。
武力を集中させすぎるのは、皇国が近代戦を行った事が無いからだと思われます。
このような極大サイズの基地は、パーパルディア皇国に3つあり、
この部隊は、首都防衛の要となっているようです。」
話は続く。
「この基地には多数の航空戦力、ワイバーンも確認されています。
また、エストシラントの南方の港には、数百隻の戦列艦が停泊しており、正に第三文明圏の覇者にふさわしく、19世紀の大英帝国も真っ青になるほどの戦力が存在します。」
「港の船に対しては、2個護衛隊群で対応し、陸軍基地に対してはF-2戦闘機及びP3C対潜哨戒機を大量に投入、無誘導の爆弾を使用した大規模爆撃を行い、これを殲滅します。
なお、ロウリア戦後、爆弾の量産は総理が知ってのとおり、予算請求が通っておりますので、在庫については心配ありません。」
「ま……待て、ちょっと待った。」
総理が口を挟む。
「無誘導弾の大規模爆撃だと?少し効率が悪すぎやしないか?
第二次世界大戦中のB-29のような事をするつもりなのか?
今の時代は精密誘導兵器の時代だろう?」
一呼吸おいて、幹部が説明を始める。
「自衛隊の保有するJDAMはGPS慣性誘導であり、GPSの無いこの世界では無意味です。
LJDAMはレーザーを対象物に照射する必要があり、我が国は空からレーザーを照射する機器を保有していません。
その点、P3Cは100機近く保有しており、本作戦に70機近く投入可能です。
爆弾も、主翼に取り付ける物を含めて、9t近く搭載出来ますので、この規模の基地の殲滅にはうってつけです。
もちろん、護衛のためにAWACSとF-15の護衛は就きます。」
「そ……そうか。」
「本件攻撃対象基地は、皇都から少し離れているため、民間人に対する被害は極小となると思われます。」
「うーむ。しかし、重要拠点、例えば橋を破壊したい場合、精密爆撃をする能力は我が国には無いのか?」
「敵国に潜入してレーザーを照射するか、高くつきますが、93式空対艦誘導弾(ASM-2)は赤外線イメージ誘導が出来るため、理論的には精密爆撃は可能……と思います。
実例は無いため、おそらくとしか言い様がありません。
後は、攻撃ヘリを使用した攻撃ですが、火力的には多くを望めません。」
「うーむ、この戦いが終わったら、自衛隊の兵器を根本的に見直す必要があるな。
すまん、話を続けてくれ。」
「はい、皇国周辺の陸軍基地を排除した後、P3C爆撃隊は速やかに国内に帰り、爆装後すぐに東の工業都市、デュロの北にある陸軍基地に攻撃を行います。
基地を滅した後は、デュロに多数ある皇国の武力を支える工場に対し攻撃し、これを使用不能にします。
本来なら、この工業都市の橋も破壊したいのですが、無誘導の爆弾でそれを行うと、街にも多くの被害が出るため、自衛隊員のストレスにもなりますし、国民感情や対外関係にも悪影響が考えられますので、今回は行いません。」
「皇国民からすると、大規模無差別爆撃にしか見えないからな。」
「なお、デュロの港に多数いる戦列艦も、1個護衛隊群を投入します。」
「解った。」
「これで、第1段階の概要説明を終わります。
第2段階については、外交状況にもよりますので、後日説明いたします。」
防衛省と外務省の総理に対する説明は終了した。
◆◆◆
パーパルディア皇国 皇都エストシラント
皇帝陛下の命により、属領だったアルタラス王国を奪還する事が決定したパーパルディア皇国。
皇都エストシラントの港では慌しく人が動き回り、アルタラス王国を攻める準備が行われていた。
皇都の南に位置する第3文明圏最大の港には、数百隻もの戦列艦が停泊しており、物資を積み込む。
海軍提督バルスは港湾施設の屋上からその光景を眺めていた。
バルスの横には、皇国最大の頭脳と言われた作戦参謀マータルが立つ。
「マータルよ、今回の戦いをどう見る?」
提督バルスはマータルに話しかける。
「そうですね、セオリーどおりならば、アルタラスごときを攻めるには、大幅な過剰戦力と言わざるをえません。
しかし!!!
相手は日本国。
情報分析の結果、列強ムーの兵器を輸入している可能性が高い。
現に皇国監査軍が敗れ、そしてフェン王国派遣部隊も全滅しています。
これほどまでの連続した大敗は、パーパルディア皇国が列強になった後の歴史としては初めて……つまり、歴史的な大敗です。
日本は強い!!それは認めなければなりません。
ムーの兵器をどれだけ、そしてどの種類を保有しているのか不明ですが、航空戦力についてはワイバーンオーバーロードで何とかなると思いますが、問題は敵が戦艦を購入していた場合です。」
話は続く。
「戦艦ラ・カサミクラスがもしも出てきたならば、海戦は……普通に行えば負ける可能性が高くなります。」
「では、どうすればよい?」
「戦列艦の圧倒的な量でカバーするか、もしくは原始的な方法になりますが、ワイバーンの大量投入により、戦艦に直接乗りつけ、上部甲板を火炎弾で焼き払いながら銃を持った竜騎士を戦艦内部に突入させます。」
「かなり被害が出るな。」
「もはや、被害なしで勝てる相手ではありません。
しかし、皇国の技術と物量で押せば、今戦いには必ず勝ちます。
皇国の興廃はこの一戦にあると言っても過言ではありません。」
提督バルスは遠くを見つめる。
「日本には、今戦いが終わったら、今まで皇国を舐めたつけを散々払わせよう。
捕虜には、死よりも辛い生を味わわせてやろう。
日本人よ!!皇国の主力の力、しかと味合わせてやる!!!」
パーパルディア皇国、海軍提督バルスは、まだ見ぬ日本海軍に対し、闘志を燃やす。
パーパルディア皇国 皇都エストシラント北方 陸軍基地
第3文明圏の列強たるパーパルディア皇国、そして第3文明圏で最も優雅であり、他国の富を吸い上げ、栄華を極めた都市、皇都エストシラント。
その北方に位置する陸軍の基地は、皇国の守護者にふさわしく、最も優秀な者たちが、最新兵器を配備し、錬度も士気も申し分なく、そしてその規模、数においても皇国最大であり、総合力を発揮した際の強さは第3文明圏で1番である事は間違いない。
ムーの兵器を使用していると思われる日本。
皇国は日本国を強敵と認め、あってはならないが皇都侵攻が行われた場合に備え、基地を強化していた。
基地内には、地竜によってけん引される魔導砲が整然と並び、地竜に鎧を着せ、歩兵の銃を跳ね返す事が可能な装甲地竜が多数訓練を行っている。
基地内の兵は慌しく動き回り、訓練中の兵はその整った動きを見る限り、非常に高い錬度を持っている事が伺える。
基地の塔の上からその光景を眺めていたパーパルディア皇国、皇都防衛軍、陸将メイガは、眼下の光景を見て満足そうにうなずき、傍らに立つ竜騎士隊長に話しかける。
「すばらしい戦力だ。これほどの戦力がこれほどの密度で存在している。
たとえ、敵が神聖ミリシアル帝国であったとしても簡単には落ちまい。」
「そうですな、そして将軍!我が隊にも新鋭騎が続々と配備されていますぞ。
あの騎を見てください。」
竜騎士隊長が指示する方向には、誇り高き皇都防空隊のワイバーンロードが編隊を組んで飛行している。
その姿は力強く、優雅であり、見る者によっては恐怖の対象となろう。
その後方から、一回り大きな竜が飛ぶ。
竜の速度は速く、高速飛行中のワイバーンロードとの距離をつめる。
「おお!!あれが新型、噂のワイバーンオーバーロードか!!!なんと!完全にワイバーンロードの速度を凌駕している。
なんという速度!!」
高速飛行をしていたワイバーンオーバーロードは、長らく皇国の主力として君臨してきた空の覇者、ワイバーンロードをあっさりと抜き去っていく。
「皇都防空隊は間もなくその全てがワイバーンオーバーロードになります!!」
竜騎士隊長は自信をもって宣言する。
「おお!!凄まじいな。
これほどの量をあっさりとそろえるとは、皇帝陛下も本気になられたようだ。
これほどの戦力があれば、ムーの最新鋭戦闘機マリンの編隊が攻撃に来たとしても、恐れるに足りんな。
ヌワーッハッハッハア!!!」
皇国の守護者たちは戦いの準備を進め、その基地機能は強化され続ける。
◆◆◆
皇都エストシラント 第1外務局
第1外務局長エルトは、その情報を受け、外れてほしかった推察が当たり、落胆していた。
そして肝を据える。
日本国と戦争状態に突入したパーパルディア皇国、その列強たる皇国内に住まうムーの民。
第2文明圏列強ムー政府は自国の民に対し、日本国と本格的戦争状態に突入した事を理由として、パーパルディア皇国に対する渡航制限と、皇国からの避難指示を出した。
これを受け、皇国内に住まうムーの民は、続々と国外に脱出を図っている。
「やはり……そうか!!!」
エルトは執務室でつぶやく。
列強たるパーパルディア皇国と文明圏外の蛮族の国、日本国。
この2カ国が戦争状態になったところで、列強の本土が脅かされる事は無い。
まして、皇国本土から自国民に退去を呼びかけるなど、通常であれば狂人の判断だ。
しかし、ムーはそれを行った。
考えられる可能性はただ1つ、ムーが本格的に日本を支援し、皇国にけしかけているとしか考えられない。
「まさか……列強同士の戦いになるとは……何故ムーは、このような措置を取るのだ!!」
ムーの民が国外退去を始めているといった情報は、すでに皇族レミールにも知られている。
間もなく、ムー国大使が皇国の召喚に応じ、出頭してくる。
レミール様がどう動き、ムー大使がどのような言い訳をするのかが楽しみだ。
今回は、レミール様が主体となって外交を行うため、私はその様子をゆっくりと見学させてもらおう。
第1外務局エルトは、まるで人事のようにそう考える。
皇族レミールは、第1外務局の小会議室で、第2文明圏列強ムーの大使を待っていた。
すでに事前情報として、ムー国政府が日本国とパーパルディア皇国が戦争状態に突入した事を理由として、パーパルディア皇国内のムー民に対し、避難指示を出しており、国外へ退去するムーの民が港に長蛇の列を作っている。
ムーは日本に自国の兵器を輸出しているからこその避難指示と思われる。
でなければ、列強と蛮国の戦争で列強側の国に対して避難指示が出る事は考えられない。
会議室には皇族レミールの他に、第1外務局長を筆頭とした幹部の面々が顔をそろえる。
そろそろムー国大使の到着時間だ。
コンコン
小会議室のドアがノックされる。
「ムー国大使の方が来られました。」
案内の声が聞こえる。
「どうぞ。」
重厚な扉を開け、ムー国大使ムーゲと職員3名の計4名が入室する。
「どうぞお座り下さい。」
案内に促され、ムー国大使一行は席につく。
ムー国大使ムーゲは思う。
おそらく今日自分たちがパーパルディア皇国に召喚された理由、日本と皇国の戦争により、本国から避難指示が出た件で、何故そんな事をするのか問われるのだろう。
ムーは皇国と敵対している訳でも無く、特に仲が良い訳でも無いが、大切な国交を有する国だ。
皇国も、さすがに日本の技術については気付いているだろうから、説明すれば解ってもらえるはず。
いかに皇国のプライドを傷つける事無く、一時的とはいえ、ムー大使までもが本国に引き上げる事実を説明しなくてはならない。
しかし……。
僅かに心に引っかかる事がある。
皇国は日本に対し、殲滅戦を宣言してしまっている。
日本の強さ、技術力の高さを上が認識していたら、こんな事を宣言するとは思えない。
考えたくも無いが、まさか皇国は日本の強さを認識していない可能性すらある。
いや、それは流石に無いか……認識が無いならば、皇国が日本に連敗した説明がつくまい。
ムー国大使ムーゲは皇国との会談の前に気を引き締める。
「それでは、会談を始めます。」
進行係の言葉により、会議は開始された。
皇族レミールが最初に発言を行う。
「我が国が日本国と戦争状態に突入している事は、知ってのとおりだと思う。
今回のムー国の一連の対応について説明を願いたい。」
レミールの問いに対し、ムーゲが対応する。
「はい、このたびパーパルディア皇国と、日本国が戦争状態に突入いたしました。
今戦争は、激戦となる可能性があります。
ムー国政府は、ムーの民の安全を確保するため、貴国からの避難指示を発令するに至りました。
今回の指示には、大使館の一時引き上げをも含みます。
この措置は、皇都にも被害が及ぶとの判断からなされています。」
この発言を受け、レミールの表情が曇る。
「いや、上辺は良いのです。
調べはついています。本当の事を話してはもらえませぬか?」
「?」
レミールの発言が理解出来ずに、ムーゲは戸惑う。
「我々が日本国との戦闘の際、飛行機械を目撃しているのです。
本当の事を話してください。」
「……いったい何がおっしゃりたいのか、理解出来ないのですが……。」
「解らぬのか?これは、ムーもとんだ狸を送り込んで来たものだ。
私は今、飛行機械を日本が使用しているのを目撃したと発言した。
飛行機械が作れるのは、あなた方ムーくらいのものだ。
あなた方ムーは、今まで決して輸出して来なかった武器を日本に輸出した。
そして、今回の皇都からの自国民の引き上げ、これが何を意味しているのかは馬鹿でも解るだろう。
何故日本に兵器を輸出した!!そして何故我々の邪魔をするのだ!!!」
ムーゲは今にも襲い掛かってきそうなレミールの表情に萎縮すると同時にパーパルディア皇国のあまりにも斜め上の推論に戸惑う。
「あなた方は、何か重大な勘違いをしている。
我々ムーは、日本に兵器を輸出などしていない。
彼らは我々よりも機械文明が進んでいるのです。」
「文明圏外の蛮国が、第2文明圏の列強よりも、機械文明が進んでいる。そんな話が信じられるか!!」
「彼らは……転移国家という情報は、掴んでおられないのですか?」
レミールは過去に読んだ報告書の片隅に記載されていた文を思い出す。
しかし、彼女は現実主義者であり、そんな物語を本気になど出来なかった。
「転移国家などと……貴国はそれを信じているのか?」
「信じます。我が国以外の国では、神話としか思われていないが、我が国もまた転移国家なのです。
1万2千年前、当時王政だったが、歴史書にはっきりと記録されています。
日本について調査した結果、我が国の元いた世界から転移した国家であり、1万2千年前の異世界での友好国です。
当時の友好国ヤムートは、ヤマトやヤマタイコク等、様々に名を変え、日本となりて現在に至ります。」
ムーゲはカバンの中から写真を数枚取り出す。
「これは、日本の戦闘機の写真です。
そしてこれが我が国の戦闘機の写真……。
見て下さい、我が国の戦闘機にはプロペラ、風を送り出す機械ですが、それが付いていますが、日本の戦闘機にはプロペラが無い。
速度も日本の戦闘機は音の速さを超える事が出来るようです。
我が国にこれを作る技術はありません。
輸入もしたいのですが、認めてもらえません。
我が国が日本に輸出出来る兵器は無く、逆に我が国がほしい立場なのです。」
次に、超高層建築物が立ち並ぶ、見た事が無いほどの栄えた街の写真を取り出す。
「これは、日本の首都、東京の写真です。
日本は転移前、地震の多い国だった。
これほどの高層建築物の全てが、強い地震が来てもビクともしません。」
パーパルディア皇国側の面々の顔色が一気に悪くなっていくのが解る。
ムーゲはさらに話を続ける。
「軍にしても、技術にしても、日本国は我々よりも遥かに強いし、先を進んでいるのです。
神聖ミリシアル帝国よりも上と言っても過言ではありません。
そんな国にあなた方は宣戦を布告し、かつ殲滅戦を宣言してしまいました。
殲滅戦を宣言しているということは、相手から殲滅される可能性も当然あります。
ムー政府は国民を守る義務があり、このままでは皇都エストシラントが灰燼に帰する可能性もあると判断し、ムー国政府はムーの民に、パーパルディア皇国からの国外退去命令を出したのです。
我々も間もなく引き上げます。
戦いの後、皇国がまだ残っていたら私はまた帰ってくるでしょう。
あなた方とまた会える事をお祈りいたします。」
絶句……。
全く声が出ない。
パーパルディア皇国側が沈黙する中、会議は終了した。
会議の後、小会議室に残された第1外務局の者たち。
ムー国大使の言が正しかったとすれば、自分たちは超列強国相手に侮り、挑発し、そしてその国の民を殺してしまった。
さらに、最悪な事に国の意思として殲滅戦を宣言してしまっている。
列強国の大使の言は重く、あまりの衝撃に全員が放心状態となり、具体的な対策は一切思いつかない。
「さて、これからどうするかな。」
レミールが発言する。
「ムー大使が言っていた事が本当とは限りませぬ。
ムーが代理戦争を行うために日本を利用していた場合は、勝機はあります。」
「フハハハハハ!!!」
レミールが突然笑いはじめる。
「最悪の想定が、唯一の望みになるとは!!これほどの喜劇があろうか!!フハハハハ!!」
「レ……レミール様!?」
エルトは、レミールの精神が壊れたのではないかと心配する。
思い返せば、何度も何度も日本の国力に気付く機会はあった。
しかし、その全てを無駄にしてしまった。
日本が自ら力を示さなかった事がもどかしい。
行った行為は消せず、失った時間はもう戻らない。
パーパルディア皇国外務局、この日の会議は深夜にまで及んだ。
◆◆◆
アルタラス王国 王都ル・ブリアス郊外 早朝
ムーの作った飛行場を大幅に改良した日本国の基地、同基地機能は大幅に拡張され、大量の戦闘機と、集められたP3C対潜哨戒機が駐機する。
P3C胴体の爆弾倉と主翼には、対地攻撃用の無誘導爆弾が満載されている。
次々と飛び立つP3C、空港から少し離れた場所で旋回し、編隊を組む。
アルタラス王国と、クワ・トイネ公国から飛び立ったP3Cは、合流し、皇国へ進路をとる。
敵にとっての破滅の行軍。
第2次世界大戦以降、見た事が無いほどのプロペラ機の大編隊、総数70機にも及ぶP3C爆撃編隊は、パーパルディア皇国、皇都エストシラント北方に位置する皇国軍の基地を殲滅するために、飛び去って行った。




