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サツキとダンの新しい世界  作者: 手絞り薬味
続・サツキとダンの新しい世界
65/101

続ー7サツキ編     正解はドーナツ

 卵に牛乳、溶かしバター、バニラっぽい実を少々。


 ダンが出張に行った翌日、私は朝から厨房に籠もってあるものを作っていた。

 泡立て器でシャカシャカ混ぜていると、ヤンがやってきて、後ろから私の手元を覗き込んで訊いてくる。

「何を作っているのですか?」

 うん? 分からない?

「うふふ、秘密」

 顎に手を当てて唸るヤンを尻目に、私は次の工程へと移る。

 えーと、小麦粉もどきに膨らまし粉……おっと砂糖を忘れてた。ちょびっと多めに入れようかな? それを円形の型で抜いて、熱した油の中へ。

 そこでヤンが漸く声を上げた。

「ああ、ドーナツですか」

「正解!」

「言ってくだされば、作りましたよ」

 うーん、それじゃ駄目なんだな。私が作るからこそ意味があるの。

「これはダン用なの。帰ってきたらすぐに食べられるように、今から準備しているんだよ」

 そう説明すると、ヤンは目を細めて頷いた。

「そうですか。ダン様に……」

「うん」

 私が唯一上手く作れる自信のあるお菓子がドーナツなの。そりゃヤンが作るものに比べれば味は遥かに劣るけど、ね。でもダンには出張から帰ってきた彼氏を手作りのお菓子で迎えたいという乙女心だけは認めてほしいな。

 暫く油で揚げていると、狐色のドーナツが完成! うーんよく出来た!

 驚いたことに、トーラでもドーナツは丸くて真ん中に穴の開いた形なんだよね。日本とトーラって本当に共通点が多いなあ。難しい事は分かんないけど、どっかで繋がりがあるのかな? 不思議。

 次々にドーナツを揚げて、大きなお皿に山盛りになったところで終了!

 はあ、さすがに疲れた。大きく伸びをして、首をぐるりと回していると、ヤンが微笑んで私に冷たいお茶を差し出してきた。

「ダン様、きっと喜びますよ」

「そうだよね! 喜ぶよね!」

 ヤンからお茶を貰って一気に飲み干す。うん、一仕事終えた後のお茶は美味しい!

 ダンは今頃、頑張ってお仕事してるのかな?

 帰ってきたら、お腹一杯になるまでドーナツを食べてね!


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