48話
- コンコン -
病室に響くノックの音、そしてその後の沈黙……
「……? どうぞ」
この部屋に出入りする者は病院関係者以外に心当たりが無いし……彼らはノックの後に必ず名乗る。
「やあ……調子はどうだい?」
扉を開けて入室してきたのは同期の出世頭である捜査二課長だった。
「……珍しいな」
そう言いながらベッドの上に半身を起こして迎えた。
「ずいぶんな言い草だな? さんざん呼び出しを掛けて居たのは君のほうだろ?」
正直に言えば……直接ここを訪れてくれるとは思わなかったが、
「今日は二課長として報告があって来た」
二課長として訪れたなら要件は薄々見当がつく。
「起訴出来たのか?」
俺の病状が進み病院から出れなくなる前に全ての捜査資料を託してから約半年……
「ああ、業務上横領、背任、そして租税回避地を利用してのマネーロンダリング。その他諸々を含め、君の資料以外にも出るわ出るわ……その全てではないが、あの三人を確実に実刑に出来るだけの物は揃え送検したよ。東京地検の特捜は渋い顔をしていたがね……ああ、例の半グレ達も一課の奴等が既に送検したが、それぞれに繋がっている奴等は多いからな……これからも追加で逮捕・起訴される者は多く出るだろう」




