表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートルーレット!~転生時に貰ったチートがとても酷いものだったので、田舎でのんびりスローライフを送ります~  作者: 宮本XP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

543/762

第538話 魅惑のカークおじさん宅


「まぁその、こうしてわざわざお土産まで準備してくれたことは嬉しいよ。悪いな。ありがとうアレク」


「いえいえ、喜んでくれて何よりです」


 というわけでカークおじさんは、ミリアムスペシャルやらメイユパンやらルクミーヌ村ペナントやらのお土産を大層喜んでくれた。

 こうまで喜んでくれると僕としても嬉しい。次回の世界旅行でも、お土産は忘れないようにしないとね。


 ……しかし、すでにカークおじさんにはメイユ村ペナントもルクミーヌ村ペナントも渡してしまった。次回のペナントはどうしたものか。そこは悩みどころだな。


「それはそうと、アレク達も長旅で疲れているだろ、今日は早めに休んでくれ」


「ありがとうございます。そうですね、やはり長旅で……長旅?」


「うん?」


 長旅……。はて、ここまでの旅は長旅だったのだろうか?

 まぁ前世の感覚で言うと、一週間の旅は長旅だろう。普通にだいぶ長めな旅な気がする。

 しかし、この世界的にはどうなのか。自動車も列車も飛行機もない世界で、一週間という旅の期間は、そう長くもないように感じるが……。


 ――いや、でもまぁ長旅か。一週間と言っても、それは『ヘズラト君に人力車で運んでもらって一週間』なのだ。僕が自分で歩いていたら、おそらくもっと掛かっていたはずで、一ヶ月近く掛かったかもしれない。一ヶ月掛かるような旅ならば、それは当然長旅だろう。

 うん、長旅だったね。間違いなく長旅。『一ヶ月掛かるのは長旅とかではなく、アレクが遅いだけなのでは?』とか考えてはいけない。


「どうかしたか?」


「あ、すみません。確かに長旅ではありましたが、日数的には前回ほど長くはなかったんです。なんと今回は、前回の半分の日数でカーク村に到着しました」


「へぇ? そりゃまたずいぶんと短縮できたんだな」


「今回の旅は、人力車を使って移動したので」


「人力車?」


「人力車です。今は庭に置かせてもらっています」


「えっと、そうなのか? うちの庭に……? ああ、まぁ別にいいけど……」


 よくわからん物を勝手に家の庭に置かれているのに怒らないカークおじさん。人が出来ている。

 人力車については、あとでしっかり説明させてもらおう。なんならカークおじさんにも乗ってもらうのもいいかもしれない。ヘズラト君に引いてもらって、村を一周してきてもらおうか。きっとカークおじさんも喜んでくれるに違いない。


「まぁ日数はともかく、毎日の野宿で多少は疲れも溜まってるだろ。ゆっくり休んでくれ。泊まるのはいつもの部屋でいいか?」


「はい。ありがとうございます」


「……あ、でも今回は三人いるんだよな。どうする? アレクは俺の部屋に泊まるか?」


「あー、部屋ですか……」


 スカーレットさんがいたときもそうだったな。スカーレットさんとジスレアさんが客室に泊まり、僕はカークおじさんのお部屋にお邪魔する形になった。


「しかし、毎回カークおじさんのお部屋にお邪魔するのは申し訳なく感じて……」


「ああ、気にするな。別にいいさ」


「これはもう、カークおじさん宅を増築した方がいいんですかね?」


「なんでだよ……。突然何を言い出すんだよ……」


 どうしたものか。アレクハウス増築と同様に、カークおじさん宅増築計画も発動した方がいいのだろうか?


「でも、それもちょっと微妙ですかね。変に改築して、カークおじさん宅の魅力が損なわれたら大変です」


「なんかアレク達は、妙に俺の家に対して好印象を持ってるよな……。いや、嬉しいけどな? そう言ってくれるのは俺としても嬉しいけどさ……」


 カークおじさん宅の滞在は、世界旅行中の楽しみのひとつにもなっている。それほどにすばらしい家だと思っている。

 もはやこの家はカーク村の宝であり、いっそのこと重要文化財とかに指定してもいいんじゃないかな? 将来にわたり、しっかり保全してあげてほしい。


「のうアレク」


「はい? なんですかユグドラシルさん」


「ジスレアと二人のときは、二人で同じ部屋に泊まっておったのか?」


「そうですね、そういう部屋割りでした」


「ふむ。だったらわしもその部屋でよいぞ?」


「そうですか?」


 そう? じゃあ三人で客室に泊まる感じ? うん、ユグドラシルさんがいいならそれで全然構わない。客室の広さ的にも問題ないだろう。今日までのテント泊では、もっと狭いスペースに三人で寝ていたくらいだ。


「そもそも、わしはそう長居するつもりもないからのう」


「あー、なるほど……」


 だからわざわざカークおじさんの部屋にお邪魔することはないと、僕が行ったり来たりしないように配慮してくれたらしい。

 しかし……そうか、やっぱりそうなんだな。


「やっぱりユグドラシルさんは、すぐに帰っちゃう感じなんですかね?」


「うむ。そのつもりじゃ」


「そうですか……」


 んー。まぁ元々そう言っていたからなぁ。元々カーク村に到着するまでは付いてきてくれるという約束だった。


「それでその、すぐにと言うと――とりあえず一ヶ月くらい泊まったら帰る感じですか?」


「なんでじゃ……。それのどこがすぐなのじゃ……」


 でもほら、たったの一ヶ月ですし。

 一ヶ月の旅は長旅ですけど、カークおじさん宅に滞在する一ヶ月は長居じゃないと思うのですよ。


「ちょっとくらいならよくないですか? せっかくここまで来たわけですし、もうちょっとだけ」


「同行は村に到着するまでと、前から話していたじゃろうに……」


「ええはい、それはそうなんですけど――」


「明日じゃな。明日には帰るつもりじゃ」


「明日!?」


 明日とは、ずいぶん急な……。せめてもう一日。できたらもう二日くらい泊まってくれんだろうか。そうしたら、いろいろとどうにかなりそうな気がするのだけれど……。

 なんと言ってもここはカークおじさん宅。魅惑のカークおじさん宅だ。妙な居心地の良さに魅了され、ユグドラシルさんもズルズルと長居してくれそうな気がする。


 そしてそのままなし崩し的に、ズルズルと最後まで世界旅行に同行してくれないかなって、そんなことをこっそり(たくら)んでいる僕なわけだが――


「……何かよからぬことを企んでおらんか?」


「ええ? そんなまさか」


「ダメじゃぞ? 別にわしは、なんでもかんでも『仕方ないのう』と笑って甘やかす神ではないのじゃ」


「おぉう……」


 さっき僕が話したユグドラシルさんの紹介について、しっかり釘を刺されてしまった……。


 ……でもなんか、微妙に前フリっぽいな。

 そんなことを言いつつ、やっぱり『仕方ないのう』と甘やかしてくれそうな気配がすごい。





 next chapter:『仕方ないのう』と甘やかしてくれるユグドラシルさん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] この主人公時間間隔がエルフ化してない? あと神様なのに時間間隔か人並みのユグドラシルさん はおかしい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ