休日
お久しぶりです。毎度毎度、遅くなってすみません。
さらに短いです。
まとまった量をあげようとすると、書いている時間が無いので取り合えず上げます。
これでご容赦をお願いします。
「少し早く来すぎたな」
達也から連絡があった次の日。
達也から指定された駅前に来たのだが、思ったより早く着いてしまった。
9時28分、まだ指定された時間まで30分近くある。
達也は時間にルーズでは無いし、いつも早めに来るのでそれほど待つことも無いだ「夜行さん」
ん?
今、後ろから名前を呼ばれたか?
それも知らない女性の声だ。
取り合えず確認を
「 」
言葉が出ない。
振り返った俺の目に写るのは一人の女性、いや少女と言うべきか。
赤いリボンを使ってまとめられ、風に揺れる艶やかな黒髪。
まだ幼さを残しながらも、美しさを感じさせる整った顔立ち。
涼しげな白いワンピース。
全体的に清楚な雰囲気を漂わせ、見る者を魅了するような美少女。
しかし何よりも俺の目を惹き付けているのは、その美少女の浮かべている笑顔。
頬にうっすらと朱がさし、嬉しいという気持ちがこちらまで伝わって来るようだ。
「夜行さん?」
おっと、今度は確実に俺の名前が呼ばれた。
さっき名前を呼ばれたのは気のせいでは無かった様だ。
しかしどうしよう。
俺の名前を呼んだと言うことは、彼女は俺の事が分かるが、俺は彼女が誰なのか分からない。
俺は別に物忘れも激しく無いし、彼女の様な美少女を忘れる事は考えられない。
これはどう反応するのが最適か……って、俺が返事をしないからか彼女の笑顔が少し変わってきた。
どうする俺?
これは黙っている時間が経てば経つほど気まずくなるぞ。
適当に話を合わせて、彼女の事を思い出すまで繋ぐか?
いや、それは思い出せなかったら最悪だ。
………………………あー、もうあれだ。
ここは覚悟を決めて
「すみません。貴方は誰ですか?」
正直に言ってしまおう。
そして答えを得てから全力で謝る。
「えっ、私が、誰か、ですか?」
俺の返事を聞いて、彼女が笑顔のまま固まる。
ヤバイ
笑顔のまま固まった彼女を見た瞬間、心にそんな言葉が浮かび、さっきは彼女の魅力によって言葉が出てこなかったが、今も何故か言葉が出てこない。
「本当に私が誰か分からないんですか?」
言葉が出てこない俺は黙って首肯する。
「そうですか。私が誰か分からない。ふふふ、夜行さんにも困ったものです」
…………これは早まったかもしれない。
彼女の顔は変わらず笑顔のままだが、あの笑顔は幼い頃に見た事がある。
それは祖母が祖父に説教するときに浮かべていた笑顔だ!
幼い頃から人間を辞めていると俺に思わせている祖父が、祖母に平謝りしていた光景は俺にとって軽いトラウマである。
「夜行さん、ちょっと私とお話しましょう?」
すまない達也、俺はお前との約束を果たせないかも知れない。
生きていたらまた会おう。
次回、彼女の正体は!
って、普通に分かりますよね。




