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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第4章 ローズ家事件

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059-4-8_ローズ家事件

 気が付くと、太陽は、随分と西の空に傾いていて、すっかり夕方になっていた。今日はこの後、ヴィースとともにローズ家事件の調査のために、ローズ男爵領に向かう予定だ。


 ローズ家事件では、ローズ男爵が、魔獣襲撃によるクライナ第二王女負傷の責任を追及され、莫大な補償金を背負わされたものの、支払い困難なために投獄されている。そして、現在、ローズ男爵領は王宮の管理となっていた。本当なら、ボズウィック男爵家が積極的に関わる問題じゃないんだと思う。けれど、黒い魔石のネガティブ効果が判明し、ボズウィック男爵も対岸の火事とは言っていられなくなってしまった。


 ボズウィック男爵は、息子のレイナードに、ライラ・メリアル・ローズの居場所情報が寄せられた事で、ローズ家事件に関わらざるを得なくなってしまった。ライラ・メリアル・ローズはローズ男爵の長女で、レイナードが通う王立魔法学園で彼と親交が深く、事件以来、行方が分からなくなっていたのだ。もし、ローズ家事件がアトラス派による陰謀だとすれば、レイナードにもたらされた情報は偽物であり、罠である可能性が高い。

 ところが、男爵によればレイナードはひと際正義が強いらしく、彼が早まってライラ・メリアル・ローズの救出に動く事が懸念されている。今のところ、男爵は、レイナードに行動を自制させているけれど、若い彼の事だ、誰かに煽らてしまうとその懸念が現実となる事も大いにありうる。そうなれば、アトラス派の罠に嵌り、レイナードがどんな窮地に陥るかも分からないのだ。

 そのため、ボズウィック男爵の事情としても、早急にローズ家事件とアトラス派との関係を調べる必要が生じてしまったのだ。男爵は、事件とアトラス派の関係が明らかになれば、ライラには申し訳ないが、レイナードを止めなければならないと考えている様だ。それは、男爵家を守るためには仕方ないのかもしれない。出来れば、そうならないように、何とかライラを救出したい。そのためには、ボズウィック家が責めを追わされぬよう、ライラの救出を合法的に行わう必要がある。


 レイナードの気持ちも分かるんだけど、敵の思うつぼだからね。


 アトラス派とローズ家事件のつながりを調べるためには、ローズ家事件に黒い魔石が関係しているかどうかを調べることが近道だ。イリハが病気になった事や、レピ湖への黒い魔石の大量投棄もそうだけれど、アトラス派は、レムリア派貴族に打撃を与えるために黒い魔石を使っている疑いが強い。少なくとも、男爵と僕は、そう断定している。ここでもし、ローズ家事件に黒い魔石が関わっているとすれば、ローズ家事件もアトラス派の仕業である可能性が極めて高くなる。ローズ男爵もレムリア派の中心人物ということだし、アトラス派に狙われていても不思議ではないのだ。


 ローズ家事件において、不信な点としては、事件の発生と時を同じくして大穀倉地帯だったローズ男爵領が、突如、大規模な不作に見舞われ、王宮への補償金が支払えなくなってしまったことだ。

 農作物の生育不良には様々要因があるだろうけど、これほど大規模な不作にも関わらず原因が判明していない。しかも、その状況が三年も続いているということだ。その間にローズ家事件が起きてしまった。ここまで来れば、何か意図的な原因を疑わざるを得ない。


 黒い魔石のネガティブ効果なら、例え大規模な面積でも、可能な気がするんだよね。


 それに、あわよくば、黒い魔石の出所や、それが誰の仕業なのか、真相まで明らかにしたいところだ。ただし、男爵自らが表立って行動することはできない。下手をすれば王国内での紛争にまで発展しかねない問題なのだから。


 そこで、目立たないよう僕が動くのだ。ウシシシ、冒険の匂いがする! 


 とにかく現地に行ってみないことには何も分からない。そして、男爵には、調査に数日を要すると言った。すると、男爵が、僕が女の子だからと心配してくれて言葉をかけてくれた。


「エリア、女の子はいろいろ大変だろうから、アリサを連れて行くといい。それから……」


 男爵から、ボズウィック家の家紋、盾に木の葉の文様が刺繍されたハンカチを渡された。それを見せれば、最悪の事態になったときでも、身の安全は保障されると言っていた。


 男爵の配慮はありがたいね。


「ありがとう男爵様。ハンカチは助かるよ。それから、アリサのことは、また必要な時にお願いするよ」

 

 アリサがいれば助かるけど、どんな危険が潜んでいるかもしれないし、それに、一度向こうに行ってしまえば、その都度転移して現地と往復するつもりだから、寝泊りする場所の心配は要らない。


「では、行ってきます」


「気を付けるのだぞ」

「エリア、危ないことはしないでね」


「分かってるよ、男爵様、イリハ。じゃぁ、出発!」


 そう言って、イリハと男爵に湖畔で見送ってもらい、僕とヴィースは、黄昏空に浮遊魔法で上昇して行った。


 出発時間は予定どおりだ。男爵からの助言で、空を飛んで移動しても目立たないよう、出発を夕暮れの時間帯にした。いくら魔法の世界と言っても、浮遊魔法を使う人間はそう多くないらしいので、空を飛んでいるところを見られないに越したことはない。それに、アトラス派に、僕たちの動きを気付かれないための配慮でもある。


 ローズ男爵領は、レピの町から百キロほど北に進んだオリエンス地方ということだ。案外近い位置にある。しかし、その間には、それほど高くはないけれど、山地が連なり、森林が広がっている。そのため、馬車での移動なら、片道三日程の日数が必要となるらしい。それに、森林では魔獣や山賊に襲われる可能性もあり、護衛などを雇わなければ、安全に移動することが困難なようだ。


 ちなみに、男爵から教わった辺境国クライナ王国の地理だけど、王都クライナがある中心地域、ケントルム地方を囲むように、東西南北、四つの地方に分かれているそうだ。


 始めに、東部がオリエンス地方で大穀倉地帯。ローズ男爵領のあるところだ。

 この地方のさらに東方には、幅数百キロに渡りオリエンス砂漠が広がって東の大洋へと至る。


 次に、西部がオッキデンス地方。ここにはボズウィック男爵の本拠アルバスがある。オッキデンス地方のさらに西は、レムリア大陸最大の中央山脈が聳え、山脈の西側はもう、レムリア神聖王国の支配地域だそうだ。


 そして、南部がレピ湖を含むメリデューム地方。ここはレピ湖も含め、その大半が王宮の直轄地であるらしい。そして、この地域にも穀倉地帯が広がっている。また、レピ湖のさらに南は、レピ山脈が南へと延び、その西部には中央山脈との間に挟まれるように広大な森、いわゆる太古の森が広がっているそうだ。


 最後に北部がセプテントゥリ地方。ここはクライナ王国で最大の面積を誇る地域だが、この地域の北側半分は極寒の永久凍土地帯が広がっており、人が住めるのは、その手前のツンドラ大森林までということだ。


 それぞれの地域には複数の領主が存在し、侯爵、伯爵、男爵と爵位は様々で、領地の特色もいろいろらしい。こうして話を聞けば、クライナ王国もかなり広大なようだ。貴族のように、いくらでも経費をかけることができれば、移動もそれほど障害にはならないかもしれないけれど、普通は、そうはいかないだろう。その点、魔法は本当に便利である。


 転生者の僕にとって、自由に空を飛べるなんて楽しくてしょうがないしね! 


 出発してから、わずか小一時間ほどで、足元の景色が広大な畑に変わり始めた。もう、オリエンス地方に入ったようだ。ローズ男爵領は、オリエンス地方の中でも中央のケントルム地方にほど近く、より内陸側とのことだ。男爵に手書きしてもらった地図を頼りに、進路を少し西よりに進む。村々の配置と街道を確認していれば、それほど迷わないだろう。まずは今日の目的地である、ローズ男爵の屋敷を探す。

 

 目印は、近くの丘に教会が建っているということだけど……あれかな? 


 見晴らしのよさそうな丘の上に、小さな建物が見えた。少し離れたところに大きな屋敷も確認できる。間違い無さそうだ。ヴィースに念話で合図を送り、教会の裏にこっそりと降りることにした。


 地面に降りてみると、辺りに人の気配はなかった。教会は三角の屋根で壁が白っぽく、ステンドグラスのような窓がいくつかあって、メルヘンチックな雰囲気だ。


 何んとか真っ暗になる前に目的地に到着できたね。


 ここまで来れば、次からは転移魔法で移動できる。今日はここまでにして、一旦、屋敷に戻ろうか。そう考えていると、教会の窓のステンドグラスに光が揺れているのが見えた。


「中に誰かいるのかな?」


 何気なく口にすると、ヴィースが返事をした。


「そのようです」


「じゃぁ、ちょっと覗いてみようかな」


「はい」


 少し気になったので、表に回り、玄関の扉を開けて中に入ってみることにした。

 中の様子はキリスト教の教会のように、中央に祭壇があり、手前は、通路を挟んで信者用の長椅子が左右に別れ十数列並んでいる。祭壇の上には彫刻の像が据えられていた。少し薄暗い。そして、祭壇の前では、もう遅い時間なのに小さな子が一心に祈りを捧げている。


 こんな時間に熱心な子だね。


「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


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重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

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