341-16-21_ペディットとマーカス
背中を退け反らせて顔を背けてしまう。それでも、嫌だって言えないのは、こんな風に人から見られるって事に、何故か胸がドキドキしてしまうから……。
は、裸を見られている訳じゃないし、ちょ、ちょっとくらいそんな気持ちになっても……い、いいよね。でも私、自意識過剰かなぁ……。
とは言え、私の事をそんな風に見ていると、いつの間にかあなたたちも私が裸にしちゃうわよ。折角だし、この人たちの魔法を覗いちゃおうっと!
「隊長! エリアちゃんが女神様って、それピッタリ! ホント、エリアちゃんは女神様だよっ!」
「い、いや、ペディット、私が言ったのは、言葉通りの意味で……」
ふむふむ、なるほど。これで二人の力が理解できたわ。
「女神様! お、俺も、見たい!」
えっ!? マーカスも?
「あんたはキモいからダメっ!」
「そ、そうっすよねー」
ホッ。あー、ビックリした。ペディットとオスカルさんなら別に良かったんだけど、マーカスは流石に男の人だよ。それに、改めて言われちゃうと、どんな顔して立ってればいいのか分かんないし緊張しちゃうって。
とは言え、彼って槍使いだよね……。
うむうむ。そこはちょっと興味あるのよね〜。最強になるためにはどんな武器も使いこなしたいところだもん。マーカスのスキルを覗けば槍が使えるようになるかもしれないじゃない! 彼の腕前がどんなものだか知らないけど、基礎スキルでもいいから手に入れたいわ。槍のスキルはヴィースにも無かったし、この際、全部貰っちゃおうかな。
「……まぁ、み、見るだけならいいけど」
そう言うと、マーカスが固まってしまった!
「えっ! エリアちゃん、コイツ汗臭いけど、大丈夫?」
「エリア様、ご迷惑なら断ってください!」
「ホント、見るだけよ」
オスカルが慌てている。しかし、マーカスは、動こうとしない。
「い、いいんですかね……顔近づけますけど……」
「うん」
そう言っても彼は近寄ってこない。
なんだ、自分から言っておいて照れちゃってるの? 仕方ないなぁ。
彼の目の前に歩み寄った。
あれ? やっぱり背が高い! これじゃ、瞳の奥を覗けないじゃないの。
彼の顎に両手を添える。そして、顔を下に向けさせた。
それでもマーカスは背が高いから、少し背伸びしなきゃ。
つま先立ちになり、彼の顔に近づいていく。
「ちょ、ちょっと、エリアちゃんっ!」
「エリア様! まさかっ!?」
「動かないでね」
「えっ? あっ、はい」
マーカスが、ゴクリと唾を飲み込んだ。
う〜ん、この人、顔が汗ばんじゃってる。後でアリサに蒸しタオル持ってきてもらわなきゃ。
「私の目を見て……」
「し、しかし……」
「……目は閉じちゃダメ」
「す、すみません……」
「そう、そのままネ……」
「は……い……」
ん? 息止めてんの? え〜と、どれどれ? じ〜〜〜っ、と。あー、見えるわー、彼のスキル。なるほど! マーカスは、なかなかのものね、結構高いスキル持ってるわ! あっ、私、勝手に口が開いちゃってて、息が届いてたかも! ヤバっ! 夜、何食べたっけ? あー、唇も乾いちゃってる!
舌を出して唇を舐める。
「エ、エリアちゃん、ダ、ダメよっ!」
マーカスの足が震え始める。
中腰体勢が辛そうね。でも、終わったわ。よし! これで槍スキルゲット!
そうして、マーカスの顎から手を離した。すると、彼は、膝から崩れ落ち、床にへたり込んでしまった!
「ごめんね、辛かったよね。でも、あんまり私の事見てなかったでしょ?」
「み、見る余裕なんて、ありませんよっ!」
「エリアちゃんっ!!!」
「どうしたの、ペディット?」
どういう訳か、彼女は機嫌が悪そうだ。そして、ペディットは、マーカスの目の前にしゃがみ込んだ。
「良かったわねっ! 美人に見つめられてっ!」
そう言って、彼の頬を抓る。
「い、痛いって! 何でお前が怒ってるんだよ?」
「怒ってないわ! ニヤけた顔がムカついただけよ!」
「バカ、ニヤけてねぇって。こんな事、し、心臓に、わ、悪いわっ!」
彼は、そう言って大きく息を吐いた。オスカルが胸を撫で下ろしている。しかし、その時……。
「おいっ! そこの人間……」
ん?
「ククリナ?」
いつの間にか姿を現していたククリナは、側にやって来ると腕組みしながら彼を見下ろして言った。
「……これまで、エリア様に不浄な手で触れた者どもが、どういう成れの果てを辿っておるのか詳しく教えておいてやろう……」
なんか、怒ってる?
そして、ククリナが右手を翳した!
「ダメよっ、ククリナっ!」
慌てて彼女の腕を掴む。
「ククリナ、早とちりだって! マーカスには私から触れたんだからね」
すると、ククリナはぷっくりと頬を膨らませた。
「エリア様ぁ〜。こんな男がいいんですかぁ〜?」
何? どういう意味? まさか、私が彼に気があるなんて思ってんの?
「ち、違うって! ペディットとオスカルさんが私の事あんまりジロジロ見るから、ついでにこの人たちの力を見せてもらっただけよ」
「ムゥ〜、そうなんですかぁ〜?」
「そうに決まってるでしょ!」
ホントに、もう!
「あ、あの〜、じゃぁ、エリアちゃん、コイツの事は……」
ペディットは、ようやく立ち上がったマーカスを指差してそう言った。
「えっ?」
ペディットまで?
「……もしかして、なんか誤解してる? あのね、この際だからカミングアウトするけど、私、男はNGよ。女の子にしか興味ないんだからねっ!」
あー、勢いで言っちゃったけど、変な誤解されないために、私の性的指向を言い訳にしたみたいだわ、まったく!
「そ、そうなのね! ビックリした〜。も、もちろん、コイツがどうなろうといいんだけどね」
ペディットは、安心したのかして笑顔に戻ると、指を顎に当てて疑問顔になって聞いた。
「でも、エリアちゃん、今気になる事言ったけど、私たちの力を見たって、どう言う事?」
「え〜と、それはね……」
勝手にやっちゃったもんね〜。なんて説明すればいいかなぁ? 女神の祝福加護の事は言えないし……。
「……私のスキルには……」
スキル創作の話を少し誤魔化して説明しようとしたところで、ククリナが言葉を挟んだ。
「ペディットさんって言ったかしら?」
「面白いかも!」
「続きが気になるぞ!」
「この後どうなるのっ……!」
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