表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第4章 ローズ家事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/358

057-4-6_レピ湖のカニ魔獣

 黒い魔石の回収は、レピ湖に棲む魔獣にお願いするのが手っ取り早い。彼らは湖の隅から隅まで分かっているだろうし、作業を担ってもらうには彼らが適任だ。もちろん、苦労を掛ける彼らには、僕から直接お願いするのが礼儀である。とは言え、どんな魔獣がいるのか知らないので、事前にヴィースにお願いして、声を掛けてもらっている。彼はレピ湖の主でもあるのだ。その話を男爵様にした時、彼もどんな魔獣か見てみたいと言ったので、一緒に着いて来てもらうことにした。すると、イリハも行くと言い出した。


 まぁ、危険は無いだろうからイリハにも来てもらおう。


 そして、午後のティータイムの後、ヴィースと男爵、そして、イリハとともに、転移魔法で再びレピ湖の湖畔にやってきた。


 レピ湖のほとりは、穏やかな風が湖側から岸の方へと滑るように吹いており、湖面には、風に煽られた小さな波が立っていた。午後の柔らかな陽光がその波にキラキラと反射して、水面を飛び跳ねる小さな妖精のようだ。


「じゃぁ、お願い」


 ヴィースに合図を送ると、彼は、右手を湖に向けて何かを念じながら魔力を放った。しばらくして、湖面に泡が立ち始め、それが段々と激しさを増してくる。すると、泡の中から赤黒い巨体が姿を現した!


「来たっ!」


 その魔獣は体長が五メートル程もあり、二本の巨大なハサミを誇示するように振り上げている。


「大きなカニだね!」


 魔獣は、浅瀬までやってくると、互いのハサミを打ち合わせた。すると、解体現場の重機のアームが鉄骨を崩しにかかった時のように、金属同士がぶつかる高い音が辺りに響き渡った。男爵とイリハは及び腰になりながら、僕の後ろに身を小さくしている。それでも、男爵は、魔獣から目を離さず目の前の大きな存在を指さして言った。


「い、厳ついカニだが、あ、あの魔獣が力を貸してくれるのか?」


「そうみたいだね」


 イリハも興味深そうにして、僕の陰から顔を覗かせて言った。


「強そう〜!」


「奴はカニ魔獣の頭目だ……」


 ヴィースが魔獣について説明を始めた。彼によると、このカニ魔獣は、いわゆるレピ湖におけるカニ型魔獣の親玉ということだそうだ。そして、レピ湖は、レムリア大陸にある淡水湖の中でも最大級の大きさのため、湖の大きさからして、この魔獣ほどの大きなカニは、他にいないだろうということだ。そして、このカニ魔獣は、ウィンディーネの眷属だったらしく、半精霊化して自我を持っている上、ウィンディーネとの眷属契約が解除された後も、ヴィースを通して、既に僕の眷属になっているとのことだ。


 カニ魔獣は岸に上がってきて、ブクブクと泡を吹きながら、ゆっくりと僕の前に近づいてきた。男爵とイリハは、後退りしてカニ魔獣から距離を取り、二十メートル程離れた所に移動した。


「ボコボコボコ、ボコボコボコ」


「なんて言ってるか分かる気がするな」


 どうやら僕に挨拶しているようだ。こちらからも挨拶と作業協力のお願いの意図を魔力に込め、カニ魔獣に向けて流した。すると……。


「ボコボコボコ、ボコボコボコ」


 ん? あれ? 


 どうもおかしい。何やら、素直な返事じゃ無い気がする。


「ヴィース。僕には、このカニ魔獣が、何か条件を出しているように思うんだけど? どうなの?」


 ヴィースはカニ魔獣に向かって仁王立ちしていたが、澄ました顔をこちらに向け、事実を淡々と伝えてくる。


「奴は、祝福のキスをねだっております」


「何でだよ? もう、僕の眷属なんでしょ? 女神の祝福して何か意味あるの?」


「ボコボコ、ボコボコ、ボコボコボコ」


 ヴィースに言ったつもりだったのに、カニ魔獣が会話に入ってきて何か言っている。すると、ヴィースが通訳した。


「奴は、女神の祝福が欲しい、さもなくば……」 


「協力しないって言うのっ!」 


 最後まで聞かなくても分かる。そして、ヴィースがあっさり、「はい」と返事をした。


「何だか、足元を見られているよね」


 しかし、減るものでもないし、女神の祝福を出し惜しみしたい訳でもない。ただ……。


「この人、カニでしょ! どこにキスするの?」


 どうせ、口だよね! ブクブクブクブク泡吹いてるんだよ。今もずっと……。


「む、無理に決まってるよ、そんなのっ!」


 ところが、ヴィースは何も言わず腕組みしながら立っている。


 ううっ! ヴィースめ! 黙り込んじゃって、ヴィースのせいじゃないけど、なんか腹立つっ!


 しかし、カニ魔獣が協力してくれないと計画が頓挫することになる。


「ど、どうしよう……?」


 せめて、もう少し可愛いキャラならねぇ。


 ヴィースの時だってそうだ。彼が首長竜のままだったら、キスをしていたかどうか分からない。


 ん? あっ! いいことを思いついたかもっ!


「あのさヴィース、古代遺跡に行けば、この魔獣もヴィースの時のように人型になったりしないかな?」


 彼は素っ気なく返事をする。


「分かりません。しかし、ウィンディーネ様がいらっしゃる時には、人型だった奴の姿を見たことがあります」


 そ、そうか、人型ならなんとか頑張れるかも。


「よし、場所を変えよう」


 そうして、男爵とイリハには、ヴィースと湖畔で待っていてくれるように言って、僕とカニ魔獣は古代遺跡に転移した。


 ーーーー。


「ここは、やっぱり清浄だな……」


 そして、振り向く。すると……。


 ガクッ、巨大カニのままだよ。


「トホホ」


 それから、さらに数秒待っても変化しない。


 ああ、もう、こうなったらやけだっ! 


 四の五の言っていても仕方ない。さっさと終わらせて話を進めよう。後で、うがいすればいいだけだ。


 ううっ! でも、カニの口って生臭そうだよなぁ〜。

 

「はぁ~、も、もういいっ! 好きにしてっ!」 


 ギュッと固く目を閉じ、唇を突き出した。すると、カツカツという足音とともに、大きな気配が近づいてくる。


「早くしてねっ! 一瞬でねっ!」


 目の前で足音が止まった。


 も、もうっ、く、来る、来るよ……。


「それでは、頂戴します。女神様」


 えっ?

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に励みになります。


重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ