秘密と進化
仕事が忙しく、時間がないので読み直していません。
誤字・脱字が多いかもしれませんが、報告していただければそのうち修正します。
すいません。
俺の前には森の中に在って、小さな広場となっている魔力草の群生地がある。
昼間は日の光で照らされて魔力草が生い茂る場所であったが、夜になりその様子を様変わりさせている。
昼間には葉があるだけであったのに、現在は白い花が咲き誇り、月明かりを受けて光り輝いているかのようだ。
いや、実際に花はほんのりと光をまとっている。
そして、その花咲く広場の上では人型に羽の生えた手の平サイズの者たちが飛び回っている。
妖精だ
俺は魔力草を採取しに来た目的も忘れて、その美しく幻想的な光景に見入っていた。
しばらく見入っていたが、ある事に気が付いて俺の意識は元に戻った。
俺が気が付いたこととは、妖精たちが花が付いていない魔力草に触れると触れられた魔力草は花を咲かせ始め、咲いた花は光をまとうのだ。
そして花が咲いた魔力草から妖精たちは花の蜜を吸っている様だ。
この光景や魔力草の話から考えると、魔力草が育つには妖精の力が必要なのだろう。
魔力草が育つための条件はおそらくあっていると思うが、これでは畑で育てることは無理だろう。
まあ、魔力草について知ることができ、この光景を見ることも出来たので予定通り魔力草を採取して街に戻るとしよう。
それと、妖精たちはモンスターだがノンアクティブモンスターの様で、向こうから攻撃を仕掛けてくることはないようだ。
なので安心して魔力草を採取することができる。
妖精たちの邪魔をしないためにも気付かれないように隅で採取することにしたが、何人?かの妖精に気付かれてしまった。
ほとんどの妖精は俺に気付いても、何事もなかったかのようにまた飛び始めたが、一人だけ俺に近づいてくるものがいた。
その妖精に敵意がないようなので動かずにいると、俺の周囲を飛び回った後で目の前にとどまる。
何がしたいのか初めは分からなかったが、ある可能性が思い浮かんだ。
「俺と一緒に来たいのか?」
俺が思いついたこととは、【百鬼夜行】の配下についてでこの妖精は仲間になりたいのではないかということだ。
どうやらその思い付きは正解であったようで、俺の質問を聞いた妖精はしきりに首を縦に振っている。
妖精の伝えたいことは分かったが、どうするべきか悩む。
しかし悩む時間はほとんどなかった。
妖精がいれば魔力草の栽培ができるかもしれないということに気付いたからだ。
それに、もし栽培することができなくても現在、他に配下にしようと考えているモンスターもいないし、戦闘も後衛であると思われるので俺の邪魔にもならない。
何より自分から仲間になりに来てくれたのだから、ここで断るのはもったいない。
「それじゃあ、一緒に来るのなら俺の配下になるが本当にいいか?」
一応、もう一度確認したが妖精はまた首を縦に何度も振るので、仲間にすることにする。
配下にするには普通であれば、配下にしたいと思いながら倒すことが必要になるが、今回は名前を付けるだけでいいだろう。
どんな名前がいいか…………よし決めた!
「今日からお前はティアだ。これからよろしくな」
ティアも名前を気に入ったようで、また俺の周りを飛び回り始める。
すると、アナウンスと共に俺の前にウインドウが開く。
『妖精のティアが配下になりました。自身に付与するスキルを選んでください』
ステータス
ティア 妖精
スキル
【飛行Lv1】【魔力付与Lv1】【風魔法Lv1】【水魔法Lv1】【採取Lv1】
どうやらスキルを選ばなくてはいけないようだ。
後で変更もできるようだが、一つだけよくわからないものがある。
【魔力付与】?
【魔力付与】・Mpを消費して対象に魔力を付与し、その性質を強化する。物を対象に付与した場合は永続的に続くが、生物には一時的な効果しかない。消費するMpの量によって効果の強さが変わる。
どうやら俺の魔力草に関する予想は当たっていたようで、このスキルで強化されたことで魔力をおび、育っていたのだろう。
このスキルがあれば魔力草の栽培もできそうである。
それにスキルの説明から、生産に使えそうな予感がする。
【飛行】にも興味があるが選ぶことができないようなので、ここは【魔力付与】を選ぼう。
【魔力付与】を選ぶとまたアナウンスがする。
どうやらまだ何かあるようだ。
『種族の進化条件を満たしました。妖鬼から羅刹へと進化します』
種族の進化が起こったようだ。
進化の条件はそれぞれの種族で違うらしいが、一定以上のスキルの合計補正値とその種族に合った条件を満たす必要がある。
ちなみにこの情報はリュウから聞いたのもで、リュウもすでに一度進化している。
羅刹について詳しく見てみる。
羅刹・配下を従え、力を増した鬼。しかしまだ百鬼を統べるには実力が足りない。ユニーク種族
まだまだ進化するようであるが、ステータスもまた上がっている。
これで素材の採取や生産もより捗るであろう。
しかし肉体の性能が上がっているので、戦闘はよりつまらないものになってしまうかもしれない。
苦戦するような強者との戦いで、この肉体の全力を出してみたいものだ。
確認も終わり、魔力草の採取も終わったので町へと帰る事にする。
行きは一人であったが帰りは二人になった。
思いがけずにできた配下だが、生産でも戦闘でもとても頼りになるだろう。
ちなみに帰りは俺の頭に乗って二本の角をつかんでいた。
町に着いたがすでに遅い時間なので、今日はログアウトすることにした。
明日はレッドベアーの素材の売却やハヅキのエーテル作り、店の建設の依頼とやる事がたくさんある。
忙しくなりそうだが、やっと目的の店が持てるので頑張るとしよう。
やっと店が開けそうです。




