装備と錬金
変更しました。
ドロップアイテム名
糸→魔糸
リュウやカオルさんと別れて現在、俺は森でキャタピラーを狩っている。
目的はドロップアイテムの魔糸だ。
なぜ魔糸を集めているのかというと、リュウに言われた装備を整えるためである。
魔糸ならば、依頼の最中に倒したキャタピラーからそこそこの数を確保していたのだが、このような事があったのだ。
リュウの言葉を聞いて装備を整えることを決めたが、こんなことを聞かれる。
「装備を新しくするのは決定したけど、ヨルはどんな装備がいいんだ?」
「そうだな……防具は籠手と臑当て、服は動きやすいものであればいいと考えているんだが」
「鎧の類は付けないのか?」
「動きの邪魔になりそうなんだよな。現実の鍛錬でも普段から防具は使っていないし、妖鬼のAgiなら攻撃を避けるのも苦労しないしな」
「そういえば決闘でもありえないような回避をしてたな、ヨルに常識的なことを聞いた俺が馬鹿だったよ。それでカオルに製作を頼むのか?」
「俺はそうしようと思っているけど…カオルさん、製作を頼んでもいいか?」
リュウからカオルさんへと話す相手を変える。
「もちろんいいけど、防具の素材はどうするの?こっちで用意してもいいけど、そうすると高くなるわよ。あと私が作ると籠手や臑当てじゃなくて手甲と脚甲になるけど大丈夫?」
「素材については、俺が持っている素材で使えるものがあるか教えてもらっていいか?あと手甲と脚甲でも問題ない」
俺が持っている素材を挙げていくと、手甲と脚甲はレッドベアーの素材が使えるようだし、服には魔糸が使えると分かった。
「それじゃあ、レッドベアーの素材と魔糸で装備を作ってもらえるか?」
「レッドベアーの素材なら現時点でかなりいいものが作れるけど、魔糸だとそこまで良い物は作れないわよ。今だと【錬金】の«上位変換»で一つ上の上質な魔糸にできればいいんだけど」
「俺は【錬金】を持っているから、その方がいいものができるなら用意しよう」
【錬金】の«上位変換»とは、一定数の同じ素材を一つの上位素材に変換する技能だ。
この技能の対として、一つの素材を一定数の下位素材に変換する«下位変換»がある。
このことから考えると、数さえ揃えれば素材の上限まで変換できそうだと思えたが、そこまで甘くはない。
それぞれの技能で生み出された素材は、同じ技能の対象にすることができないのだ。
「それはちょうどよかったわね。とりあえず手甲と脚甲を作り始めておくから、素材がそろったら連絡してね。あと聞き忘れていたけど、装備のデザインはどうするの?」
「よっぽど変なものでない限りは、動き易ければ何でもいい」
「えっ自由にしていいの!それなら少し割引するわ!」
俺がそういった瞬間にカオルさんの目が輝き、割引をしてくれるという。
カオルさんの目が輝いたときに一瞬嫌な予感がしたが、気のせいだろう。
悪いことなどなく、逆に割引してくれると言っていたしな。
「それじゃあ、頼んだ。俺は森で魔糸を集めてくるから」
「ええ、いってらっしゃい。なるべく早く素材を揃えてくれるとうれしいわ。私も作るのが楽しみだから」
俺は喫茶店を出て森へと向かうことにする。
喫茶店を出る時に見えた、リュウとそのままの笑顔で話すカオルさんにはまた嫌な予感を感じたが、きっと気のせいだろう。
そして冒頭に戻り、現在
あと装備を作るのに必要な魔糸の数は24本。
今日中には集める事が出来そうなので、装備が整うのも時間の問題だろう。
さっさと集めてカオルさんにもっていかなくては。
そして俺は魔糸を集め終わってから【錬金】で上質な魔糸へと変えてカオルさんに届けた。
装備は明日にはできているとのことなので、今日は残りの時間で荒れ地の一部を畑として使えるように整備をしよう。
俺はそんなことを考えながら荒れ地へと向かっていった。
次の日にあんなことになるとは微塵も考えをせずに。
「ふふふ、明日がとても楽しみだわ」
主人公を装備でいじるのはテンプレですよね?
ヨルはやっぱりわかっていない。
少なめですいません。




