24許す? いいえ、許しません!
「――とまあ、レイラさんの『妹ウオッチ』はこんな感じです」
話し終えた俊介は、ペペロンチーノをすすりながら言った。もう半分以上は食べている。最初は無理かと思ったが、しつこくなく、むしろ癖になる美味しさなので、この分なら全部食べきれそうだ。
「うーん、1つ聞きたいことがあるんだけど」
同じくいちごパフェのいちごを口に入れながら、恋華は言った。
「はい、何でしょうか」
「何でレイラちゃんにキスしようとしたの? ていうか、しちゃってるじゃん」
恋華はジト目で、俊介を睨みつけた。
「違いますよ。別にそれは、性的な意味じゃなくてですね……」
「キスに性的も家庭的もないと思うけどなあ! 俊介君、私にはキスどころか、手さえ繋いでくれないっていうのに!」
俊介の弁解に、ぷんぷん怒りながら痛いところを突く恋華であった。
「家にいる時の俊介君って、ケダモノだったんだね。これはもう、去勢するしか……」
「だから、去勢はやめてくださいよ。僕はケダモノじゃありません。欧米では、家族同士でハグをしたり、手にキスしたりは挨拶みたいなものだそうですよ。それと同じことです。レイラさんだって、風邪で弱ってるからああいうことを言い出しただけでしょう。他意はありません」
そう釈明はするが、実の所かなりドキドキしていたのだ。レイラがあのまま起きていたら、いくところまでいっていたかもしれない。まあ、たらればの話だが。
「うん、そうか。他意はないのか。ならば、許そう」
そう言いながらも、
「ふぇんふぇんふゅるひてふぁいひゃないふぇふふぁ!(全然許してないじゃないですか!)」
恋華は俊介の頬を両手の指で思い切り引っ張っていた。
しばらくそんな感じで、恋華が俊介にお仕置きしていた時だった。
お盆にコップを2つ乗せた奏がやってきて、
「せんぱ~い。お水お持ちしました……ですう!?」
「ひゃあ、ほうほ(ああ、どうも)」
「先輩の顔が、とんでもないことになってるですうううううううう!」
奏は思わず叫んだ。普段クールそうにしてる俊介が、ほっぺをつねられ大口を開け、涙目になっているのだから、当然といえば当然だが。
「あ、奏ちゃん、ちょうどいいところにきた!」
「ふえ? わ、私、ちょうどいいところにきたですか……?」
きょとんとしながら聞き返す奏に向かって恋華は、
「俊介君がね。奏ちゃんの持ってくるパスタが気に入ったみたい。だから、今度はカルボナーラを持ってきてくれる? もちろん、大盛りでね!」




