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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第16章 カバール商会

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330-16-10_【幕間(三) 】(1/2) プロディの報告 ーージャブロクの屋敷(談話室)ーー

(カバール商会所長バイス・コロネロス②)


「う〜む、それにしても、おかしい……」


 もう半時も経とうというのに、ローズの事務所からカッペルが戻らんというのはどういう事だ。まさか、奴がやられた訳ではあるまいな。しかし、この王都でカッペルと戦える様な奴となると、王宮関係者に数人おるくらいだろうが、王宮はこれまでになく弱体化しておる。その奴らが我らに刃向かうとは考え難いであろう。


「やはり、気のせいか……?」


 それにしても、ワシが、カバールに来てからこの様に不可解な事が起こるなど、今まで考えられんかった事だ。裏の行いで、我らが知らぬような事など起こりえんのだからな。念の為、最悪の事態を想定してかからねばならんだろう。


「……となれば、信じ難いが、会頭が気にされていた隷属の女神という奴の存在を考慮に入れる必要があるのかもしれん」


 マッドの報告と関連させるならば、あの広大なローズ領の畑は、その者の手によって人為的に浄化されたとまで考えておかねばなるまい。一体どんな魔法を使ったのかは分からんが、兎に角、小麦が発芽したのは間違いないのだしな。いや、しかし……。


「そのような広範囲魔法など聞いたことがないぞ。やはり、単に小麦の毒の効き目が薄まっただけなのでは無いか?」 


 いや、待て待て。状況証拠は小麦の浄化とカッペルの件だけでは無いぞ。会頭のメイドを攫ったのも、事務所の連中が消えたのも、未だに誰の仕業かも分からん。もしかすると、その隷属の女神とかいう輩は、我々に仇なすため、既にこの近くに潜んでおるのではないか……?


「ヌヌヌゥ〜、情報が集まらんと動きようが無いっ!」


 その時、談話室の扉がノックされ誰かが慌てたように叫んだ。


「所長っ! バイス所長っ! た、大変ですぜっ!」


 マッドか、ローズ事務所を見に行けと言った筈だが、此奴は何故まだここにおるのだ?


 扉を開けた。 


「マッド、お前は何をグズグズとしている? 殺されたいのか? ん? ライズとプロディ、お前たちも一緒か?」


「ち、違ぇますっ! ご命令を遂行しようとしまして、カ、カッペルの野郎の様子をこのライズに見に行かせようとしたんですが、プロディの野郎がえれぇ慌て様でやって来やがって所長に報告があるって言うんで、まさかカッペルの事じゃねぇかと……」


 ライズが頷いた。


 マッドめ、舌がよく回る奴だ。


「うむ、まぁいいだろう、マッドとライズ、お前たちは黙ってそこに控えておれ……」


「へい」

「分かりました!」


「……それで、プロディよ、騎士団の制服のままここにやって来るとはどういう事なのだ?」


「は、はい、所長。た、大変ですっ! カッペルさんが騎士団に捕まっちまって、そ、それと、ザリッパたちが……」


「落ち着け、プロディ! 分かっていることを順番に話せ」


「は、はい。え〜と、まずは、カッペルさんの事ですが、ローズの事務所前で、若い女にのされちまったんですっ! それで、今、騎士団の留置所に入れられちまって……」


「若い女にのされただと? 馬鹿馬鹿しいっ! ワシを愚弄するとは赦さんぞっ!」


「ぐ、愚弄だなんて、と、とんでもございませんっ!」


 此奴め、何を言い出すかと思えば、カッペルが女などにやられるなどあるまいて。う〜む、しかし、コイツの慌て様、恐らくその場にいて、実際にそれを見たということか……。


「見間違いではなかろうな?」


「ええ、間違いありませんっ! 確かにこの目で見ましたっ! お、恐らく頭を地面に殴りつけられて、そのまま……」


「ムムッ! カッペルが?」


「ほ、本当です、所長っ! 確かにあれはカッペルさんでしたっ! や、山羊の角もハッキリと……」


「テメェ、プロディっ! いい加減な事言ってんじゃねぇぞっ、オメェっ!」


「マッド、ワシは黙っておれと言わなかったか?」


「ス、スイヤセンっ」


「次は無いぞ」


「へ、へいっ!」


 う〜む、俄には信じ難い。しかし、プロディが嘘を付くとも思えん。この男は、王宮騎士団に潜入させてからも定期報告は欠かさぬ奴だし、ローズの事務所前にいた山羊獣人となると、やはり、カッペルしか考えられぬか……。


「プロディよ、そのときの状況を詳しく話せっ!」


「は、はい! 俺が、騎士団の詰所に入ってきた緊急の通報を受けて、オスカルの野郎と共にローズの事務所に行ったんです! そ、それで、現場に着いた時には、カッペルさんが地面にめり込むようにして倒れてまして、その側に喪服を着た若い女が立ってやがったんです」


「若い女? それに喪服だと?」


「ええ! その女が着ていたのは、確かに真っ黒の喪服のドレスでした」


 何故に喪服なのだ……? いや、今、それはいい。


「そこにいた者はそれだけか?」


「いいえ、そいつの隣にも異教徒の巫女服の様な格好をした小娘が一人、そして、ローズの会計女、後は詰所に通報してきた鳥人族の男が一人」


 ふむ。得体が知れん女が二人に、ローズの事務所の者か。


「それで、お前は、カッペルをやったのが何故その喪服を着た女だと分かったのだ?」


「はい、それは、その女が自分で殴り倒したと言っておりましたので……」


「なぬっ?」


「……わ、私も、未だに信じられないのですが、その女は、まだ小娘で、体格も普通の娘と変わらないと言いますか、どちらかと言えば華奢な方に見えたのですが……」


「そんな小娘が大の男を殴り倒したと言うのか……?」


「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


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