表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートルーレット!~転生時に貰ったチートがとても酷いものだったので、田舎でのんびりスローライフを送ります~  作者: 宮本XP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

267/748

第265話 『召喚』スキル、完全解説!


 ローデットさんが、すでに僕が知っている『召喚』スキルの情報を開示してくれた。


 ……いや、それに文句を言うのもおかしいだろう。ローデットさんは、良かれと思って教えてくれたんだ。すでに知っていたからって、文句を言うのはおかしい。

 そもそもスキルの解説なんて、修道女さんの仕事でもないはずだ。だからまぁ仕方ない、仕方ないのだ。


「ところでアレクさんは、もう何か召喚できるんですか? モンスターとか、アイテムとか、装備とか」


「アイテム……? え、そんなのも召喚できるんですか!?」


「そういうこともありますー」


 そうなのか! それは知らない情報だ! 新情報だ!


「さすがですローデットさん……!」


「はい? はぁ、ありがとうございますー」


 いやいや、さすがである。さすがローデットさん。

 僕ときたら、うっかり早合点(はやがてん)してしまった。危うくローデットさんの解説力に疑問をもちそうになってしまった。反省せねば。


「そうですか、そういうのもあるんですね……。あ、僕の場合はモンスターです。モンスターを召喚できます」


「モンスターですかー」


「はい。今のところ――モンスターだけです」


 ミコトさんが召喚獣だということは、他の人には知らせないつもりだ。普通にユグドラシルさんの友人という扱いにする。

 正体不明の美人さんを召喚できるとか、わけわかんないしね……。


「今、召喚できたりしますか? なんでも死んじゃった場合は、しばらく召喚できなくなると聞きましたが?」


「へ? あ、いえ、召喚はできますけど……そうなんですか? 死んでも復活できるんですか?」


「そうらしいですよー? 死んじゃったり、アイテムとかなら破損(はそん)した場合は丸一日召喚できなくなるそうですが、一日経てば再び召喚できるようになるとか」


「はー、そうなんですか……」


 それも新情報だ……。


「さすがですローデットさん……」


「ありがとうございますー」


 なるほどなぁ、一日待てば召喚可能なのか。

 要はあれだ、デスペナってやつだ。デスペナとして、二十四時間召喚不可なわけだ。


 いやー、やっぱり今日来てよかったな。ローデットさんのおかげで、いろいろ知ることができた。


「それで、見せてもらってもいいですかー?」


「ええ、それは構いませんが……いいんですかね? 一応はモンスターですよ?」


「大丈夫ですー。お願いしますー」


「そうですか。では呼びますね――『召喚:大ネズミ』」


 ローデットさんが大丈夫と言うので、僕はフリードリッヒ君を召喚した。かれこれ一週間ぶりの召喚だ。


「キー」


「おー。こんな感じなんですねー。大ネズミですかー」


「そうです、大ネズミの――ヘズラト・モモ・ラタトスク・トラウィスティア・フリードリッヒ・ヴァインシュタイン二世です」


「……はい?」


 ……まぁそうなるわな。こんな呪文みたいな名前を聞かされたら、そりゃあこんな反応になるわ。


「大ネズミ君の名前です」


「長いですね……」


「えぇと、他の人にも見せたら、みんな名前を付けたがりまして……」


「へー、じゃあ私も付けていいですか?」


「え? ええ、そうですね……。フリードリッヒ君も喜ぶ……のかな?」


「キー」


「『是非よろしくお願いします』と、言っています」


 さすがだフリードリッヒ君。なんとも空気が読める大ネズミである。


「じゃあですねー――『リンゴ』で」


「リンゴ?」


「さっき食べたんです」


「……そうですか」


 わりと雑なネーミングだな……。いやまぁいいんだけど。


「これでさっきの名前に、リンゴが加わるんですか?」


「そうですね、では新たな名前は――『ヘズラト・リンゴ・モモ・ラタトスク・トラウィスティア・フリードリッヒ・ヴァインシュタイン二世』ということで」


 なんか知らんが、名前の中で果実が二つ実ったな。


「キー」


「『良い名をありがとうございます』と言っています」


「そうですかー。リンゴちゃんが喜んでくれてよかったですー」


 さすがだフリードリッヒ君。社交性がある。

 ……それにしても、本当にみんな好き勝手に名前を呼ぶな。


「ところでですね、ちょっとローデットさんに伺いたいことがあるのですが」


「なんでしょう?」


「僕はなんというか……ふと気が付いたらフリードリッヒ君を召喚できるようになっていたんですけど、召喚獣や召喚アイテムというのは、どうやったら増やせるのでしょうか?」


 いろいろ召喚できるのなら、召喚してみたい。

 召喚獣も増やしたいし、アイテム召喚もしてみたい。一瞬で変身するかのように武器や防具を装着できたら、格好良い気がする。


 というわけでローデットさんに質問を投げかけたところ――何やらフリードリッヒ君が、ほんの少しだけそわそわし始めたのを感じた。

 どうやら、自分に不満があって、捨てられてしまうのではないかと不安になったようだ。


 ふふふ……ういやつよ。


「いえ、もちろんフリードリッヒ君に不満はないのですが、少し気になりまして」


「そうですねぇ、召喚獣の増やし方ですかー。そこはあんまり決まっていないみたいですねー」


「そうなんですか?」


「例えばリンゴちゃんは大ネズミですけど――アレクさんは、どうやったら大ネズミを召喚獣として契約できると思いますか?」


「む?」


 逆に質問されてしまった。どうやったら大ネズミを召喚獣にできるかだって?


 普通に考えたら、仲良くなったりお願いしたりって感じなんだろうけど……なにせモンスターだしな。

 モンスターである普通の大ネズミを相手に、好感度を上げていくっていうのは難しいだろう。


 となると――


「やっぱり戦うんですかね?」


「そうですねー。大ネズミと何度も戦闘を重ねたり、大ネズミに詳しくなったり、たくさん食べたりしたら、召喚獣として呼び出せるようになるらしいですー」


「へぇ……」


 たくさん食べても召喚獣になるのか……。それで召喚獣になってくれる仕組みがわからんな……。


 んー。あるいはスキルとかと似た感じなのかな?

 スキルも訓練したり知識を深めたりすると覚えることができる。それと似た感じで、『詳しくなれば召喚獣を覚える』って感じなのだろうか?


「相性が重要だったりするらしいですねー」


「なるほど。相性ですか」


 それもスキルと似ているな。スキルも自身のもつ相性や才能によっては、取得できないことがあると聞く。

 ということはつまり、僕は大ネズミと相性が良かったのか……。


「アレクさんも、大ネズミ以外に相性が良いモンスターがいたら、召喚獣にできるかもしれないですねー」


「ふむ……」


 相性が良いモンスターか……。

 なんだろう……。なんとなくだけど、そのうち歩きキノコが召喚獣になる未来しか見えない……。





 next chapter:ヘズラト・ヘズラト・ヘズラト・リンゴ・モモ・イチゴ・モモ・レモン・アレアリ・ダモクレス・ラタトスク・トラウィスティア・フルフル・フリードリッヒ・ヴァインシュタイン二世

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] さきに言われてた あと寿限無かよ
[一言] もしかして⇒召喚:ヒカリゴケ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ