表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第9章 不審な魔石

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

183/358

182-9-9_シャルは友達

 シャルの髪の色は、グレーから、天邪鬼と同じ真っ白に変化していた。ソマリはシャルの髪の色が変わっていることに気が付いて、心配な顔で彼女を見つめている。ソマリにすれば、シャルの身体が一体がどうなったのか不安で仕方ないだろう。


「心配いらないよ」


「本当ですか? れ、隷属の女神……様?」


「僕の事分かるの?」


「は、はい、何となく……」


「ソマリもよく頑張ったね。シャルがこんな事になっても、気をしっかり持って手当を続けていたんだから」


「い、いえ、私……」


 ソマリは、身体が震えている。


「……シャルが、死んじゃうんじゃないかと思って……こ、怖かったんです……と、とても」


 ソマリはそう言うと、手を口に当て、声を押し殺しながら大粒の涙を流した。


「もう大丈夫だから」


 彼女の手を握ってあげる。すると、彼女は返事にならない返事をしながら、うんうんと頭を下げて無言で泣いた。彼女が落ち着くのを待って話しかける。


「髪の毛の色が変わったのは、天邪鬼の魔力の影響だと思う」


 ソマリは、シャルの顔を覗き込む。彼女は、シャルの頬に手を添え彼女の頭を優しく撫でてあげた。シャルは、まだ目を開けず、眠ったままだ。


「天邪鬼ちゃんはどうなるんですか?」


 ソマリが不安そうにそう言った。


「ソマリ。ゴメンね。説明が後になってしまったんだけど、天邪鬼は、シャルの魂を引き留めるためにシャルとの魂の融合を選んだんだよ。だから、シャルは……」


 ソマリに、シャルが精霊になってしまうことを伝えた。彼女は、小さく頷くとシャルの傍らに正座をして、その左手を両手で挟むように手に取った。 


「シャル……」


 ソマリは、ぽつりと呟くようにそう言った。


 シャルが天邪鬼と融合すると、どんな存在になるのかは分からない。彼女は、猫族の獣人でもあり、もともと、白虎という精霊の守護も受けているのだ。その上、僕の女神エネルギーが交わっている。でも、シャルの事は、彼女が目を覚ましてから考えることにしよう。とりあえず命は取り留めることが出来たのだ。今は、これが最善の方法だったと思うしかない。


 シャルの人格が元のままならいいんだけど……。


 周囲のラケルタ人が、ようやく落ち着きをとりもどして、こそこそと彼らの会話が聞こえだした。そして、手当てをしていたミセリが声を掛けてきた。


「あ、あの……あなた様は……もしや……?」


 彼女は、一旦、首輪に視線を送り、そして、目を見つめてきた。


「うん、そうだよ。僕の名前はエリア。そう言えば、まだ、名乗ってなかったよね。子どもの姿だけど、約束通り戻ってきたんだ」


「隷属の女神様……」


 ミセリは、驚いたように手を口に当てて、目を見開いた。彼女は、可愛い目をしている。トカゲ種族は、男女ともトカゲの姿でも、胸や目を見れば性別が分かるのだ。ミセリの目はまつ毛が長く、女の子らしいつぶらな瞳だ。そして、男のラケルタ人と違って胸のあたりが小さく膨らんでいる。

 

 彼女は、少し、心配そうな顔をして言った。


「あの、隷属の女神様。シャルちゃんは?」


「シャルは、天邪鬼と融合したんだ。命は取り留めたけど、多分、獣人では無くなってしまうだろうね……」


「そうなのですか……」


 ミセリはそう言って、シャルの手当てをしていたもう一人のラケルタ人女性とともに、シャルの側に膝を折って座った。


「シャルっ!」


 突然、ソマリが叫んだ。シャルが目を覚ましたようだ。シャルの側に行き、様子を見る。彼女は目を開けて、天井を見つめた。


「め、目の色が……」


 ソマリが呟く。みんなシャルに注目した。彼女の瞳は、透き通った真っ赤な色をしている。


「シャル? 気分はどう?」


 そう言って、シャルに声を掛けると、シャルは首だけを動かしてこちらを向いた。


「シャル、友達。ずっと一緒……」


「あ、天邪鬼……!?」


「ど、どうなったの……」


 ソマリは、シャルの顔を見た後、何かを尋ねるような目をして僕を見た。シャルは、ゆっくりと上半身を起こし、無表情な顔で辺りを見回す。そして、一通り周囲を確認すると、最後にソマリの顔を見つめた。


「お姉ちゃん? 私……」


「シャ、シャル? シャルなの?」


「そうだよ。でも、天邪鬼ちゃんもこの中にいるよ……」


 シャルは、そう言って両手を胸に当てた。すると、ソマリがシャルの頭を抱きかかえるようにして、彼女の胸に押し付けた。


「わっ!」


 シャルが驚いて声を上げる。ソマリの唇は、プルプルと震えていた。しかし、彼女は言葉が出てこない。


「お、お姉ちゃん……?」


 シャルが、逆にソマリを気遣うように小さな声で言った。


「グッ、ううううう〜〜」


 ソマリは、うめき声を上げてギュッと歯を食いしばると、お腹の底から声を上げたっ!


「シャルゥゥゥゥーーーーっ! うわぁぁぁーーーーんっ! シャルゥゥゥゥーーーーっ!」


 ソマリは、シャルにガシっとしがみ付いたまま、大声で泣いた。


「お、お姉ちゃん……い、痛いよ……う、うるさいし……」


 平静に戻ったシャルを他所に、ソマリは、ずっと押さえていた感情を一気に解き放つように叫び続けた。


「うわぁぁぁーーーーんっ! シャルゥゥゥゥーーーーっ! うわぁぁぁーーーーんっ!」


 ーーーー。


 しばらくすると、洞窟の中にようやく安堵の空気が甦った。


 ソマリは落ち着いた後もシャルから離れない。シャルは面倒そうな顔をしながらも、姉に抱きしめられるままにしている。


「シャル、気分はどう?」


 シャルは、一瞬、不思議そうな顔をしたけれど、すぐに笑顔になって言った。


「女・神・様?」


 彼女の問いかけにニッコリと笑って頷く。すると、シャルは、天真爛漫な笑顔になった。


「元気になったんだね」


 シャルは、「うんっ!」と言って大きく頷くと、左腕を目の前に上げ動きを確認した。


「シャル。ゴメンね。相談も出来なかったけど、シャルを助けるために天邪鬼が望んだんだ。シャルとくっ付いちゃうことをね」


「知ってるよ。天邪鬼ちゃんが全部教えてくれたの。ちゃんと、天邪鬼ちゃんと話したんだよ。天邪鬼ちゃんはね、ずっと一緒だからいつもシャルの中にいるって……」


 シャルが言うには、天邪鬼はシャルの魂と融合することで、とても安心して、もう表には出たくないと言っているらしい。


「天邪鬼ちゃんがね……私と天邪鬼ちゃんは、女神様の眷属じゃないって伝えるように言うんだけど……」


「へぇ~。そうなんだね……」


 やっぱり、アクアディアさんの言った通りだ。天邪鬼は眷属にはならないタイプだから、融合しても同じなんだね。


「ところでシャル、シャルって精霊になってるよね?」


「うん! あのね、私、雷帝白虎になっちゃった!」


 ら、雷帝白虎!? ど、どんな存在なんだ、一体?


「そ、そうなんだ? 強そうだね」


「うん。とっても強くて、変身もするんだよ」


「ハハハ。そうなんだね~。まぁ、とにかく、シャルが無事で良かったよ。ね、ソマリ」


「め、女神様! あ、ありがとうございますっ!」


 ソマリは正座をしたまま、手を床に付いて、臥せるようにお辞儀をした。


「ほらっ、ソマリ、顔を上げて」


 彼女は、目に溜めた涙を指先で拭った。ソマリの隣では、ミセリも、涙を指で拭っている。


「隷属の女神様、いえ、エリア様。わ、私……胸が締め付けられるようで……」


 ミセリはすがるような目をしている。


「……お、お願いでございます。少しの間だけ……その御身を、抱きしめさせてください……」


 彼女はそう言って、僕を抱き寄せた。ラケルタ人の皮膚は、冷んやりとして革製品みたいだ。でも、ミセリの鼓動が伝わって、抱かれていると安心してくる。


 ミセリが囁くように言った。


「感謝いたします。エリア様……」

 

 彼女はそう言って、優しく包み込むように抱きしめてくれた。


「ミセリも大変だったね」


 そう言って、彼女の背中に手を回した。すると、ミセリが、腕にギュっと力を入れた……。


 ようやくみんなが落ち着くと、ミセリは、僕を抱きしめたまま背中越しに言った。


「エリア様。今しがた、ここで何が起きたのかをご説明いたします……」

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に励みになります。


重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ