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私はあなたの何番目ですか?  作者: ましろ


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マリア(5)

「マリア様のご家族は本当にお素敵ですね」



お母様は素敵な女性だ。人に媚びず、颯爽と前を向いて。それでいてとても優しい、自慢のお母様。

お父様も素敵よ。元王子様という有り得ない肩書きだけど本当に優秀なの。治療院や研究所の運営もだけれど、福祉事業や平民の識字率を上げるなど様々な取り組みを提案したりと陛下のお気に入りなのだ。

弟のリヒトは生体魔法の才能がある。研究所に入り浸り過ぎて怒られたりとやんちゃはするけれど、明るい笑顔で皆を勇気付ける。


──じゃあ、私は?


皆が言う。似てないね、どうして一人だけ髪色が違うの。生体魔法の権威なのにその程度?じゃあ、何なら得意なの?


うん。みんなの気持ちは良く分かるの。だって私には何も無いから。もっと皆みたいに特別な何かがあればよかったのに。



「マリア?」

「……申し訳ありません。少し考え事を」

「ようするに、一人では無く何人もの人間に侮辱されたということだね?」


お父様が怖い!

ぷるぷると涙目になってしまう。


「ごめんね、マリアに怒っているワケではないんだ。ただ、マリアは私達の宝物だからね。そんな大切なものを傷付けられたら怒ってもいいでしょう?」

「……侮辱されたわけではありません。皆様は事実を仰っただけです。私だけ色味が違うのは本当ですし、生体魔法もリヒトより下手くそです。頭だってお父様の様に飛び抜けていいわけでもありません。

ね?本当のことばかりでしょう?」


駄目ね、お父様にこんなに心配を掛けるなんて。自慢の家族だもの。褒めてもらえて喜ばなきゃ。


「それを言ったら、ルシアはマリアよりマナーがダメだし、リヒトは学園での成績はマリアに負けてる。私はマリアみたいに皆には優しくない。

ただねぇ、うちの家族は個性が強いから。だから悪目立ちしているだけだ。

マリアの良さはその髪色みたいだよね。ふんわりと控えめで優しい。バランサーかな。何かに突出しているのではなくて、何事もバランス良くこなせるし、周囲も見えてる。自分が前に立つんじゃなくて、皆のフォローをする方が得意。それって凄い才能じゃないか」


……そんなこと初めて言われた。私にそんな才能なんてあったかな?


「マリア」

「はい!」


お父様に言われた事が嬉しくて、でもくすぐったい様なむず痒いような、とあわあわしていると、突然ダミアン様が真剣な顔で私の名前を呼んだ。


「私はね。マリアの好きな所なんて1時間以上語れるのだけれど」

「えっ?!」


何?何を1時間以上語るって?!


「でも一番はね、マリアといるとすごく落ち着く。ホッと出来るんだ。マリアといると優しい気持ちになる。君はそんな素敵な女性だよ」


~っ、お父様達の前で告白っぽいのは止めて!!


「ダミアンは私の前で勇気があるね?」

「もちろん。貴方を怖がっていたらマリアの隣には立てないでしょう?」

「ふふっ、いいね。そういう生意気さは好きだよ。さて、これでマリアにも伝わったかな?

マリアはどこに出しても恥ずかしくない素敵な女の子だよ」


信じてもいいのかな。でも、お父様達は本当にそう思ってくれてるのは伝わった。だったらそれで十分だわ。大切な人達が素敵だと褒めてくれる。こんなに嬉しいことはないもの。


「嫌がらせしてきた奴らは、どうせオルティスを妬んでるか羨んでるかの低俗な輩だから無視して。気になるなら排除するから」

「私も協力しますね」

「……なんだか二人共ずいぶんお腹が真っ黒になったんだね」


仲間!だよね、こんなだっけ?こんなに怖かったっけ?!まさかの兄様が仲間だった!


「でも確かに。僕自身大いに反省してるけど。まったくの外野が適当なことを言ってマリアを傷付けるのは許せないな」


仲間が消えた!でも……、


「ふふ、ありがとうございます。なんだか初めてだわ。まるでモテモテの女の子みたい」

「え、マリアは普段からモテるでしょ?」

「兄様は意地悪ね。私は全然人気なんて無いわ。学園でも声なんか掛けられないし、13歳にもなって婚約の申し込みすら無いんだから」


そうなのよ。私は本当にモテない。リヒトにすら婚約の申し込みがあったのに!

学園でも挨拶くらいはするけど、仲の良い男友達は一人もいない。だからよっぽど私が駄目なのだと思っていた。


「……すまない。それは私のせいだ……」

「ダミアン様?」

「ああ、皆マリアはダミアンの婚約者候補だと思ってるんだよ」

「えっ?!」

「虫除けにちょうど良いからそのままにしてあるんだ」

「あの、ごめんね?」


何それ。私の悩みまくったこの5年は何だったの?全部全部ここにいる3人のせいじゃない。


「……しばらく三人とは口利かない」

「「「えっ?!」」」


その後、皆が必死に謝るのがおかしくて、結局はすぐに許してしまった。

だってグルグル一人で勝手に悩んでいただけの私が悪いもの。素直に子供らしく聞けばよかった。私のことが好き?って。

……恥ずかしいからやっぱり無理かもしれない。


でも、王位継承問題という大変なことに巻き込まれかけているのに、こんなにのん気でいいのかしら?


でも……悪いことは起こらない気がするわ。






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