025:臨時招集
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毎朝恒例の神条ダンジョンの朝活を終えドレッシングルームで帰宅準備をしていると、端末のライトが点滅していることに気が付く。
端末を見ると、どうやらメッセージが届いていたようだ。どうやら藍澤さんからのメッセージだったようだ。
『【緊急】早急に連絡を乞う』
藍澤さんからの緊急メッセージ? いったい何だろうか。
『返答が遅くなりました。今、ダンジョンを出たところです。何かありましたか』
メッセージを打ち込み送信っ! すると、数秒後にはピコンと受信音がオレの端末から鳴り響く。はやっ!
『八時に部室までおいで下さい。お待ちしております』
あと一時間後か。あまり時間がないな……。
急ぎ自宅へと戻ると、軽くシャワーを浴び体操着に着替え、自転車で学校へと向かう。約束の時間まで余裕がなかったため、部室の前まで自転車を乗り付ける。夏休みならではの荒業だ。
「お待たせしました……」
緊急の呼び出しに若干ビビりながらそっと扉を開けると、部室の中には藍澤さん、アイさん、美玖、千堂さんの四人の姿が見える。えっ? 何で全員揃ってるんだ!
藍澤さんとアイさんは部室のテーブルに着き、美玖はその横にイスだけ出して足を組んで座り、千堂さんは少し後ろの壁に寄り掛かかって、腕組みして不機嫌そうにしている。何だか、ちょっとだけ怖いんだが。
「あ、来た来た。輝遅いー!」
いやいや時間通りだし。何なら五分前行動はできているし。
「あの……藍澤さん、緊急ってなにかありました?」
「はい……」
あれ? 珍しく藍澤さんの歯切れが悪い。歯切れが悪い藍澤さんは、ある意味では不機嫌そうな千堂さんより怖いな……。
「まず、前提としてお聞きしたいのですが、高等学校を卒業をした後の進路は、探索者を専業にするとお考えでしょうか」
「え、ええ、そうするつもりです」
「その場合、パーティーメンバーをどのようにするのかお考えでしょうか。ソロで探索者をすると考えているわけではございませんよね」
いまいち要領をえない話だな。いったい何が言いたいんだろうか。
どうやら、うまく話しが伝わっていないと感じたのか、今度は千堂さんが話を続ける。
「要は、卒業後も四人でパーティーを組むのかって話。うちらは、今のところそう考えてるんだよねー。そこ辺、輝っちはどうなん?」
そういうことか。将来的にオレらのパーティーをどうするのかってことか。それはもちろん……。
「可能なら、卒業後も四人で活動したいと思ってるよ。でも、千堂さんと藍澤さんは、現在インターンで参加しているチームに合流するわけじゃないの?」
「今んとこ、そんな予定はないかな」
「わたくしも引き止めはされておりますが、インターン先に合流する予定はございませんが」
なるほど。そういった認識だったのか。
「で、パーティーメンバーは増やすのか?」
「えっ? そんな予定はないけど」
「そうなん? ぶっちゃけ、卒業までにあずさ先輩を育てるって思ってた」
いやいや、何でそんな話になってるんだ。
「じゃ、輝っちは何でエッチした?」
「えっ? なんでっ!」
「輝っちがスキル操作やると、なんか繋がりで分かるんよ」
そんな機能があったの? あっ、あの生えたステータス【依存協調】か! エッチすると分かっちゃうのか……浮気ダメ絶対なスキルじゃん。
「で?」
「他意はなくて、ダンジョンに入るにはあまりにもステータスが低かったから、ちょっとだけサポートしたというか……」
「じゃあ、これっきりってことね。次は玲っちも仲間に入れてあげて」
「なっ! 颯希様?」
藍澤さん、真っ赤になって動揺してるよ。超、可愛いいんだが。
「じゃあ、あかねちゃんって子のためなのかー」
「あかねちゃんは可愛いもんね」
いろいろと話をしているうちに、千堂さんと美玖に納得されてしまった。
オレとは同じアパートに住んでいるあかねちゃんたちのことは、美玖の方が詳しくてもおかしくないしな。
うちもそうだけど、あのアパートって訳あり家族物件とかなのか?
「うん、そうだよー。不動産関係はうちのお母さんが管理してるんだけど、あのアパートはシングル向けの利益度外視物件って言ってたわよ」
意外な真実。うちの母ちゃんと美玖のお母さんは昔からの友人とは聞いていたけど、好意によってもサポートされていたのか。ありがたいことだ。
そんな雑談を終え、お昼前には臨時招集はお開きになるのだった。
これなら、午後はいつも通りダンジョンへ向かうことが出来そうだな。他のハンドガンの試射がまだなので、今日は一通り試してみるか。




