表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートルーレット!~転生時に貰ったチートがとても酷いものだったので、田舎でのんびりスローライフを送ります~  作者: 宮本XP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

367/748

第364話 地球は大丈夫なんですか?


 世界旅行中、自分をずっと召喚しておいてほしい。――それが、ミコトさんのお願いなのだそうだ。


「どうかしたのかアレク君。なんだか真っ赤な顔で、死んだ目をしているけど」


「…………」


 ……現在僕は、ずいぶんと不思議な顔をしているようだ。


 恥ずかしい。とても恥ずかしい勘違いをしてしまった。

 ……まぁ最初からそんなお願いではないだろうと予測していたので、正確には『勘違い』ってわけでもないんだけどさ、それにしたって恥ずかしい。


「えぇと、なんでもありません」


「なんでもないって顔ではないのだけど……。なんだろう。私には言えないことかな?」


「いえ、別に」


 言えるわけがない。


「ふむ。たぶんアレク君のことだから、少し変わった勘違いや思い違いをしていたのだろうけど、私には想像が付かないな。――ディースならわかるかな?」


「…………」


「今も天界から見ているだろうし、後で推察(すいさつ)を聞いて――」


「やめてください。絶対にやめてください。絶対に」


「あ、ああ。うん、すまない。そこまで嫌がるなら、聞いたりはしないけど……」


 何気に僕のことを深く理解しているディースさんなら、本当にわかってしまいそうだ。怖すぎる。


「それよりもミコトさん、お願いのことです。ずっと召喚しておいてほしいという話ですが」


「え? あぁ、そうだな。そのことだ」


 というわけで、ちょっと強引に話の流れを変えた。

 召喚についての話をしよう。僕の勘違いについては、もうあんまり話したくない。


「それでアレク君、お願いできないだろうか?」


「ええはい、それは全然構わないんですけど……いくつか質問してもいいですか?」


「なんだろう?」


「えぇとですね……」


 ふむ。何から聞けばいいのかな。

 いろいろと気になる点はあるのだけど、やっぱり一番は――


「地球は大丈夫なんですか?」


「うん。やっぱりそこだよね」


「はい。地球は……」


 ……うん。尋ねた後で思ったけど、なんともスケールの大きい質問だな。

『地球は大丈夫なんですか?』とか、質問として壮大すぎる。自分の台詞ながら、もはやちょっと面白い。


 さておき、やっぱりそこが一番気にかかる。

 確かミコトさんは、地球を含めていくつかの世界を管理しているという話だった。


 名前はなんだったかな? 転生前に候補として勧められた世界で、リエ……リエトゥ……?

 うん。もう忘れちゃったけど、リエなんとかという世界も管理していたはずだ。そういった世界の管理は大丈夫なのだろうか。


「第一回世界旅行前の話でも、そこが問題になりましたよね」


「そうだね。召喚されている間、私の存在はただの召喚獣になってしまうから」


 ……今さらながら、それもだいぶ問題だよね。

 一時とはいえ、神様が神様の力を失っちゃうって、相当な緊急事態だと思うんだけど……。


「それはまずいってことで、召喚しっぱなし案は却下されたと思うのですが」


「うん。ただまぁ、いろいろ考えてみると……結構大丈夫かなって」


「そうなんですかね……」


 なんだか、だいぶ大雑把(おおざっぱ)漠然(ばくぜん)とした予想っぽく聞こえるが……。


「そもそもの話として、私が普段やっていることは、そこまで多くないんだ」


「そうなんですか?」


「神として世界に干渉(かんしょう)することは、ほぼないから」


「ほう?」


 あ、でもそんなことも言っていたっけ? 下界の細々(こまごま)とした問題に手は出さないって、聞いた気がする。


「例えば……前世でアレク君は地球の日本に住んでいたけれど、日本にも問題や課題はあっただろう?」


「まぁ、そうですかね」


「少子高齢化とか、人口減少による人手不足とか、長時間労働とか、東京一極集中とか、超えられないベスト8への壁とか」


 ……最後はなんの話だ?


「なかなかに解決が難しい問題も多くあるけど、そういった問題に私は手が出せない。日本の円安をどうにかすることも、私にはできない」


「……日本って、今円安なんですか?」


「……まぁ、例えばの話だよ」


「そうですか……」


 なんかリアルな話っぽく聞こえたけど……。


 どうなんだろう。円安なのかな。

 といっても、それだけじゃ現在の日本経済がどういう状況なのかはわからない。悪い円安じゃないといいな……。


「じゃあ逆に、世界の管理ってのはどんなことをしているんでしょう?」


「ん? そうだな、例えば……人類の滅亡を回避するとか」


「人類の滅亡……?」


 なんだか急に怖いことを言いだしたなミコトさん。

 怖いというか、胡散(うさん)臭いというか……。まぁ地球の神様が言っていることなのだから、紛れもなく真実なのだろうけど……。


「えっと、それは具体的にどういう?」


「地球に巨大隕石(いんせき)とかがぶつかりそうなときとか、どうにかする」


「巨大隕石をどうにか……?」


 え、じゃあミコトさんがどうにかしないと、地球に巨大隕石がぶつかっていたの?

 というか、どうにかって……?


「地球の上空何万キロメートルを隕石が通過――なんてニュースを見たことはなかったかな?」


「あ、はい。たまにN◯SAとかが言っていましたね」


「あれとか、私がズラしていた」


「はぁ……」


 そうなのか……。

 なんだろう。なんとも言えない。お話がファンタジーすぎて、よくわからない。


「えぇと、ありがとうございました」


「うん」


 とりあえずお礼を伝えておいた。

 元地球人として、地球を代表して感謝を伝えておいた。


「ひとまず今後二年ほどはそういった危機もなさそうだし、大丈夫かなって」


「はー、そういうのもわかるものなんですね」


「うん。たぶん大丈夫」


 たぶんて。


「一応ディースや知り合いの女神にも見ててもらうようにお願いしたから、問題ないと思う」


「はぁ……」


 なんか料理中に、『ちょっと(なべ)見てて』ってお願いしているような雰囲気だな……。





 next chapter:ミコトさんの衣食住

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ちょっと鍋見てて、なレベルの地球 [一言] ぴぃさんが上手くけぇれないのがいけないんですね、分かります。
2022/12/13 23:25 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ