始まり
カオルさんに相談してから、2日経った。
俺は今、とうとう完成した店の前に立っている。
店の外観は西洋風で、祖父に連れられて行った事のある、風見鶏の館の様だ。
これから、この店を自分が使っていけると思うと、ここまでくるのに色々あっただけあって、感慨深い。
「どうだ、ヨル!俺達に出来る、最高の物を建てたぞ!」
「凄く良いですよ棟梁。棟梁たちに頼んで本当に良かったです」
棟梁の言葉にそう返事を返すと、店が出来たと聞いて見に来ていたホルトさんやノーラさん達が声をかけてくる。
「良かったのヨル君。わしらも、今まで使われていなかった場所が役に立って嬉しい事じゃ」
「店を持てたのはいいが、あんたが頑張る必要があるのはこれからだよ。しっかりやりな」
「はい。ホルトさん達に頂いたこの場所で、これから頑張っていきます」
そうだな、まだ店は出来たばかりだし、畑も中途半端で庭も出来ていない。
それに、この世界で俺が作った物や行った場合、知っている物は、ほんの少しだけだ。
まだまだ、やる事はたくさんある。
俺がそんな事を考えていると、屋根の上にある風見鶏に乗って遊んでいたティアが、頭の上に乗ってきた。
ティアにアプの実を渡しながら聞いてみる。
「ティアもこの店が気に入ったか?」
アプの実をかじりなからも、俺の言葉を聞いて嬉しそうにしながら頷く。
「そうか、だけどなティア、まだこの店は本当に完成はしていない。これからも俺と一緒に頑張ろうな」
またティアが頷いているのを確認した俺は、改めて店を見る。
風見鶏が風を受けて動いている。
あの風はどこまでも吹いていくのだろう。
Eternity World
この世界はどこまで続いているのか。
Online
どんな出会いがあるだろうか。
らしくもなくそんな事を思い、俺は少しだけ笑ってしまう。
リュウに進められて始めたが、俺は今、この世界を進んで楽しもうとしている。
さあ、ゲームを楽しもう。
一先ず終わり。
現実を一話入れて、次へ進みます。




