40触らせます? いいえ、触らせません!
「じゃ、じゃあ、洗いますね?」
俊介は震える手で、そっとましろの乳房に触れた。
「ひゃん!」
それだけなのに、ましろは敏感な喘ぎ声を漏らす。こんな姿は、とてもじゃないが他の妹達には見せられないと俊介は焦った。
焦りつつも、ましろの体を撫でる。
「あん!」
ましろは、俊介が指先を動かすごとに甲高い声を発した。そのたびに小さな胸がプルンと揺れて、俊介は目のやり場に困ってしまう。
「ま、ましろさん。あんまり声を上げないでください」
「だってー。にーにーのおてて、きもちいーんだもん」
そんなこんなで。
「念入りに胸を揉みしだいて欲しい」というましろのリクエストに、見事俊介は応えた。途中誤ってピンク色の突起物に触れてしまい、ましろが一際大きなよがり声を発した時には、流石に肝を潰したが。自分の爪が当たって痛かったのか、それとも性的興奮から発した嬌声なのか……。前者だと俊介は信じたかった。
そして、やっとのことで胸部を洗い終えると、
「にーにー。下、洗ってないよ?」
ましろが天使のような顔で、死刑判決を下した。
おかしい。俊介は思った。流石に兄妹でお風呂に入って、下半身まで洗ってあげないだろうと。
「あの……すみません。下は、本当にダメです! 勘弁してください!」
「そっかー……」
俊介がブンブン手を振りながら言うと、ましろは悲しそうに目を伏せた。
しかし、ここで怯んではいけない。
心を鬼にしてでも、兄妹間の不純な行為は避けなければ。
「わかったよにーにー。下は、自分で洗うね」
「ましろさん……ごめんなさい」
「ましろの方こそ、ごめんなさい。にーにーの気持ちも考えないで。にーにーがいやなことなら、ましろ、あきらめるね」
潤んだ瞳で言われると、ひしひしと罪悪感がこみ上げてくるが。
「ち、違うんですよ。ちょ、ちょっと……手が疲れてきたみたいで」
「ほんと? にーにー、いやじゃなかったの?」
「そうなんです! 洗いたくても、もう手が動かないんですよ。だから、そういうのはまた今度にしてくれませんか?」
俊介が気まずそうに、上目遣いでましろに提案をした。
するとましろは、パアッと輝くような笑顔で、
「わかったー。今度だね? にーにー、ぜったいだよ! うそついたらダメだからね?」
「あはは。大丈夫ですよ」
「うそついたら、はり千本のますからね!」
「あ、あはは……。だ、大丈夫ですよ」
ハハハ、と俊介は乾いた笑いを浮かべる。
もちろん後日というのはただの社交辞令で、ましろとは出来るだけお風呂に入らないようにするつもりだが。
まさか本当に針千本飲ませてきたりはしまい。
それより前にましろには常識を叩き込むつもりだ。
「じゃーこんどは、にーにーのからだ、洗うねー」
自分の体を流し終えたましろがニッコリ笑って言う。
「ああ、はい。ありがとうございます。僕は普通にスポンジでいいですからね。くれぐれも、手で洗ったりはしないように」
と、釘を刺す俊介であった。
というより先に言っておかないと、ましろは何を言い出すか分からない。
「わかったー。ところで、にーにー。『それ』、なに?」
「へ? ……『それ』って?」
俊介は嫌な予感がしながらも聞き返した。
何せ、ましろの視線は俊介の股間に注がれていたのだ。手で押さえても、横からジロジロと見ようとする。ましろは俊介の股間に興味津々なのだ。
「にーにーのおまたに、ゾウさんついてるよ? パパにもついてるのに、どーしてましろにはついてないの?」
「あ、当たり前でしょう。ましろさんは、女の子なんですから……」
「ましろ、にーにーのゾウさん、もっと見たい。ねぇ、さわっちゃダメ?」
「ダメです! 絶対にダメです!」
悪夢だ……。
いや、むしろ夢であってほしいと俊介は願った。
その後も、ましろはしきりに俊介の「ゾウさん」に手を伸ばそうとして、俊介はそれを防ぐという一進一退の攻防が繰り広げられた。そんなやり取りが数分間行われたあと、ようやく俊介は、ましろを諦めさせることに成功した。
そして、ましろとお風呂に入ることはもう止めにしようと、俊介は固く心に誓うのであった。




