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チートルーレット!~転生時に貰ったチートがとても酷いものだったので、田舎でのんびりスローライフを送ります~  作者: 宮本XP


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第675話 最強パーティ2


「こんにちはー」


「あらアレク君、今日はずいぶんと大所帯ね」


「ええまぁ、そうなんですよねぇ」


 町の検問までやってきた僕達は、門番のケイトさんと挨拶を交わした。

 ケイトさんの言う通り、ずいぶんと大所帯で移動中である。


 現在のメンバーが――僕、スカーレットさん、リュミエスさん、ジスレアさん、クリスティーナさん、ヘズラト君の合計六名だ。

 現在集まることができるパーティメンバー全員での出発となった。


「それにしても、相変わらず達人揃いで……」


「ふふふ。これでもフルメンバーではないのですけどね。我らアルティメット・ヘズラトボンバーズには、まだまだ強力なメンバーが控えております」


 今の時点でも最強パーティと言えそうだけど、まだ後ろにはユグドラシルさんが控えている。

 なんと層が厚いパーティであろうか。これでユグドラシルさんもいたら、さらに最強パーティになっていたはずで――


 ……いや、あるいはさらにその上を目指すか?

 どうせなら、今いるメンバーにユグドラシルさんを加え、さらに父と母も加え、ついでにナナさんも加え、あとはミコトさんとディースさんを加えたら――


 勇者、勇者、魔王、賢者、聖女、聖盾、神獣、世界樹、迷宮、創造神、創造神、至宝という面子に……。

 うん。すごいね。勇者二枚体制もびっくりだけど、創造神二枚体制はもう意味がわからん。


 ……とはいえ、そこまでやると僕の場違い感がすごいな。

 さすがにちょっと遠慮しようか。もうちょっと控えめに主張しよう。ここはあえて、至宝などと名乗るのではなくて――


 勇者、勇者、魔王、賢者、聖女、聖盾、神獣、世界樹、迷宮、創造神、創造神、ポケットティッシュという面子で……。

 ……さすがにそこまで自分を卑下しなくてもいいような気もするけれど、明らかにお荷物なのはやっぱり否定できないよねぇ。


「で、そんなメンバーでどこへ行くのかしら」


「あぁ、はい、それがですね……」


「ん?」


「ええまぁ、なんと言いますか……」


「……もしかして、またよからぬことを企んでいるの?」


「え? あ、違いますよ?」


 ちょっと言い淀んだだけで、すぐにそんな疑惑を掛けられるとは……。

 何故なのか。まるで僕が毎度毎度よからぬことを企んでいて、事あるごとに騒動を起こしているような扱いである。心外である。


「まぁ普通に探索ですね。今日は――ダンジョンに行こうと思っています」


「へぇ? そうなの? そういえばアレク君からダンジョンの話を聞いたことはなかった気がするわね。もしかして初めてかしら?」


「ええはい、実はそうなんですよ……」


 実は初ダンジョンで、実はあんまり気が進まない探索なのだ。そのために少し言い淀んでしまった僕がいたりする。


「というわけで――ケイトさんも一緒に行きませんか?」


「えぇ? 私も……?」


「ダメですか? できる限りのお礼はさせてもらいますゆえ、ご一緒していただけないでしょうか?」


「そう言われても……」


 まぁさすがに難しいかな……。門番として今まさに勤務中だものねぇ……。

 僕としては、できるかぎりのお礼はさせてもらうつもりで――出せるだけのお金は出させてもらうつもりではあるのだけれど。


「今は信頼できる味方が一人でも多くほしいところなのです。ケイトさんが来てくれたら、僕もさらに安心できるのですが」


 とか言いつつ、実はケイトさんの実力とか知らない僕だったりもする。

 でもまぁ、たぶん強いんじゃないかな? なんか強そうな気がする。こちらの最強パーティの最強メンバーとも自然な様子でやり取りしているし、たぶんケイトさん自身も結構な実力者なのだろう。


 なので付いてきてほしい。――何気にケイトさんとは一緒に出かける機会が今までなかったので、それでただ単純に付いてきてほしいとか、ただ単純に一緒にお出かけしたいとか、別にそういうことではない。純粋に戦力としての勧誘である。

 もちろん一緒にお出かけもやぶさかではないが、そんなやましい気持ちからの勧誘ではないことを、一応は伝えておきたい。


「というか、これだけのメンバーを揃えて、何を不安に思っているの?」


「あー、それはですね……」


「――どうもアレクは、何か不測の事態が起こるのではないかと、ラフトのダンジョンそのものを過剰に恐れているらしい」


 というジスレアさんの回答。

 何か不測の事態が起こるかもしれないと僕に伝え、ダンジョンへの恐怖心を無駄に植え付けた張本人が、そんなことを言う……。


「私としては、アレクの不安を取り除こうと努めてきたのだけれど」


「そうでしたっけ……?」


「とにかく、そこまで不安になることはない。私も付いている」


「ええはい、ありがとうございますジスレアさん……」


「ヒーラーとして、全力でアレクを治療することを約束する」


「…………」


 どんな大怪我をする想定なの……?

 なんかもうジスレアさんは、僕を手のひらで転がして楽しんでいるんじゃないかって疑惑が持ち上がってきたな……。


「うんうん。私も付いているぞアレク君」


「あ、はい。スカーレットさんもありがとうございます」


「まぁなんだ。アタシも守ってやるからさ」


「ありがとうございますクリスティーナさん」


「…………」


「リュミエスさんも、ありがとうございます」


 ジスレアさんに続いて、他のメンバーも僕のことを励ましてくれた。

 うん。ありがたい。みんなの気持ちは本当にありがたい。


 とはいえ……なんだろうね。なんだかモヤモヤする。こんなふうに周りの女性に励まされて、周りの女性に気を遣ってもらって、周りの女性に守られてというのは――

 なんかハーレム主人公っぽい……。しかも、ちょっと情けないタイプのハーレム主人公である……。


「――というわけで、是非ケイトさんもご一緒していただけると嬉しいのですが」


「いや、勤務中だから……」


 いっそのこと開き直って、情けないハーレム主人公路線のまま誘ってみたのだけれど、ケイトさんにはすっぱりとフラレてしまった。無念である。





 next chapter:いざ、ラフトダンジョンへ

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