表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神はウンザリしている  作者: 鰺屋華袋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/54

53話

……………


 私が〔bAR dANTE〕に居た時間は短かった。帰路で()()と我に帰って見た時間から逆算して……おそらく10分にも満たないだろう。


 夢……だったのかも知れない。


△△△△△△△△△△


 羊皮紙の巻物を無言で受け取るマスター。


「……畏まりました」


 次の瞬間……


 薄暗くとも最低限の照明は灯されていた筈の店内は完全な闇に沈み……私とマスターだけがかろうじて視認出来る程度の薄明かりが灯った。


 目の前には青い焔を上げる液体が満たされたグラスが一つ。そして……


「ああ……いっつも自分の事は後回しなんだから。お父さんらしいね」


 意味が分からなかった。


 マスターが居た筈の場所に立って居たのは()()()()()()()()()


▽▽▽▽▽▽▽▽


 死者との邂逅……


 そんな事はあり得ない。そんな事は常識だ。だが……あそこに居たのは間違いなく栞だった。証拠は一切無いが娘を他人と間違うなどそれこそあり得ない。


 そして……ほんの短い時間。


 本来なら10秒にも満たないような刹那だったらしいのだが、そこは()()()の厚意でもう少し話す事が出来た。娘曰く、時間の流れが違うとか……


 この時間を私に遺した彼には感謝してもしきれない。当然だが、本当は自分の為に使いたかったに違いないのだから……


 そして、娘とは様々な事を話した。他愛無い思い出や生前には話せなかった事、そして()()()()()()()()()()……


 ()()を聞いたところで私に出来る事は少ない。


 だが……


 最後に託された者として出来る限りの事はしようと思う。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ