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Eternity World Online  作者: 桐生紅牙
町と始まり
25/46

魔力付与(戦闘)

ちょっとストイックかもしれません。


 山脈に到着したので、とりあえず人が来ないような場所を探しに行くとするか。

 他のプレイヤーが来るとしたら、やはり山頂に向かうと思われるので、おれはあえて山頂に向かう道には行かずに、前回砂鉄を採取した川の上流を目指してみることにした。

 途中に出てくる魔物で【魔力付与】を試すことができるし、川がどこから流れているのか気になっていたのだ。

 なぜならうまくいけば、砂鉄が取れる場所が見つかるかもしれないからだ。

 うまく見つけることができれば、今度武器を作る時に役に立つだろう。

 さて、とにかく川へ出て上流に進んでみることにしよう。



 川に着き予定通り上流に向かっていると、【気配察知】によりモンスターの気配が感じられた。

 その気配は上空にあるのでおそらくホークであろう。

 前回は奇襲を受けることが多かったが、【気配察知】のスキルレベルが上がったことで、範囲が広がっている様だ。

 このまま奇襲を受ける形でホークを引き付けてもいいが、今回はティアに【魔力付与】をして魔法で先制攻撃してみることにした。

 ティアは自前でできるが、攻撃手段が魔法しかないのでMp温存のためにも俺が【魔力付与】を使う。

 【魔力付与】を使うとティアの体がぼんやりとした光に包まれた。

 これで強化はできているが、生物に魔力付与を使うとこんな風になるのか。

 これは少し目立つかもしれないな。

 俺がそんなことを考えていると、ティアが魔法を使ってホークを攻撃した。

 ティアが使ったのは風魔法の様で、薄緑色の風の刃がホークに迫っていく。

 ホークも風の刃に気がついて避けようとしたが、刃はかなりのスピードがあったので避けきれずに直撃して、空中で砕け散った。

 どうやら一撃でHpがゼロになったようだ。

 そういえばティアが使った魔法だが、プレイヤーが使う魔法にこのような風の刃はなかったので、同じ風魔法でもモンスターとプレイヤーが使う魔法は違うのかもしれないな。

 それに、森で見た時よりも確実に刃が大きく速くなっていた。

 おそらくこれが【魔力付与】で強化した影響だろう。

 ホークを倒したのを確認すると、ティアが俺の目の前に来る。

 ティアの体を見てみると、体から光が消えていたので【魔力付与】による強化は終わっている様だ。

 俺がティアの様子を見終えて、モンスターを倒したことを褒めると、ティアは嬉しそうに飛び回った後、俺の頭の上に乗った。

 俺の頭の上はティアのお気に入りの様だ。

 戦闘中に頭の上に乗られると邪魔になると思うが、戦闘になるとすぐに降りるのでこのままにしておけばいいだろう。

 他にモンスターの気配は感じないので、俺はまた川の上流へと向かうことにした。

 しばらく進んでいると今度はホークより大きなモンスターの気配が感じられた。

 大きさや地上にいることから考えると、未知のモンスターでなければロックゴーレムだろう。

 前回遭遇した時には魔法で少しづつ削って倒すしかなかったが、今回は違う。

 今の俺の武器は棒ではなく、説明文の通りなら、鉄さえも切ることができる斬鉄の薙刀なのだから。

 気配に近づいていくと、相手の姿が見えてくる。

 やはりロックゴーレムの様だ。

 今度はティアには手を出さないように言っておく。

 このロックゴーレムには、薙刀や【魔力付与】の練習台になってもらおうか。

 さあ、戦闘を始めよう。


 ロックゴーレムの動きはそれほど速くはないが、力が強く固い。

 俺に殴り掛かってきたところを余裕をもって回避し攻撃に移る。

 普通であればハンマーなどの打撃武器でなければ相手ができないが、斬鉄の薙刀の性能を信じて胴体を斬りつける。

 

 ギャンッ


 薙刀とロックゴーレムの胴体が接触したところから火花が飛び、音を響かせる。

 一度距離を取って斬りつけたところを確認してみると、浅く傷がついていた。

 薙刀の刀身も確認してみたが刀身には刃こぼれ一つ出来ていない。

 薙刀の性能は説明通りの様だが、俺の腕が足りないか。

 もっと集中して神経を研ぎ澄ませる

   

 

 周囲の景色が遅くなり、ロックゴーレムの動きがよりゆっくりとしたものに見える

 俺はまた、ロックゴーレムを斬りつけるために動き出したが、自身の肉体が決闘をした時よりも早く動けることに気付く

 これは羅刹に進化した影響だろうが、急に肉体の性能が上がったのに体を完全にコントロールできる

 生産で上がったDexの影響もあるのかもしれないな

 そうした考えが頭に浮かんだがすぐに消えていく

 目の前にいる相手に意識が集中していく

 さっきと同じように振るわれた腕を避け、薙刀を振りかぶる

 今度の狙いは胴体でなく、振るわれた腕

 遅くなった世界で正確にゴーレムの関節部分に刀身を振るう


 

 

 ドシャッ


 薙刀を振り切った後に、音を立ててロックゴーレムの腕が地面へと落ちる

 音もなく、完全に両断することできた

 ロックゴーレムは、よくわからないうめき声をあげて残った腕を振り回す

 腕を避けながら今度はまた胴体を斬りつけるが、完全に両断することができない

 距離を取り、【魔力付与】で限界まで強化する

 俺の体が光をまとったところで、再度距離を詰める

 距離を詰めるとき、さっきよりも速く動くことができるが、体を完全にコントロールすることができない

 それでも勢いをつけたまま、ロックゴーレムの胴体を薙ぎ払うように斬る


 ギャリンッ


 激しい火花と音がしてロックゴーレムの胴体が両断され、砕け散る

 砕け散る光の中で思う

 今の攻撃はステータスと薙刀の性能のおかげだと

 まだまだ、鍛錬が足りない



 戦闘が終わって【魔力付与】について考えてみるが、強力である事はティアの魔法やロックゴーレムを無理やりにでも両断できたことからわかった。

 しかし俺の腕が、【魔力付与】した状態では足りない。

 これから【魔力付与】を使っていくだろうが、俺の腕を上げることは必須だろう。

 とりあえず確認は終わったが、腕を上げるためにもこのまま川の上流を目指すことにしよう。


 新しい目標をもって、俺はまたティアと共に上流を目指して進んでいった。


やりすぎでしょうか?

でもヨルならオッケー?

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