010:隠し部屋の攻略
ここまで読んでいただいた皆様申し訳ございません。
更新する順番に不備がありましたので、008~010を本来予定していた順に更新し直させていただきました。
変更内容は以下の通りです。
008:隠し部屋調査 → 008:姦し会談
009:姦し会談 → 009:隠し部屋調査
010:隠し部屋調査 → 010:隠し部屋の攻略
あらためてお読みいただければ幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。
「美玖、神条ダンジョンの護衛、引き受けてくれて助かったよ」
「うん? いつものことじゃない。気にしないで!」
昨日、ソロで隠し通路調査を終えたので、今日はいよいよスキルジュエルが隠されている可能性が高い箇所を発掘すべく、その護衛を美玖に頼んだ。今回は何カ所も壁を破壊する予定で、それに集中したいから、色よい返事をすぐにもらえて助かった。これで川越ダンジョンに向かう前に、発掘作業を終わらせることができそうだ。
学校の授業終了後、早々に神条ダンジョンへと向かう。
神条ダンジョンに到着すると、メグミ姉さんが心配そうな顔で迎えてくれる。この前、相当心配かけたんだなと反省する。
「メグミ姉さん、今日も昨日と同様で少し時間が掛かりそうだから、もし予定よりも時間がかかりそうなら、一度報告に出てくるから安心して」
「うん、ちゃんと報告してくれなきゃ怒るからね」
今日のメインウエポンも先日から導入したハンドガンだけど、いつも装備していたつるはしに変えて、今日は壁の穴空けを重視してバールに変更した。隠し通路の壁に穴をあけるだけなら、バールの方が効果的なはずだ。
しかも総重量が軽減されるので、ダンジョン内の移動も短縮できると思う。今日の目標は四ヵ所の隠し通路制覇。とりあえず急ごう。
M92Fを構えながらダンジョン内を進んでいくと、すぐにハムハムと遭遇する。
昨日入手した【鑑定眼】を試すため、意識してハムハムを観察する。すると、頭の中にハムハムの情報が浮かび上がった。
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種族名:タイニーハムスター
筋 力:3
敏捷力:10
耐久力:2
判断力:4
サイズ:200mm
経験値:1
所持品:魔石 LV1
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鑑定結果を見ると、種族名とステータスの他に、大きさやドロップ品までが表示されていた。ここまで情報が分かるのなら、初見の魔物でもかなり有利に戦闘をすることができそうだ。
すぐさまハンドガンのトリガーを絞り射撃しハムハムを倒すと、魔石を残してハムハムは消滅する。その魔石を拾い上げると、間違いなく魔石LV1だったのを確認するとポケットにしまう。
とりあえず鑑定眼通りだな。鑑定眼の能力がどんなもんか確認が取れたので、今日の目的である隠し通路の最初の目標へと向かうとする。
今日の最初の目標地点は、前回【鑑定眼】を手に入れた場所の先にあるため、まずは【鑑定眼】の入手場所へと向かう。そこに到着するまでに、五匹ほどハムハムと遭遇し、その都度M92Fで倒したのだが、五匹目を倒した時にドロップした今日三個目の魔石に、ある異変があった。
本来、ハムハムからドロップする魔石は、百パーセント【魔石LV1】のはずなのだが、明らかに【魔石LV1】より大きく立派な魔石がドロップした。拾い上げかざすように観察したあと美玖に手渡す。
「美玖、これって絶対【魔石LV1】じゃないよな……」
帝都った美玖も色々な角度から見たあと、確信したように返答する。
「うーん、違うわね。これ、【魔石LV2】だよね……」
「ハムハムからLV2の魔石って……なんで……。とりあえずラッキー?」
なぜハムハムからLV2の魔石がドロップしたのかは謎だけど、とりあえず早急に解明できる訳ではないので、いったん悩むのは無しにして、魔石をポケットに入れ、銃を構え直し奥へと足を運ぶ。今日の目的はあくまでも隠し通路制覇だ。頭を切り替えよう。
少し進むと再びハムハムと遭遇する。今度は二匹だ。
二匹とも躊躇なくハンドガンで撃って討伐すると、二匹とも魔石をドロップしたが、そのうちの一つがLV2の魔石だった。
こんなに頻繁にLV2の魔石がドロップするなんて、絶対におかしい。これまでと違うことって何がある? この間地震が起きたな……。でも、地震発生後にドロップ内容が変わるなんて聞いたことがない。
あとはオレが武器を変えたくらいか。
「あっ!」
「な、何っ、急に大きな声を上げてビックリするんだけど」
「LV2魔石の謎が分かったかも。ダンジョン吸収装備のアイテム化ってやつじゃないか?」
ダンジョン吸収装備のアイテム化というのは、ダンジョンに残された装備がダンジョンに吸収された後、魔物からのドロップ等で排出されるんだけど、その時のアイテムは吸収される前と近しい形をしているが、何かしらのスキルが付与されているためそう呼ばれている。
今のところそれはあくまでも仮説とされているが、それと合致している気がするんだよね。数日前から導入したオレのエアガンでばら撒いたベアリング弾が、吸収されてアイテム化した結果、魔石になったことが考えられる。
「でも輝、ハムハムから【魔石LV2】が出るってヤバくない? LV2の買取価格って、LV1の十倍位だったわよね。もし頻繁にこのダンジョンで、Lv2の魔石が取れるんだとしたら、ダンジョンが大人気になる予感しかないわ」
確かにその通り。
吸収装備のアイテム化がこんなに容易なら、様々な問題に発展しそうだな……。この件は、当面の間秘密とするべき案件だな。
「美玖、この件は当分の間、ここだけの話にしておこう!」
「えっ? あ、そうね。多分これって、大騒動になりそうだもん……」
とりあえず後日、色々と検証してみよう。吸収された装備の再構築が容易にできるんだとしたら、いろいろと試したいことがあるしな。この件はここまでにして、隠し通路の対応に気持ちを切り替えて……。
先へと進み、予定していた最初の隠し通路の場所までは、ほんの数分でたどり着いたので、持参したバールで穴を開けていく。
さすがに三度目にもなると、手際はかなり良くなっていて、数分も経たないうちに自分の身体が通り抜けられるほどの穴を開けることができた。オレ優秀!
「美玖、それじゃ、援護をよろしく」
「わかった」
そういうと、すっと手を伸ばしてくるので、M92Fをフォルスターから出して美玖に手渡す。
「これでハムハムを殴らないように」
「分かってるわよ!」
先日のやり取りのお返しジョークを済ませて隠し通度へと潜り込み、アイテムがあろう場所を目指す。
三度目のほふく前進も思いのほか要領よく進むことができ、五分もかからずにジュエルボックスを回収し、美玖の元へと戻ることができた。鑑定眼で魔物がいないことも瞬時に分かったので、この影響もかなり大きかった。
「あれ? もう戻ってきた。途中で何かあった?」
「いや、この通り」
「はやっ!」
改修したジュエルボックスを美玖に見せると、少し驚きながら感心した表情になる。
その後も順調で、当たりを付けた場所からジュエルボックスを見つけることができ、合計三個のジュエルボックスを手に入れることができ、【攻撃+2】【防御+2】【異空間操作+1】と中々のスキルに【異空間操作+1】という未知のスキルを入手することができた。
それと、今回調査を行った箇所のうち一ヵ所は、ジュエルボックスが隠されているような通路ではなかった。
ダンジョンの最深部の位置が、通路一ブロック分へこんだ壁になっていて、そこから侵入することが出来たんだけど、そこは隠し通路ではなく、こじんまりしたフロアになっていた。
その中央には、一段高くなった円柱の石段があり、その中央には直径七十センチ程度の円柱の台座があり、祭壇のようにも感じた。
隠された場所から、間違いなく何かしらの意味があるものだと思われる。今後の調査対象として、頭の片隅に入れておこう。




