山脈と材料
今回いろいろ書いていますが、細かいところの間違いがあってもゲームとして流してもらえるとありがたいです。
二人と別れた後で、武器を作る材料を集めるために町を探し回る。
しかし俺の探している玉鋼や卸し鉄はなく、鉄や銅のインゴットしか売られていない。
これは、もしかしたら材料から作らなければならないのか。
もう少し探してみて見つける事が出来なければ、かなり大変なことになるだろうが自分で材料を揃えよう。
現在俺はホルトさん達のいるであろう、公園へと向かっている。
結局いくら探しても材料を見つけることはできなかった。
なので材料を自分で用意することにしたのだが、俺一人ではできないこともあるので家が鍛冶師をしている老人に協力を頼むことにしたのだ。
公園にはホルトさんの他に目的の老人もいたので、材料作りや武器の作成の協力を頼んでみると喜んで協力をするという返事をもらうことができた。
こんなに簡単に了承してもらえるとは思っていなかったので理由を聞いてみると、ポーションの件のお礼もあるが新しい鍛冶の材料と武器の製法にも興味があるらしい。
なので無理なことでなければ協力してくれるという。
うまく協力を得ることができたので、材料作りに必要な設備を説明して俺が貰った土地に用意してもらうことにした。
さっそく息子を連れて設備を作り始めると言って、老人は行ってしまった。
よほど新しい材料や製法に興味があるようだ。
俺も遅れるわけにはいかないのでホルトさんや子供たちに一声かけてから、材料が見つかりそうな山脈のフィールドへと向かうことにした。
山脈のフィールドで俺が探すものは川だ。
玉鋼や卸し鉄は砂鉄から得ることができるので砂鉄を探しに来たのだ。
それがなぜ川を探すことにつながるかというと、川に堆積する川砂鉄を得るためだ。
できれば山砂鉄を手に入れたかったが、そのためには鉄穴流しという作業をしなければならないので、川砂鉄で妥協することにした。
川は比較的簡単に見つけることができたが、砂鉄が堆積しているであろう場所を見つけなければいけない。
しかしここでモンスターが邪魔をしてくる。
俺が山脈で出会ったモンスターは今のところ二種類いる。
鷹の姿のホークと石人形の姿のロックゴーレムだ。
どちらのモンスターも対応するのが面倒な相手である。
ホークは人の死角である頭上から急に襲ってくるし空を飛んでいるので攻撃を当てるのが難しく、ゴーレムは動きは遅いが鉄の刀では刃が立たない。
俺は【気配察知】でホークの奇襲に対応し、ゴーレムは魔法で相手をすることで対応している。
ホークは奇襲に対応できれば俺の場合、攻撃を当てることに苦労はしないが、急に襲われているといつか急所に攻撃されて、一撃で死にかねない。
ゴーレムについては魔法で対応しているが、土魔法はゴーレムに対して効きが悪いようで倒すのに手間がかかる。
モンスターの相手をしながら川砂鉄のある場所を探していると、それらしき場所を見つけたので、堆積したものを回収していく。
念のためにそれなりの量を回収しておく。
回収も終わったので俺は町へ帰ることにした。
帰り道でもホークに奇襲を受けたが、ゴーレムは相手をせずに振り切る事が出来たので行きよりかは簡単に帰ることができた。
町に着いてからすぐに、俺は設備を作っている場所へと向かうことにする。
鍛冶師の人に説明して頼んではいるが、俺しか現物を知らないので手伝わなければならない。
ちなみに俺が薙刀や刀に使われる材料や製法を知っているのは、現実で見て実際に作るのを手伝ったことがあるからだ。
どういうことかというと、家で使う武器を作っている祖父の友人のところへ、何年か前の夏休みに連れていかれた。
そしてそこで自分が使っているものがどういう物かを知るためという理由で手伝いをさせられたのだが、その手伝いはかなり過酷で、そのころには一般の人よりかなり体力があった俺ですら一日が終了した時点で倒れてしまった。
それは夏休みが終わるまで続き、途中からは倒れることはなくなったが過酷なものであることは変わりない。
その体験をして武器に対しての理解を深めることはできたが、俺にとってはつらい夏休みの思い出であった。
それでも今、その体験が役立っているのでよかったっと思うべきだろう。
設備を作っている場所まで行くと、そこには協力を頼んだ老人と三人のがたいのいい男たちがいた。
おそらく男たちは鍛冶屋で働いている人たちだろう。
俺が近づいていき設備がどこまでできたか聞いてみると、半分ほど進んでいた。
普通もっと時間がかかるのだがそこはゲームということなのだろう。
それからは俺も手伝って、夕方になるころには完成させることができた。
俺たちが作っていた設備は、簡単なたたら製鉄をするためのものだ。
しかしここからが大変である。
ゲームであることを考えればどうなるかはわからないが、現実であればこの設備を使って砂鉄から玉鋼や卸し鉄を作るには一回で3昼夜、約70時間はかかるのだから。
それから必要な量の材料を作るまでに二回の作業が交代で(俺がログアウトしているときは職人の男たちに任せて)七日間かけて行われた。
他の材料についても職人のつてを使ってもらうことで用意できたので、いよいよ刀身部分の作成作業の開始である。
ここからの作業も大変な作業が多いが、自分の武器でもあるし手伝ってくれている職人さんのためにも頑張らなければ。




