現実2
※前話の後書きを削除する前に読んでくださった方へ
前話の後書きであのように書きましたが、続けた方が良いようなので、なんとか頑張ってみます。
お騒がせしてすみません。
しかし、もし長い間更新出来なくても、どうか多目にみてください。
店が完成した後、中の様子を確認して、その日はログアウトする事にした。
ログアウトした後、机の上にある携帯を見てみると、達也からの着信履歴があったので電話をかけることにした。
達也はログインしているかとも考えたが、ゲーム内で連絡してこなかったので、電話で良いだろう。
「もしもし、夜行だな。電話に出なかったって事はログインしてたか?」
「ああ、今日店が完成したから確認をしていた」
「おっ、とうとう完成したのか。それなら時間を作って見に行くか。俺のパーティーメンバーも夜行に興味があるみたいだしな」
「俺もお前に話したい事があるから丁度良いが、俺に興味があるって言うのはどういう事だ?お前、変な事を言って無いだろうな」
「俺は別に変な事は何も言ってないぜ。夜行に聞いた話や見た事をそのまま話しただけだ」
何となく、電話の向こう側で達也が笑っている気がしたが確証が無いので流すことにする。
「それならまあ良い。それより俺に何か用があるんだろ?」
「そうだった。実はゲームのパーティーメンバーとは別で、現実で夜行に会わせたい奴がいるんだが、何時だったら大丈夫だ?」
「今は特に鍛練意外で予定も無いから、携帯かチャットで連絡を入れてくれれば俺の方は何時でも大丈夫だが」
「わかった、それならまた日時や場所を決めてから連絡するぜ」
「それで良いが、俺に会わせたい奴って誰だ?俺の知っている奴か?」
「それは会ってからのお楽しみって事で」
「それとなく不安になるが、変な奴じゃ無いだろうな」
「それは大丈夫だ。むしろ会えば夜行は喜ぶと思うぜ」
俺が会えば喜ぶ相手か。
多分知り合いだとは思うが、思い付かないな。
まあ、変な奴で無いなら良い。
「誰かはやっぱり分からないが、話はそれだけか?」
「ああ、電話をかけた用事はそれだけだぜ。っと、悪いこれで切るな」
「うん?もしかして何か忙しかったか?」
「ああ、ちょっとな」
「それなら電話して悪かった。また今度な」
「ああ、またな」
Side達也
「これでいいか?」
夜行には忙しいと言ったが、そんな事はない。
「ええ、ありがとう兄さん」
ただ妹に捕まっていただけだ。
「全く。わざわざ俺に電話させなくても、自分で電話すればいいじゃないか」
「しばらく夜行さんとは会ってないんですから、恥ずかしいじゃないですか」
顔を赤くさせながら照れる様子は、世間一般の目で見れば、整った容姿と合わせて可愛いと思われるかもしれないが、兄である俺からしてみれば、面倒なので自分で電話しろと思うだけである。
「それは俺に頼む理由になるのか?」
「なります。それに私もEWOをやっているのは知っているのに、夜行さんの事を教えてくれなかったじゃないですか」
夜行には話していたが、明日香に話すのは忘れていた。
「それはほら、知らずに偶然会った方が嬉しいだろ」
「確かに嬉しいかも知れませんが、それより早く会える方が良いです。もし知っていれば、ゲームの中なら既に夜行さんに会う事が出来たのに」
そういって明日香は俺に非難の目を向けてくる。
「それなら俺が悪かったな。でも、もういいだろ?会う約束が出来たんだから」
「そうですね。現実で会える方が嬉しいですし、今回はこれで許してあげます」
そう言うと明日香は笑顔になる。
よっぽど夜行に会えるのが嬉しいようだ。
昔から夜行に懐いてはいたが、ある事件があってからはベタ惚れである。
しかし明日香は大変だな。
俺は浮かれる明日香の様子を見ながら、明日香の話をしたときの夜行の反応を思い出してそう思う。
まあ、夜行はいい奴だし、俺がやりたい事をやるためにも、明日香には夜行を捕まえて会社をついで貰いたいので、明日香には上手くやって欲しいものだ。
俺に面倒は掛けて欲しくはないがな。
まあ、俺や自分達の為に、明日香も夜行も頑張ってくれ。




