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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第12章 王都

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255-12-2_レムリア派の懸念

 王都にあるボズウィックの屋敷は、レピ湖にある別荘と比べると敷地は小さく、建物の中も機能的な間取りをしているようだ。玄関ホールの右手には二十五畳ほどの談話室があり、その部屋続きにダイニングへと続いている。ダイニングルームは三十畳程の広さで、壁は、白を基調とした色に、赤い花と緑のつる植物の模様が全面に細い線で描かれていた。そして、部屋の真ん中には、十人がけのワインレッド色をした木製テーブルが、光沢のある艶を放って窓から入る外の光を反射していた。


 メイドの女性が、僕の椅子を引いてくれた。


「エリア、朝食は摂ったのか?」


 先に椅子に腰掛けた男爵が、そう言って聞いてきた。


「うん。ダニーにサンドイッチを作ってもらったから、ローズ男爵のお屋敷で済ませてきたよ」


「そうか、それなら、紅茶と菓子でもどうだ?」


「お菓子? ヤッターっ!」


 こう言う時は、子どもみたいにはしゃいでしまう。お菓子と聞けば、そうなっちゃうのだ。まぁ、子どもなんだけど。


 紅茶とお菓子は、アリサも一緒になって給仕してくれた。ボズウィック家の紅茶は、いつ飲んでもとても香りが良く実に美味しい。男爵? じゃなくて、ローラ夫人のこだわりなんだと思う。そして、注目は、お菓子だ。


「今日は、エリアが来ると思ってな、朝からモートンに町まで行ってもらったのだ。今、一番人気の店の菓子らしいが、どうだ?」


 男爵は自慢げにそう言った。アリサが目の前に運んできたのは、生クリームが鬼盛りのいちごショートケーキだ。とは言っても、いちごもたくさん乗っていてかなり食べ応えがありそうだ。


「凄いね、これ。でも、朝からだなんてわざわざ大変だったでしょ。悪いねモートン」


 そう言うと、男爵の近くに控えていたモートンがニッコリと笑顔になった。モートンの笑顔はあんまり見られないから貴重ではあるけれど、逆に何か裏があるようで怖い。


「モートンが一番に列に並んで買ってきたのだ。あの店は、店主が頑固者でな、貴族であろうと平民であろうと、列に並ばんと買えん店だ。まぁ、エリアのためだけでもないから気にする必要はない。我が家の女たちの分も全て買ってきてもらったからな……」


 なるほど。こう言うところが男爵の優しい人柄なんだね。そりゃ、メイドの女の子たちもみんな、生き生き仕事をしているはずだ。でも、そこの店主って、こんなに厳しい階級社会でも自分の筋を通すなんて、面白そうな人だな。


「……店の名はなんと言ったかな、モートン?」


「パフパフでございます」


「おぉ、そうだった。パフパフと言うそうだ」


「ん? あぁ。パフィパフィでしょ、まったく」


 メイドたちがクスクスと笑っている。


「そうか。パヒーパヒーというのか、難しい名だな」


 どっちでもいいけど。ホントいい加減なんだから。小さいカタカナの字をすっ飛ばして覚えるのは親父あるあるだ。でも、ケーキの味は最高! 生クリーム好きにはたまらない。コクのあるクリームが、ふんわりと口の中でとろけて、ん? 今の下りどこかで聞いたような……。


「食べながらで良いのだが、エリアよ、ローズ男爵の小麦畑の件はどうであったのだ?」


 口の周りに着いた生クリームをぺろりと舐めた。


「うん。何とか上手くいったよ。ちょっとトラブルもあったんだけどね。でも、小麦は全部の畑で発芽したから、心配ないよ」


 男爵は、ニンマリと笑って言った。


「そうかそうか。ということは、明日になれば王都中が大騒ぎになるな。フッフッフッ」


 男爵は、顎に手をやり、悪顔になって右片方の口角を上げた。きっと明日のことを想像してるんだと思う。


 ケーキを食べ終わると、アリサがおしぼりを持ってきてくれた。彼女からそれを受け取ろうとすると、アリサが顔を寄せ、顎を上げるような仕草をしたので反射的に顎を上げた。すると、アリサが口の周りをちょんちょんと優しく拭いてくれた。最近、アリサに甘えちゃってる。 


「ありがとうアリサ」


 お腹が満たされたところで、夢想中の男爵に話かける。


「あのね、男爵様……」


 でも、これ言っちゃうと男爵様の反応がちょっと怖い。


「……今、言ったトラブルの件なんだけど、実はね……」


 ローズ男爵領で起きたトラブルは、もちろん、僕とアリサが奴隷狩りに攫われてしまった件だ。あのトラブルのそもそもの原因は、僕の身体が動かなくなってしまった事だけれど、そこを男爵様に詳しく話すとクリトリアの話もしないといけなくなって、セクシュアル体験のことまでバレちゃうと恥ずかしいし、絶対、話がややこしくなるからそれは置いておいて、男爵に伝えておきたいのは、奴隷狩りがジャブロクの手下だということと、奴らは王宮騎士団であるレックスとも繋がっていたということだ。


「……そういう訳でね、今、奴らはククリナのお腹の中で捕えているんだよ」


「何だと! つまり、エリアとアリサを我がボズウィックの家の者と知ったうえで、奴らは暴行を働いたというのかっ!」


 男爵のボルテージが一気に上がる! そして、一瞬で部屋の空気が緊張してしまった! すると、壁際に控えていたアリサが、突然、大きく頭を下げた!


「も、申し訳ございませんっ! 旦那様! 私が、エリア様のお側に控えておきながら……」


 そこにいた使用人もみんな、一斉にアリサに注目した。緊迫した視線がアリサに集中する。しかし、男爵は、一呼吸置くと、落ち着いた口調でアリサに言った。


「何を申しておるのだアリサよ。エリアの話では、お前のお陰で助けが入ったと言うではないか。お前がエリアの側に着いておったからこそ、大事に至らなんだのだ。詫びなければならんのは、ワシの方だ。お前たちを危険な目に遭わせてしまった。スマン」


「も、もったいなきお言葉……うううっ」


 アリサは泣き出してしまった。隣に控えていたメイドがアリサの肩を抱いてやり、部屋の外へと連れ出してくれた。


 後で、アリサを慰めてあげないと……。


「話は分かった。奴隷狩りの行為は、黙認されておるとは言え、犯罪であることに変わりはない。まして、貴族の家の者に手を出すなど、この国の秩序が許すはずはない。ワシの家の者に手を出した事は、絶対に赦さんっ! エリアよ、この件でどこまでジャブロクの奴を追い詰めることができるか分からんが、この際、奴隷狩りどもを確実に裁き、奴らとジャブロクとの関係を白日の下に晒す必要がある! まずは、奴隷狩りどもを告発しなければならんっ!」


 男爵は腕を組んで力強く、そう言った。


 やっぱり、男爵を相当怒らせてしまったようだ。でも、この件でジャブロクを追い詰めることができるなら、僕とアリサの恐怖の体験も報われる。それに、奴隷狩りの処分を公の場で行うことが出来れば、奴隷制度に対し一石を投じることになるはずだ。奴隷狩りをどう始末するかは男爵に相談しながら決めるとしよう。


「それで、エリア。レックスも捕えているということだが、奴の扱いは何か考えでもあるのか?」


「そうだね。レックスはローズ家事件の実行犯だから、奴を使ってこの事件がアトラス派の陰謀だということを国王陛下の前で公にできないかと思ってるんだよね。例えば、王族の人たちと貴族が集まっているような場で、奴らの悪行をさらけ出すとかさ」


「なるほど。上手くいけば、ローズ家事件の真相を暴き出せるということだな。セシリカ女史の計画でローズ男爵の王宮に対する補償金も工面できそうであるし、第二王女様のお身体の回復が叶えば、ローズ男爵の赦免も確実なものとなるだろう。しかし、喫緊で、王族と貴族が揃うとなれば、間もなく十五のお歳をお迎えになる第一王子様の立太子式なのだが、今の所、王宮から立太子式が執り行われるという発表は無いのだ。ワシの方でも、第一王子様の御身の状況を探っておるのだが、未だ一向につかめん。陛下のお歳を考えれば、王位継承の話がいつ持ち上がるか分からんからな。前回のように貴族たちが争えば、それこそ、大国の思うつぼだ。王位継承が円滑に行われるためにも、まずは、第一王子様のご存命を確認せねばなるまい。本来であれば、ローズ家事件と王位継承の話は切り離して考えるべきであろうが、やはり、これらの問題は、第一王子様と第二王女様のご健在が要となっておる。もはや、別々に考えている段階では無いであろう」


 男爵は、少し眉を寄せて渋い顔をした。


 第一王子の存命と第二王女の大怪我。これがレムリア派にとっては一番の懸念だね。

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


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面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


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重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

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