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私はあなたの何番目ですか?  作者: ましろ


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65.天使の恋(ラファエル)

大好きなるーちゃんが大好きなアルと一緒に行っちゃった。


ひとりぼっちは寂しい。リィも帰って来ない。

父様や母様みたいに二度と帰って来ないんじゃないかって怖くなる。

待って待って……もう無理ってなりそうな頃にやっとリィが帰ってきた。遅いよっ!て文句を言いながらいっぱい泣いた。

やっと落ち着いて……リィの隣に女の子がいることに気が付いた。

ルーちゃんとは違う、でもとっても綺麗な人。

薄茶のサラサラの髪に湖みたいな目だ。


「ラファエル様、はじめまして。イメルダと申します。よろしくお願い致します」


大人にするのと同じ挨拶をしてくれて嬉しかった。ルーちゃんみたいに大好き!って思ってくれているのが分かるのはうれしくて好き。でもイメルダの挨拶も好きだなって思ったんだ。



戻ってからもリィは凄く忙しそう。

英雄になっちゃったからかな。少し寂しい。


「イメルダ嬢、なかなかお相手が出来ず申し訳ないな」

「いえ。何かお手伝い出来る事はありませんか?」

「大丈夫だ。貴方はここでの暮らしに慣れていないだろう?慌てなくてもいい。ゆっくりとしていてくれ」

「……分かりました」


イメルダも置いてきぼり。僕と一緒だね。


「イメルダ、お散歩しよ?とっておきの秘密の場所教えてあげる」

「ありがとうございます、ラファエル様」


一緒に手を繋いで歩く。寂しい?って聞くと、いいえと言われる。

おんなじだね、僕もさっきまでは寂しかったけど、今はイメルダが一緒だから寂しくなくなった。そう伝えると少しだけ笑った。

イメルダはいつも綺麗だけど、今みたいに笑うともっと可愛い、そう思ったからそのまま言葉にする。


「ラファエル様は将来悪い男になりそうですね」


ちょっとショックだった。



1年の間に僕とイメルダはとても仲良くなった。大好きになった。だけどすっかり忘れてたんだ。


イメルダはリィと結婚した。


僕のイメルダじゃない。リィのお嫁さんだった。


白いドレスのイメルダは凄く綺麗。

でも僕の大好きな笑顔じゃない。どうして?


王都の館に泊まる。

メイド達の噂話を聞いた。今日は『しょや』で、それで本当の奥様になるんだって。

そっか。まだ本当じゃないから笑わなかったんだ!

じゃあ、明日になれば笑顔になるんだよね?

楽しみだな。


お昼寝のし過ぎかな。目が覚めてしまった。


あれ、廊下を歩く音がする。

そうっとドアを開ける。

リィだ。どうしてお部屋から出て行っちゃったの?

もしかして『しょや』が終わったの?じゃあイメルダはあの、可愛い笑顔かな。

ソワソワする。会いに行ってもいいかな。ちょっとならいいかな?

そっとお部屋から出る。


コンコンコンッ。イメルダ起きてる?


しばらく待つとドアが開いた。イメルダが……泣いていた。どうして?!


「どしたの、リィがいじめたの?」

「……違います」

「泣いてるのどうして?」

「私が子供で役に立たないからですよ」


ポロポロと涙が溢れる。

僕の小さい手じゃ何も出来ない。だって僕も役に立たない子供だから。


「おんなじだね。僕も子供だよ」

「ふふっ、ありがとうございます。ラファエル様がいてくれてよかったわ」


そう言って笑ってくれた顔は可愛いけど寂しそうだった。


いらないなら僕にくれたらいいのに。

大事にしないなら僕にちょうだい。


「仕方がないのです。ラファエル様も赤児に愛は囁けないでしょう?それと同じことなのですよ」

「分かんない。本当に好きなら赤ちゃんでも僕は大切にするよ」

「……ありがとうございます。やっぱり、ラファエル様がいてくださって嬉しいです。感謝します」


それからずっと僕はイメルダの味方なんだ。

何があっても絶対に。


イメルダが18歳になった。ようやく本当にリイの奥さんになれる。


「嬉しい?」

「どうでしょう。子供だからと言われていた頃と何が変わったのか分かりませんもの」

「とっても綺麗になったよ」

「……困った方ですね。そんな貴方様に私はいつも救われてきました。

ラファエル様が子供でいてくださってよかったわ」


イメルダがとても綺麗な笑顔を僕にくれた。


でも僕は、イメルダの言っている意味がまったく分からなかった。

ただ、子供扱いされて悲しいのとは違う。よく分からないけど、もっと悲しい気持ちになった。


ただ1つだけ分かった。僕は失恋したんだ。



しばらくして、イメルダに赤ちゃんが出来た。

リィは喜んだけど、体を大切にって言う。

赤ちゃんがいるのだからもっと暖かい服装を。

赤ちゃんがいるのだからもっと食べないと。

赤ちゃんがいるのだから転んだら大変だ。


たくさんの『赤ちゃんがいるのだから』を繰り返す。


そうやってイメルダを追い詰めていることに気づかないのはどうして?


でも、僕は教えてあげない。

だって僕が教えても意味がないから。


僕は今まで通り()()()()を大切にする。


リィは馬鹿だ。大切にする方法を間違えてるってどうして気付かないのかな。


仕方がないから少しだけ。



「アルに会いたい」



わがままをひとつ。


「イメルダ、ちょっとの間リィを離してあげるね」

「……ありがとうございます。本当にありがとうございます……」


泣かないで、イメルダ。ちゃんとリィを叱ってもらうから。



でもね、ピカピカ頭で帰ってきたらごめんね?






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 全身脱毛コース、1名様ご案内ー(黒笑)
ピカピカのツルツルになってしまえー!
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