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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第5章 目覚めの兆し

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095-5-21_魔導の写本

 そうだ、思い出した! 確か、奴隷市場に着いた時、この本でみんなのスキルが調べられていたんだ。


「イリハ、これ、魔導の写本だよね?」


 イリハにそう聞くと、彼女は、「そうなの」と言ってアムから本を受け取った。


「イリハは使い方知らないの?」


 そう聞くと、イリハは残念そうに言った。


「お父様に教えてもらったんだけど、私じゃまだ使えないみたい……」


 だろうね。魔導の写本は、特定の呪文を唱えて魔力を流すと効果が発動する仕組みだ。イリハは、まだ魔力の流し方が分からないのだろう。魔力を流すためには、まず、自分の魔力を認識しなければならない。これには、少しコツのようなものが必要だ。魔力は、自分の心臓あたりから湧き出てくるものだけど、慣れない間は微弱なエネルギーを捉えることに苦労するかもしれない。僕の場合は、転生前にレムリアさんから説明を聞いていたから、それ程、苦労しなかったけど、やっぱり、魔力の扱い方は誰かに教わる方がいい。


 時期が来たら、イリハにもちゃんと教える必要があるね。だから、今日の所は、僕がやり方を見せてあげよう。


「イリハ、僕は使い方が分かるよ。やってみようか?」


 そういうと、イリハが、「やってやって」と嬉しそうに言った。ラヒナとアムも身体を寄せてきて、ベッドの上で魔導の写本を囲むように四人で輪になった。


「いい? じゃぁ、魔法が使えるアムから試してみる?」


 そう言ってアムを見ると、アムは、「はい!」と頷いた。そして、魔導の写本をアムから見て正方向に置き、アムに、本の上に手を置くように言った。


「じゃぁ、行くよ? ガイアの女神よ、この者がその庇護を受けし人民である証に、この者の力を写し示し給え! トランスクライブっ!」


 そう唱えると、魔導の写本が、一瞬だけ僅かに光った。三人とも驚きの表情だ。


「それでは……、せーのっ! はいっ!」


 魔導の写本の表紙をめくる。すると、さっきまで白紙だったところに文字が浮き出ている。


 お~、ちゃんと表示されてるじゃないか、凄いね!


 レムリアさんが言っていたとおり、流石は女神ガイアの英知だ。女神の祝福加護があれば、文字や言葉の壁は無い。日本語を読むときと同じように、違和感なんて全く感じない。


 読める、読める。なるほど~!


「じゃぁ、僕が読み上げるよ」


 そう言って、最初のページに表示された文字を読み上げた。


「魔法、アイス、アイスブロック、アイスカッター、アイスランサ―、凍結。戦闘スキル、鈎爪飛ばし。加護、オンガの守り。だって」


 山犬精霊オンガの加護か。オンガの加護を得ると氷系の魔法が使えるんだね。


 イリハとラヒナが、「凄い凄い!」と感心しながら聞いている。しかし、アムの様子は二人とは違った。


「こんなの、力がバレちゃったら、戦えません」


 確かに。でも、アムは大丈夫だろう。


「アムなら、ここに書かれていない能力も一杯あるでしょ? 山犬本来の能力はスキルに入らないようだしね……」


 アムの身体能力は人間離れしている。獣人だから当然なんだろうけど。


 昨日、アムは、イグニス山の山肌を疾風のごとく走っていたけれど、魔導の写本にはそうしたスキルが表示されていない。元々の性質として備わっているものは、スキルと認識されないのかもしれない。魔導の写本も、完全ではないのだろう。それでアムも納得したようだ。


 山犬の能力は思いつくだけでもたくさん有りそうだね。それにしても、鉤爪飛ばしって言うのはちょっと気になるスキルだ。


 アムの内容を聞いて、イリハもやってみたいと言った。


 まぁ、何にも出ないだろうけどね。


「……トランスクライブ!」


 って、え?


「何これ? ”女神の絆” って?」


 白紙のページに、それだけが表示された。


 多分、加護だよね? 女神の絆? レムリアさんからも聞いて無いな……。


 イリハは大喜びだ。


「ヤッター! 私も何か出た! エリア、これって何? 何の能力?」


「聞いたこと無い加護だな。何だろうね?」


 そう言うと、イリハは、「ラヒナ、あなたもやってみてよ」とラヒナに本を差し出した。そして、ラヒナも楽しそうに試した。すると……。


「凄い! ラヒナも同じだっ!」


 イリハが興奮して言った。


 どういう事だろう? この二人に女神の加護? 考えられるとしたら、あれしかない。女神の祝福だ。二人とも、僕がキスをしたのだ。でも、まさか、女神の祝福をすると、加護が付与されるってこと? ちょっと、よく考えないと分からないけど、これまで女神の祝福をしたのは、この二人以外に、アリサとセシリカだよね。ヴィースやカリス、エイルとククリナはもともと非物質存在だから、眷属になったけど、人間には治癒効果があっただけだと思っていた。それなら、アリサやセシリカにも同様の加護が付与されていると見なければならない。


 でも、この加護の権能って、何だろう?


 そう言えば、アリサにキスをした時、ヴィースが、これでアリサも僕の眷属だとか何とか言っていたような……。人間が僕の眷属ってちょっと意味が分からないな。でも、ヴィースが適当なこと言ってるとも思えないし……。


 どちらにしても、加護の権能がどんなものなのか判明するまで、注意が必要だ。


「イリハにラヒナ、それからアムも。この魔導の写本で分かった事は、決して誰にも話しちゃダメだよ。特に、加護の事はね」


 すると、ラヒナが右手で唇を押さえながら言った。


「もしかして、イリハちゃんも、エリア様とキスとかしたの?」


 イリハはラヒナが聞いたことにあっけらかんと答えた。


「うん。チューされたわ。エリアに」


 キスとチュー。確かにしましたよ、お二人にね。


 ラヒナはどうやら分かったようだ。僕のキスで加護を授かったのだということが。しかし、イリハはピンと来ていないようだ。


 まぁ、そっとしておこう。


 イリハは、今の話をあまり引きずっていないようで、僕に向かって魔導の写本を差し出して言った。


「エリアも試してよ」


 そうだね。僕の場合はたくさん魔法が表示されるよ、きっと。三人にはバレちゃうけど、ちょっと自分の能力を確かめたいという気持ちもあるし。


「よし、やってみるか」


 魔導の写本を正位置に向け、手を乗せて呪文を唱えた。


「ガイアの女神よ、この者がその庇護を受けし人民である証に、この者の力を写し示し給え! トランスクライブっ! さて、どうかな?」


 あれ?


 表示されているのは一行だけだ。


「何、それ? 和菓子職人?」


 イリハが尋ねた。後の二人も注目している。


「変なのっ! 何かの職人さんなの、エリアって?」


 そうだね。紛れもなく職人だ。


 ラヒナもアムも、意味が分からないといった顔をしている。


「アハハー、ちょっと壊れてんのかな、この本」


「絶対そうよ、エリアが魔法使えないことなんて無いもん。おかしいわっ!」


 イリハはそう言って、魔導の写本を本棚にしまいに行った。


 でも、本当に、何で僕だけ表示されないんだ?


 そうやって考え込んでいると、ラヒナが嬉しそうな顔をして、僕と手を繋いできた。

 

「ラヒナ、女神様と繋がってるね」


 ラヒナは少し恥ずかしそうに、そう言った。アムは、キョトンとした顔でラヒナの言ったことを聞いていたけれど、突然、何かを思い出したような顔をして、イリハに言った。


「そうだ! イリハちゃん。あたし、樹木精霊のドライアド様に会ったことあります」


 それを聞いたイリハが驚き、アムの方に慌てて寄ってきた。


「ホント!? 何処で? 教えて、アムちゃんっ!」


 イリハが、必死の形相でそう言うと、アムは、イリハの勢いに気圧され、身体をのけ反らせながら答える。


「ま、前に、オンガ様と村長達と獣人族の里に行ったとき、ドライアド様が宿る神樹にお参りに行ったんです。でも、お声だけがしていたので、どんな姿なのかは分からなかったんですが……」


 ドライアドが宿る神樹か? 男爵が言ってたな。


 そして、アムは、獣人族の里の奥にあるという神樹の場所を知っているという。


 さらに……。


「あたしは、また、そこに行かなきゃならないのです。ドライアド様に会って、森の病気のことを教えてもらわなきゃいけないから……」


 それを聞いて、イリハの目の色が変わった。


「本当なの? アムちゃんっ! 私も、私も行きたいっ!」


 イリハが凄く前のめりになった。しかし、アムが場所を知っているとしても、そう簡単にはいかないだろう。それに、アムも、少し困っている様だ。


「イリハ、あのさ、精霊のイニシエーションには、男爵様やローラ夫人にお許しをもらわないといけないだろ? 男爵様なら、きっと、イリハに着いていくって言うんじゃない? それでね、僕の転移魔法があれば、大勢が一度に転移することができるんだけど、でも、そのためには、僕が一度その場所に行く必要がある。アムが協力してくれるなら、機会を見て、先にアムと行ってこようと思うんだ。だから、それまで待っていてくれるかな?」


「イリハちゃん、あたしも、それがいいと思います……」


 アムによると、神樹の森は人間が近づけるような場所では無いと言う。そして、イリハに向かって、その理由を話した。


「私たち獣人族は、精霊様を先祖に持つ種族ですから、神樹の森に入ることができますが、そこは、強力な結界やガーディアンに守られていて、精霊様の許可が無い限り人間には入ることができないのです」


 そうだろうね。


 ウィンディーネの水の遺跡もそうだったけど、精霊の住まう場所なんて普通じゃ人間には行けそうもない場所だろう、きっと。


 それを聞いて、イリハはコクリと頷いたかと思ったら、横からガシッと腕に抱き着いてきた。そして、僕に向かって力強く言った。


「絶対よっ!」


 イリハの魔法使いになる決心は、揺るがないね。

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に励みになります。


重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

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