表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はあなたの何番目ですか?  作者: ましろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/88

73.二度目の恋

「よし、そろそろ休憩しよう」


だから、なぜいつも貴方が仕切るの兄様。


「あの?オルティス…」

「はいはい。ここにいるの全部オルティスだから。面倒だから名前でどうぞ」

「ですが」

「俺はミゲル、あとは知ってるな。アルフォンソとルシアだ。で?」


ここまで自分の考えを押し通す人に出会ったことは無いであろうイメルダ様が少しだけ言い淀む。


「……ミゲル様、私はまだルシア様の提案に対して答えを提示しておりません」

「知ってるよ。けどな、そんなにすぐに答えられる話じゃないのは分かってる。返事なんてどうせ少し時間が欲しいとかだろ?」


何故だろう。兄様がいじめっ子に見えてしまうわ。


「はい、その通りです。ですが、相手に理解を得られるかどうかは自己判断してはいけないでしょう?」

「なんだ、ちゃんと自分の意見を言えるじゃないか」


兄様の言葉に少し驚いている。


「大変失礼いたしました」

「失礼じゃない。少なくとも俺達はその方がいい。

で、質問の答えは明日までの宿題な。

今から夫人はルシアと一緒に休憩だ。妊婦同士だし、そいつはマリアを産んだ先輩だ。色々と教えてもらうといい。

で、リカルドは俺達と来い。とりあえず説教だ。あと、ラファはどうする?」

「僕はマリアとお庭で遊んでもいい?」

「ありがとう。じゃあ、お願いしてもいいかしら。ずっと馬車の中だったから喜ぶわ。

イメルダ様、どなたか付き添いをお願いできるかしら」


私が妊娠していることを知らなかったイメルダ様はとても驚いて、そんな体で来てくださるなんてと大慌てで、さっきまでの落ち着いた雰囲気よりもなんだか可愛らしかった。




「ルシア様、本当にお体は大丈夫ですか?」

「もちろん。心配させてごめんなさい」


今は二人でお茶会中。

家から持って来た数種類のお茶をお試ししているのだ。


「こちらのお茶はさっぱりしていて飲みやすいです。色も綺麗ですね」

「これはローズヒップよ」

「ルシア様は何がお好きでした?」

「私はジンジャーティーかな。あとはひたすら炭酸水で生きたわ」


それ以外にも食べ物とかの話に花が咲く。同じ苦しみを経験すると仲間意識が芽生えるものだ。


「ルシア様みたいなお姉様が欲しかったわ」

「あら嬉しい。私も粗暴な兄しかいないもの」

「そうですか?ミゲル様は無駄な言葉が無くてとても分かりやすいです。あと、お優しいですし」


なんていい子なの。惜しいわ、どうして人妻なのよ。未婚なら連れて帰っちゃうのに。


「イメルダ様は兄様がタイプですか?」

「えっ?タイプとは、その……」

「私の初恋は騎士を目指す男の子でしたよ」


こちらが言えば答えなくてはいけない気分になるのが人というもの。イメルダ様は律儀だから絶対に教えてくれる気がする!


「初恋……あの、笑わないで下さいますか?」

「もちろんよ」


よし、来た!


「私の初恋はリカルド様でした」

「……………えっ?!」

「お会いした時に、最初は外見が素敵な人だなと思いました。それに、何よりもとてもお優しくて。

私はデビュタントもまだで、男性と会話をする事も少なかったので、ちょっと優しくされただけで舞い上がってしまったのです。

……馬鹿みたいですよね」


おいおいおい、リカルド様の馬鹿!

乙女の淡い初恋を踏みにじっちゃったの!?


「馬鹿なわけ無いでしょう。自分の気持ちをそんな風に言っては駄目よ」

「……でも……リカルド様はルシア様のことがお好きでしょう?

……ごめんなさい。噂話を聞いてしまいました」


なんてこと……誰よ、迂闊にそんな話を聞かせたのは。


「イメルダ様。では、私の恋と失恋のお話も聞いてくださいますか?」


それから私はセシリオとの恋の話をした。

いまではすっかり風化して怒りはないけれど、語ってみるとなかなかに酷い話だと思う。


「どうです?私の恋もかなりみっともないでしょう」

「そんなことありません。ルシア様はその方を真剣に愛されたのです。それをみっともないだなんて思うはずがありません」


少し怒っているのが分かる。本当にいい子だ。


「そうですね。浮気されて別れることにはなったけど、楽しかったことや嬉しかったことは本当なんです。あの頃があるから今があるんです。

だから、イメルダ様も初恋の喜びを忘れないで大切にしてあげて?」

「……やっぱりルシア様がお姉様ならよかった。こうして、ずっとずっと側にいてくれたらいいのに」

「嬉しいわ。私もどうにかしてお持ち帰りしたい気分です」


イメルダ様は強い。泣き言を言ってはいても涙は流さない。そんな彼女を泣かせてあげられたラファは凄い。


「イメルダ様、貴女にとってラファはどんな存在ですか?」


こんなに傷付いているのに、唯一の味方だと感じているラファを連れて行く私達は、彼女から見たらどう感じるのだろう。


「……ラファエル様は不思議なんです。幼いのに大人で、小さいのに大きくて。

最初は天使みたいだって思っていました。私が辛い時、いつも側にいてくれる優しい天使様。

……でも、もう手を離さなくてはいけませんね。私はリカルド様の妻で、この子の母で。

これは自分で選んだ道です。アルフォンソ様に褒めていただいた覚悟ですもの」

「そう。イメルダ様は本当にお強いわ」

「ふふっ、そう言ってもらえて嬉しい。

ルシア様のおかげで気持ちに区切りがつけられました。私は()()()()()を大切な思い出にして、これからはこの子の母として頑張ります。


ルシア様、これは秘密の告白ですよ」


イメルダ様は、ソッと顔を寄せ、私の耳元で囁いた。



『ラファエル様はきっと私の2度目の恋でした』



「そう。やっぱりラファは凄い子だわ」


とても綺麗な笑顔。この笑顔を見たらもう何も言えない。


これはリカルド様が大変ね。


イメルダ様は乗り越えてしまった。

そして再び覚悟を決めた。


こんな素敵な女性を振り向かせるのは大変だろう。それに今はもう母親モード。

しばらくは恋などいらない無敵状態かもね。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ラファがいい男すぎて心配!いいお嫁さん来るといいなぁ。
 次は説教回かな。本当に反省して欲しいな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ