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Eternity World Online  作者: 桐生紅牙
町と始まり
22/46

マイホーム計画(店)

今日も少し少ないです。


 冒険者組合を後にした俺は、店の建設を依頼するためにいつもの公園へと向かっていた。

 なぜ依頼をするために公園に向かっているのかというと、例のごとくNPCの老人の一人が元大工であり、今は息子さんが後を継いでいるのだ。

 さらに俺が店を開くということを知ると、ぜひ自分たちに作らせてもらいたいと言われている。

 なぜこうなったかというと、これは鍛冶屋の人たちにも言える事であるが、鍛冶や大工をしていると怪我をすることもあるので、ポーションなどの治療薬は一定数用意している。

 しかしあの事件が起こる前にけが人が出て、ポーションを使った後に値上げが起こり困っていたそうだ。

 そこに俺が安いポーションを卸したことで安心して仕事ができたらしい。

 なくても仕事自体はできるが、やはり保険はあった方がいいとは老人の言葉である。

 そんなわけで前からの約束通りに依頼をするために、俺は公園へと向かっているのだ。


 公園に着くと、遊んでいる子供たちとその子供たちをやさしい目で見守る老人たちが目に入る。

 非常に和やかな景色で、俺のポーションがこの景色を作る助けになれたのだと思うと、何となく嬉しくなる。

 そう思っていると、俺に気付いた子供たちが駆け寄ってくる。

 いつものように遊んでくれとせがまれるかと思ったが、今日のターゲットは俺ではないようだ。


「すげー!妖精だ!」


「ちっちゃくてかわいい♪」


「ヨル兄ちゃんの友達なの?」


「きれいだね、妖精さん」


 子供たちは興奮しながらティアについて質問をしてくる。

 どうやら一応モンスターではあるが、妖精は怖いモンスターとは思われていないようだ。


「この妖精は俺の新しい仲間で、名前はティアというんだ。これから仲良くしてくれるとうれしいな」


「うん、わかったぜ!」


「それじゃあ、一緒に遊ぼう♪ティアちゃん」


「何して遊ぼうか?」


「やっぱりきれいだし、かわいいなー」


 子供たちは俺の話を聞いて、ティアを遊びに誘ってくる。

 ティアもうれしいようで俺の方を見てくるので、遊んでくるといいと言うと子供たちと一緒に遊びに行った。

 子供たちを見送った後に俺はホルトさん達の方に行く。

 ホルトさん達はさっきと同じように子供たちを見つめていたが、俺が近づくと話しかけてくれる。


「ヨル君、久しぶりじゃの。鍛冶屋の爺さんから話は聞いていたのじゃが、久しぶりに会えてうれしいよ」


「お久しぶりです皆さん。俺も皆さんと話すのは楽しいので会えてうれしいですよ」


「ふふ、ヨル君は優しいの。それで今日は何のようなんじゃ?」


「今日はやっと店を開くだけの資金が用意できたので、建物の建設の依頼をしに来ました」


「おお!とうとう店を開くのじゃな。装備も変わっておるし、順調そうでなりよりじゃ」


「ありがとうございます。ホルトさん達から貰った畑で、これからも頑張りますよ」


 それから元大工の老人に俺の要望を伝えて、建設の依頼をすることができた。

 土地はかなりの広さがあったので、畑や庭にしようと思っていた部分を抜いてもそれなりの広さが残る。

 なので俺は店舗のほかに、調薬や鍛冶、木工などの作業場をそれぞれ作ったり、まだスキルは持っていないが調理場なども作る事にした。

 スキルスロットもまだ二つ空いているので、この後のエーテル作りが終わったら、【料理】や他のスキルを取ってみるのもいいかもしれない。

 そう考えながら、ホルトさん達に別れを告げて今度は総合生産施設へと向かうことにする。

 次はハヅキから頼まれたエーテル作りと、思いついた実験や【魔力付与】を試さなければならない。

 ハヅキのエーテルはともかく、実験や【魔力付与】でどんなアイテムができるのかとても楽しみである。

 俺は足取り軽く総合生産施設柄と向かう。



 この時の俺は知らなかったのだ、普通では入手できないスキルの【魔力付与】がどれだけの効果を及ぼすのかを、そしてその効果が俺の思い付きと合わさって出来上がるアイテムの事を。



 余談だが、【魔力付与】を俺にもたらしたティアは総合生産施設に向かっている最中、子供たちと遊び疲れて俺の頭の上でのんびりと寝ていた。

次は生産。

ヨルが作ったものとは………


活動報告で心配してくれた方、ありがとうございます。

作者はこれからも頑張りますので、よろしくお願いします。

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