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チートルーレット!~転生時に貰ったチートがとても酷いものだったので、田舎でのんびりスローライフを送ります~  作者: 宮本XP


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第671話 アレク君への指名依頼、無限募集中


 ギルドポイント不正受給作戦、第五弾『指名依頼』について、あれやこれやとリュミエスさんと相談を続け、謎のジェスチャーゲームなんぞを繰り返していたところ――


「――やっぱりアレク君にしかできないことがいいんじゃないかな? 指名依頼とは、本来そういうものだろう?」


「え? あ、はい、そうですね。それは確かに……」


 なにやら唐突にスカーレットさんから的確なアドバイスをいただいた……。

 最初に尋ねたときは『んー、んー』としか応えてくれなかったけど、一応はちゃんと話を聞いていてくれたのだなスカーレットさん……。


「どうやらアレク君は、リュミエスの全身を洗ったり、リュミエスのマッサージをしようと計画しているらしいが、もうちょっと他にできることがあると思う」


「…………」


 ……本当にちゃんと話を聞いていたのだろうか。

 リュミエスさん磨きと肩たたき券のことだとは思うけど、その言い方だと、なんだかとんでもなく卑猥な計画を企んでいるように聞こえてしまう。


「……でもまぁ、『僕にしかできないこと』っていうアドバイスは参考にしたいですね。そういう方向で依頼を考えていきたいです」


 なにせ指名依頼だからね。指名依頼っぽさは演出したい。あと、そういう依頼の方がなんとなくポイントも多く稼げそうな気がする。


「というわけで、僕にしかできなさそうなことを――おや? どうかしましたかリュミエスさん」


「…………」


 ふむ。リュミエスさんが何か思い付いたらしい。

 なんやかんやでいろんな意見を積極的に出してくれるよね。非常にありがたい。


「む、それは――」


「…………」


「ふむふむ。それは確かに僕だけですね。僕のニスでしか作れない代物です」


 ――アレク(あめ)だ。

 リュミエスさんが、どこからともなくアレク飴をスッと取り出してみせた。確かにそれは僕の専売特許である。


 んー、アレク飴なぁ。まぁアレク飴納品って依頼でもいいのかな。

 僕からするとなんてことのない依頼ではあるけれど、僕にしか達成できない依頼であることに違いはない。


「うん。確かにアレク君といえば『ニス塗布』だ。むしろニスが本体と言っても過言ではない」


「…………」


 なんかスカーレットさんは僕のニスに突っかかってくるよね……。あまりにもチートなニスについて、チクチクと(つつ)いてくることが多い……。


「あとはまぁ、木工かな。木工で何か作品を作ってもらうのもいいかもしれない」


「そうですねぇ。やはり僕への依頼となると、そのあたりになりますか」


 なんなら今スカーレットさんが使っているギターとかも依頼にしてもらえばよかったね。楽器は無駄にいっぱい作ったし、それらを全部依頼にしておけばなぁ……。


 とかなんとか話をしていると、リュミエスさんが新たに何か思い付いたようで――


「…………」


「ん、なんでしょう。なにやら自分を指さして、ポーズをとって……」


 というか、今日のリュミエスさんはアクションが多いねぇ。普段は物静かでクールなリュミエスさんだけど、謎のジェスチャーゲームが始まったせいで、むしろ普段とはまるっきり真逆の行動を見せている。


「で、つまりそれは――あ、もしかして人形ですか? リュミエスさんの人形?」


「…………」


 あってたっぽい。なるほど、リュミエスさんの人形作りか。

 それは――有りだな。なんなら依頼とか関係なく、ただただ純粋に作ってみたいかも。


「良いですね。やりがいもありそうですし、リュミエスさんが許していただけるのなら、是非作りたいです」


「…………」


「そうですかそうですか。リュミエスさんも楽しみにしてくれますか」


 ちなみにここは僕の予想だったりする。でもたぶん楽しみにしてくれるはず。

 うん。これはもう人形製作の指名依頼で決まりかな。とりあえず依頼を出してもらって、依頼を受けて、実際に作り始めて――おそらく一ヶ月もあれば完成することだろう。

 一ヶ月後には依頼達成して、ギルドポイントを――


 あれ? 一ヶ月? 一ヶ月後だと……?

 え、でも一ヶ月掛けて人形を作って……それでどれくらいなの? 何ポイント貰えるの?


 えぇと、この前の計算だと、普通の狩りでも一日に15ポイント稼げるわけでしょう? それが一ヶ月だと、450ポイントになるわけで……。

 つまり、人形納品で450ポイント以上稼ぐことができたら、ようやく現在のペースを上回ることができる……?


 どうなんだろう……。450ポイント以上ってのは、ちょっと厳しそうにも思えるけど……。

 そもそもちゃんとポイントを貰えるかすらわからんのに、さらには大量のポイントを稼がねばならんとは……。


「…………」


「え? なんですか? あ、今からですか? 今からギルドに?」


 リュミエスさんにグイグイと引っ張られている。今からギルドに向かい、指名依頼の手続きを行うつもりらしい。えらい積極的だなリュミエスさん。


 そうか、やはり人形作りで決まりなのか……。

 いや、まぁいいんだけどね。人形を作ること自体に不満はない。純粋にリュミエスさんの人形は作ってみたいし、本人も希望してくれているなら尚更だ。

 とはいえ、不正受給作戦としては先行き不明で、とりあえず大成功はなさそうな雰囲気が漂ってきた……。


 これは……人形製作中も別の不正受給作戦を考えておいた方がいいかもしれんな。第五弾の失敗に備えて、第六弾を……。

 なんだかこの調子だと、不正受給作戦も延々と続いてしまいそうだねぇ……。木工シリーズと同じようにナンバリングが増えていって……今の木工シリーズは第133弾まで出ているんだけど、ひょっとしたら不正受給作戦シリーズもそれくらい続いたりして……。





 next chapter:タフ・ネゴシエーション

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