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43話
俺はマスターの言葉に絶句した。
今まで、悲惨な事件の現場に山程立ち会って来たが……俺は一度も“人の魂が新たに生まれ変わる”なんて考えた事はなかった。
思えばなんと都合の良い考えなのか。
近しい身内の死には当たり前に死後も魂は残り続けていると考え、あまつさえ生き返ることすら受け入れたというのに……
「栞を生き返らせたら……俺の魂は地獄行きって事か?」
思わず口からこぼれた俺の言葉に……マスターは残念そうな顔をして、首を横に振った。
「とは限りません。まあ、地獄行きという可能性も無きにしもあらず……ですが人以外の生物に転生する可能性は高いでしょうな。そもそも、こちらの宗教で地獄とは“魂が回帰する六つの世界”の一つとされていますが……それは偶然にそれらの世界の存在を知覚した魂が遺した“記録”に過ぎません」
……?
「それはどういう意味だ?」
マスターは更に何かを語ろうと口を開きかけるが……
「つまり……」
マスターが俺の疑問に答えようとして……
「人の魂が流れつく世界は無数に存在するってことさ」
隣に座る陰気な男が……つまらなそうに言った。




