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トラウマ女神のやり直し〜 隷属の女神の伝説/王国編〜 ♡♡♡TSして最強美少女になったはいいけど、心まで女になるなんて聞いてない!♡♡♡  作者: トンブタ
第8章 水の精霊のイニシエーション

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153-8-20_猫族の姉妹(挿絵あり)

 これくらい脅してもいいはずよ。この人たちは奴隷狩りの仲間なんだから。もちろん、人殺しする気なんて、さらさらないんだけど。


 しかし、老婆は、少し慌てている様だ。


「ちょ、ちょっとお待ちくだされ。乙女戦士様、ま、魔法は、クータム以外、誰も使えんのじゃ。ワシらも、この子たちの魔法を解除したいと思うておるが、出来ませんのじゃ。す、少し落ち着いて下され。ワシらに弁解をさせて下さらんか?」


「弁解?」


「は、はい。この獣人の娘たちのことも、クータムが乱暴を働きよることも、それなりの理由がありましてのう……」


 言い訳ね。そんなの聞く必要も無いけど。


 でも、さっきから何かおかしい。猫耳の姉の態度と言い、妹の無邪気な顔といい、この子たちは、攫われていたような雰囲気ではない。


 う〜ん……。


 腕を組んで考える。


 このラケルタ人たちは、誰かに脅されて人攫いをしていたんじゃなかったの? 私、何か勘違いしてる? いや、でも、隷属魔法を使っていたんだし、情けをかけるなんて必要ない。やっぱり、話なんて聞かなくてもいいわ。


 ……でもね。


 猫耳少女の姉の顔を見る。彼女は、老婆に身を寄せるようにして隣に座っている。


 この子は、ラケルタ人を恨んでないのかな?


 頭ではラケルタ人なんて、放っておけばいいと思うんだけど、何か心が引っ掛かる。


 仕方ない。弁解とやらを聞いてみるか……。


「分かったわ。それなら、弁解してみなさい。但し、だからと言って、あなた達の事情がどうあれ、この子たちにしようとした行為は消えないわ」


「ん? も、もちろんでございます。償いは必ずいたしますじゃ。では、ここではなんですので、そこの台座にお掛けくだされ」


 そう言って、老婆は奥の方を指さした。すると、そこには、平らになった岩の上に、座るには丁度良い四角い石が一つ、据えてある。


 あれのことね。


 彼女の言うとおり、その石の上に腰掛けた。すると、老婆と獣人の姉妹、そして、他のラケルタ人たちが、平らになった岩の手前に整列して膝まづき、首を垂れた。


 何? この石って、族長が座る椅子じゃないの? なんだか居心地が悪いわね。


 目の前の老婆が、顔を上げた。


「乙女戦士様。実は、この獣人族の姉妹は、ワシらが人攫いをした訳ではござらんのです。ワシらラケルタ人は、クロック人どもに脅されておりましてな。この娘たちは、奴らが連れてきたのですじゃ……」 


 老婆の話では、数日前、ワニ族であるクロック人がやってきて、奴隷の世話をするように言ってきたらしい。それとともに、彼らは、ラケルタ人にも奴隷狩りをするように言って、奴隷を増やすように脅してきたそうだ。


「適当に言ってるんじゃないでしょうね!」


「ほ、本当でございます!」


 猫耳の彼女も、偽りのない目で頷いた。


「まぁ、いいわ。続けて」


「は、はい。奴らは、強力な魔獣を従えておりましてな、彼らの言う通りにせねば、皆殺しにすると言いおった。ワシらはラケルタ人の中でも、一番、ひ弱な部類のカナヘビ族じゃ。とてもとても、クロック人とやり合う力はござらん。それをいいことに、ワシらにとっての最後の隠れ家じゃったこの場所を、奴隷の集積地にしようと考えておるようでな。どうも、奴らは、若い娘の奴隷を集めておるようじゃった……」


 老婆は、ここのラケルタ人たちは、強い部族に追われるようにして移動を繰り返し、この洞窟にたどり着いたと言った。しかし、ここもクロック人に見つかってしまい、脅されているらしい。そして、クロック人は、彼らに定期的に若い娘奴隷を差し出すように言って帰って行ったそうだ。


「その、最初の期日が明日なのじゃ。明日までに三人の娘を奴隷として奴らに差し出さねばならん。彼らが連れてきたこの姉妹を別にしてのぅ」


「じゃぁ、全部で五人ってこと? 今、何人いるの?」


「乙女戦士様しか……」


「私? 私を頭数に入れるって、何ていい根性してるのよっ!」


「ス、スミマセぬ……」


 ムゥ、それでも差し出す奴隷が集まらないから、それで、あの男は、明日、皆殺しになるって言ってたんだわ。やっぱり、酷い! 私を奴隷にしようとしてたんだから! それにしても、何で私、こんなトラブルに巻き込まれるんだろう。今は、イニシエーション中なのに……。もしかして、これも、イニシエーションの一環なの? そういえば、試練があるって言ってたわね。これって、試練? でも、どういう……?


「あなた、族長よね?」


「はい。カナヘビ種族の族長をしておる、ウェンネといいますじゃ」


「じゃぁ、ウェンネさん。さっき、あなたの命と引き換えに、罪を赦してほしいと言ったけど、私が赦したところで、明日にはみんな皆殺しに遭うんじゃ意味ないんじゃない? あなたが今死んでも、何の解決にもならないわ」


「ううっ、それはそうなのじゃが……」


 ウェンネは下を向いた。しかし、また上目遣いになって言った。


「まずは、乙女戦士様のお怒りを鎮めんと、話が、前に進まんでのぅ……」


「その後はどうするのよ?」


「ワシらの内から、奴隷になるものを選ぶしかないわのぅ。ほんで、この子達は、戦士様が逃してやってもらえんじゃろうか? 頭数さえ揃えば、ワシらも、何人かは生き残ることが出来るかもしれん。まぁ、皆殺しの方が可能性は高いがのぅ」


 彼女はそう言って、猫族の少女達の背中に手をやった。


 でも、この族長の人、初めからそうしようと考えていたんじゃないでしょ、絶対。あのクータムとかいう男が、私に負けちゃったから、そう言ってるだけなんじゃないの? もし、私が来なかったら、この子たちを差し出していたに違いないわ。それに、この族長、あんまり深刻さが無いんだけど、反省してないんじゃないの?


 しかし、やはり、獣人少女たちの態度が矛盾している。


 何が本当なんだか、分かんなくなってきちゃったわね。ホントにもうっ!


 腕を組んで考える。すると、群れの中ほどで肩を寄せて座っている、若いラケルタ人の女の子が、口に手を当てて泣き出した。それを聞いて、ウェンネが振り返り彼女を窘めた。


「泣くでない。助けがない限り今日か明日か、遅かれ早かれワシら一族は全滅じゃ。奴隷になる者の方が長生きできて良かろうが。どうせ全滅なら、奴らより、乙女戦士様に殺される方が、気分がええわいのぅ」


 他にもすすり泣いている者もいる。周りのラケルタ人たちも、みんな生きる気力を無くしている。猫耳の姉も悲しい目でこちらを見つめた。しかし、何だか、私が、ラケルタ人たちの命運を握っているような雰囲気になってきた。


 ちょっと、何? 私の方が悪い人みたいじゃない。意味が分からないわよ!


 何だか納得がいかない。


 何でこうなっちゃうのかな? う~ん。でも、とりあえず、獣人の子からも事情を聞かないと分からないわね。


「誰か、クータムっていう男を起こしてきてちょうだい」


 そして、若い男二人を外に行かせた。しばらくして、クータムが両腕を支えられ、連れてこられた。彼は、口から血を流し、尻尾の先がちょん切れていて、一人で立つこともできず、満身創痍の状態だ。クータムは、ウェンネの横に腰を下ろし、若いラケルタ人の二人が彼が倒れないようそのまま脇で支えている。そして、彼は、何とか顔を上げ口を開いた。


「あ、あんた。強えぇな。ヘヘッ」


「クータム、ちゃんと頭を下げんかっ! 馬鹿もんがッ!」


 ウェンネは、クータムを窘めて、彼の代わりに頭を下げた。


「クータム、あんた、魔法を使えるんでしょ? この子たちの首輪の魔法を解除しなさい」


 そう言うと、クータムが虚ろな目つきで言った。


「へへッ、さっきも言ったろ。……それは出来ねぇ。知らねぇんだ。ハァッ、ハァッ……奴らは、何種類かの魔石を置いて行きやがったんだが、やり方は、さっきのあの魔法しか教えられてねぇ。ふぅ〜。……コ、コイツらの首輪だけは、は、外してやったんだがヨ……」


 クータムは、時々息継ぎをした。そして、猫耳少女の妹に向かって言った。


「さっきは、すまなかったな。……あんな魔法とは……知らなかったんでヨ。もう……あんなもん……二度と、……使わねぇ」


「今さら、よく言うわ」


「ヘヘッ」


 クータムは言い訳をせず、気の抜けた笑いで返事をした。すると、猫耳少女の妹が目の前にやってきた。


「ん? どうしたの?」


 そして、女の子は手を取り、ニッコリと笑って首を振った。


 なんだか、心を読まれたみたいね。この子、クータムを庇ってるのね。あんなに苦しい思いをさせられたのに……。


「兎に角、魔法は、私が教えてあげるから、その子たちを話せるようにしてちょうだい」


 そうして、沈黙の解除魔法、アポロ―ジャを彼に伝えると、クータムは、早速、魔法を使って、彼女たちの沈黙を解除した。


「どう? 話せる?」


「ん、んんっ、ああっ、は、話せます! あ、ありがとうございます! ……ううっ……ううううっ……うわぁ~~~~ん……うわぁ~~~~ん」


 彼女は妹を抱き寄せ、大声で泣き出した。奴隷にされてから、ずっと辛い思いをしてきたのだろう。彼女は、やっと泣き声を出せるようになって、溜まっていた気持ちを吐き出すように泣いた。


「お姉ちゃん、痛いよ!」


 一方、妹は、泣く様子もなく元気そうだ。彼女たちが落ち着くのを待って、話しかけた。


「あなたたち、お名前は?」


 姉の方が答えた。


「はい。私は、獣人の郷に住む猫族のソマリと申します。そして、妹のシャルです」


ーーーー

挿絵(By みてみん)

これくらい脅してもいいはずよ。

AI生成画像

「面白いかも!」


「続きが気になるぞ!」


「この後どうなるのっ……!」


と思ったら


下の ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願い申し上げます。


面白かったら星5つ、つまらない時は星1つ、正直に感じたお気持ちで、もちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当に励みになります。


重ねて、何卒よろしくお願い申し上げます。

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