発見
遅くなりました。
理由は活動報告に合った通りです。
また短めですが、区切らせてもらいました。
砂鉄が取れそうな場所を見つけた後、引き続き川を上流に向かって進んでいたが、今回はこれ以上進むのは無理なようだ。
なぜかというと、少し先が滝になっているからだ。
しかも坂の様になっている滝なら、頑張れば滝の横をよじ登ることができたかもしれないが、この滝は切り立った崖のようになっている。
これ以上進むためには、登山道具か壁を登ることができるスキルがいるだろう。
俺は登山道具などは用意していないし、スキルスロットは二つ余っているが、どうしても川の上流に行きたいわけでもないのでスキルを取るつもりもない。
やはり今回はここまでにしよう。
目的の砂鉄の取れる場所も見つけたことだしな。
それにしても、なかなかの高さのある滝の様子は見ごたえがある。
もう少しよく見ていこうか。
そう考えてもう少し滝を見てから帰ろうとしたが、滝に近づいたところで【気配察知】に何かの気配が引っ掛かった。
気配の強さから考えると、ホークやロックゴーレムでないことは明らかだ。
それに、気配を感じる場所がその二体のモンスターがいる場所としてはあり得ない。
滝の裏側から感じるのだから。
俺は警戒しながら滝へと近づいていく。
近づくにつれてより詳細に気配の相手については分かってきたが、分かるからこそ警戒を解くことができない。
相手について分かったことだが、強い気配の割には体はそこまで大きくはないようだ。
しかし気配の強さで言えば、今まで遭遇した相手の中では一番だろう。(ちなみに、今までは配下になる直前のティアだ。そういえば不思議なことだが、他の妖精からは気配が感じとれなかった)
もし襲い掛かってくれば苦戦するかもしれない。
俺は少しづつ距離を詰めていくが、相手は一向に姿を現さない。
とうとう滝の横、崖になっている場所まで来たが襲われることはなかった。
だが、ここまで来たことである事が分かった。
滝の裏側には空間があり、入っていけるようになっていたのだ。
滝の裏側に行くと襲われるかも知れないと思い、引き続き警戒しながら進んだが襲われることはなかった。
それに、滝の裏側にはモンスターの姿はなく、小さなお社があるだけだ。
気配はお社の中から感じるが、開けるのはためらわれる。
何かわかる事はないかと、お社を観察してみる。
お社には白蛇をかたどった装飾がされているので、祀られているのは白蛇に関係があり、場所は滝の裏側ということも合わせて考えると、おそらく水神を祀っているのだと思う。
お社についてはなんとなく予想できたが、中にいる気配については全く分からない。
流石に神様ということはないので、大きさから考えるとモンスターだと思うが、襲われることもない。
どうしようかとしばらく考えていたが、そろそろ日が暮れてきたので町に帰らなければならない。
明日はハヅキに作ったエーテルを渡したり、畑の準備もしなければならないからだ。
これ以上考えていても仕方がないので帰る事にしよう。
俺は滝の裏側から出ようとしたが、店の事を考えていてある事を思い出した。
そういえば、白蛇は水神にもかかわりが深いが、弁財天の使いとして富をもたらすともされていたはずである。
祀られているのは水神としてだと思うが、ここはお供え物でもして店の商売繁盛でも願っておくことにしよう。
俺は引き返して、何かお供え物になりそうなものはないかと、持ち物を見てみたが、使えそうなものはポーションかエーテルしかなかった。
酒でもあればよかったのだが、酒など持ち歩いていない。
ここは売れるようにということで、水神様にはポーションとエーテルで我慢してもらおう。
我慢してもらう代わりとして、俺が作ったもので一番効果がある中級ポーション(魔)と中級エーテル(魔)にした。
それでは水神様、こんなもので申し訳ありませんがよろしくお願いします。
俺は思いついたことも終わったので、今度こそ滝の裏側から出て帰る事にする。
それにしてもお社の中にいたのは何だったのだろうか。
今度また行く時には、何がいるのかわかるといいが。
まあ、しばらくは畑や店の準備で行っている暇はないと思うけれど。
俺は川に沿って下っていく。
店の事を考えながら。
だから気づくこともなかったのだ。
滝の方から俺の事を見る、俺と同じ赤い瞳に。
とりあえず、またフラグを立てておきました。
回収はいつになるかな?
まだ回収してないフラグもあることですし。




