170-8-37_こんなの……無理だよ……(挿絵あり)
でも、そんな都合のいいことなんて、起こらないよね。
「あ~ん、どうしよう? もう一回やってみる?」
でも、上手くいくような手応えが、全く無いんだけど。もう一回、ちゃんと女神像を見てみないと。
目を細めながら、何も見逃さないように、身体の姿勢を整えた。
「もうすぐよ」
杯に雫が落ちると、激しく輝くので、その時に目を開けていれば、目が見えなくなりそうだ。
「結構、難しいわね」
それなら、直接、杯は見ないで、今は、女神像の身体の変化を見てみるほうがいいかも。
「よし、そうしよう」
女神像のひざ元にしゃがみ込み、下腹部を手で触る。
「まだ、温かいわ……」
一瞬、真上を見上げる。光が揺れた!
「来るわっ!」
女神像のお腹の下に集中する。次の瞬間、明るい光が輝いた。
杯に入った!
その時、女神像のお腹の下も、一瞬、光が強くなる。
「あっ、ちょっと熱くなった!」
光の雫が、杯に入った瞬間に、女神像のお腹の辺りも光が強くなり、それと同時に、その場所が熱くなった。
「う~ん。やっぱり、杯かぁ……。婚姻儀礼、聖水婚の儀……だよね……。聖水婚……。聖水との婚姻? 天井から落ちてくるのは聖水よね。それなら、女神の持つ杯って何だろう? 何を意味してるんだろう? 婚姻って、結合だから……やっぱり、子宮ってことかな? 精霊の力も子宮に宿すんだからね」
女神像の持つ杯が、子宮を象徴するものなら、さっきの女神像の反応とも辻褄が合う。杯と子宮は同一のもので、それで、両方、光ってる……。
「なるほど……それなら……」
今、私の身体で出来ることと言えば、その方法しか無い。
水の精霊だって、さっきの池で、私の身体になってセルフを……。あの行為は、そういう意味があったんだと思う。
もし、それでダメなら、もう、分かんないわ。ただ、ちょっと勇気がいる。
「でも、やってみる!」
天井には、新しい光が眩しく輝いている。
「ふぅ~」
息を吐き、ドレスのボタンを外した。そして、頭からすっぽりと脱ぎ、丁寧に畳んで床に置いた。何だか、裸になってばっかりだ。洞窟の中とはいえ明るい光の下では、やっぱり、恥ずかしい。
でも、女神像も裸だから同じね。
「ほら、おっぱいだって、こんなに可愛くて……。フフフッ!」
ホントに、私そのものだ。でも、それは、この像が、エリアでもあるということ……。
「私の片割れなんだよね。エリア……」
最初の洞窟でのことを思い出してしまった。
早く、エリアに会いたい……。
「あなたは……エリアなの? なんてね」
女神像に声を掛けて、そっと、右頬にキスをした。
「愛してるわ……エリア……」
自分のお腹の下に手を当てた。少し温かい気がする。実は、アスモさんに触られてから、ずっと、その辺りがジンジンとしている。気持ちを逸らしているけれど、気を抜くと、感情が昂ってしまいそうになる。
その時、光が揺れた!
「もう、落ちるわ」
杯の上に手を翳し、準備する。そして。
「あっ、落ちたっ!」
光の雫は、滴り落ち、まっすぐ手の中に入った。
眩しい光。でも、目を閉じているから大丈夫。
光は消滅し、手の中には水玉が入っている。
「エリア……見ていてね。私もあなたと同じように、精霊の水を受け入れるわ」
水玉を零してしまわないように、注意深く胸元に寄せた。
これが、聖水……。
そっと、床に腰を下ろし、足を延ばして座る。
「ヒャッ!」
お尻が冷たい! でも、水は零さないように注意している。
「じゃぁ、始めよう」
両手を、おへその下に着けた。
「水の精霊よ、あなたを、私の体内に受け入れます」
そう言って、丁度、子宮の上あたりに、水玉を触れさせる。下に零れないよう、丁寧に手を重ねた。
これで、お腹に浸透していくかも……。
「あれ?」
しかし、しばらく待っていても、何も起こらない。
「やっぱり、これではダメなのかな?」
直接、子宮に入るようにしないといけないのかもしれない。
「でも、流石にそれは……いいえ、やらなきゃ!」
そして、手を下にずらし、太ももの付け根で止める。
「これならどう……?」
もう、この方法しか考えられない。そうして、水玉をそこに零した。少しの間、その場所に留まった水玉は、段々と、三角の隙間に浸透して行く。内ももには力を入れているけれど、隙間があるから、下に零れ落ちるかもしれない。
「でも、少しくらい入るかも……。何か、感じるかな?」
う〜ん、ちょっと、分かりにくい。
水は殆ど隙間から無くなった。よく考えると、この方法は、明らかに重力に反する方法だ。水玉に意思があって勝手に動いたりしない限り、下に流れ落ちてしまう。
「そうだよね……」
勝手に入っていくわけないか。何となくまとまっている水だけど、スライムみたいに動く訳じゃないんだから。
「自分の指で促してみる?」
でも、そんなの出来るかな?
指をその場所に差し込もうとしても、聖水は、全部、流れ落ちてしまった後だ。
「う〜ん。ダメだ!」
こんな事しても、上手くいく訳ない。こんな方法じゃないっ!
何だか、自分のしていることが情けなくなっちゃって、涙が出そう……。
「こんなの……無理だよ……」
悲しい……。もう、どうしたらいいのか分からない。
…………。
しかし、その時、突然、頭の上から声がした!
「よく頑張りましたね。エリアさん」
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エリアと青い雫(イメージ図)
AI生成画像
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