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11過剰? いいえ、用意周到です!

 水着姿の和姫が、俊介の目の前に立っている。

 しかも申し訳程度に胸を隠してる、超マイクロビキニ。豊満な双乳を包む黒のトップ、なだらかでホッソリとした腰のくびれから、肉付きのいい下半身を包む黒のボトム。それらはある意味裸よりもいやらしかった。


 俊介は面食らっていた。少し見ない内に、こんなに成長していたとは。

 無言で戸惑う俊介を尻目に、和姫はゆっくりと歩を進める。


 ――そして、俊介の目の前に立った。

 改めて近くで見ると、犯罪的なほど淫猥だった。はち切れんばかりに大きく盛り上がった乳房は、覆っている紐など、たやすく弾いてしまいそうで……。


「な、何してるんですか? 和姫さん」


「……何、と言いますと?」


 俊介の問いに、和姫は首を傾げながら答えた。その瞬間、プルンとたわわな果実が揺れる。俊介は、なるべくその物体から目線を逸らし、顔を背けながら言った。


「今僕らは、お風呂掃除をしてるんですよね?」


「ええ。ですから、濡れてもいいような格好で」


「いや、だからって、水着姿にならなくてもいいじゃないですか」


「はて? お兄様が何を仰っているのか、よく分かりませんわ♡」


 と、わざとらしく和姫が笑みを浮かべ、とぼける。


「全裸なわけでもありませんのに、何をそんなに慌てているのです?」


「あ、慌てますよ。どこの世界に、水着姿で一緒にお風呂掃除をする兄妹がいるんですか」


 しかも、そんなきわどい水着で。そう言うのは止めておいた。

 意識するとますます……。


「ええ。わたくしは、ふざけているわけではありませんわ。これはいわば、『合理的思考』に基づいての行動なのです」


 和姫はキリッと顔を引き締めながら答えた。


「服を着たままだと、汚れたり濡れたりする可能性が高いので、防水の水着を着てお風呂掃除をする。お兄様だって、ズボンの裾を膝までめくったり、腕まくりしてるではありませんか。それと同じことです」


「それ、完全に水着である必要がないですよね? 別に、短パンでもいいわけですし……」


「いいえ違います。もしお掃除の途中で足を滑らせ、湯船の中で溺死してしまう可能性も、万分の一の確率で有り得ます。そんな時に、『ああ、もし水着を着ていたら溺れ死なずに済んだのに……』と後悔しても遅いのですよ?」


「どんな確率ですか、それ!?」


 と、お決まりのツッコミを入れる俊介を和姫は「まあまあ」となだめ、


「お兄様、わたくし達は時間が惜しいのでは? このままでは、いつまで経っても終わりませんよ? それとも、このまま永遠にわたくしと、お風呂場で押し問答を繰り広げますか? わたくしはそれでも構いませんけど」


「普通の格好でお風呂掃除をするという選択肢はないんですか……?」


「ええ、ありませんわ」


 俊介の意見は聞き入れられなかった。結局、水着姿の和姫と一緒にお風呂掃除をすることになってしまったのである。自分はただ、普通に家事を手伝いたかっただけなのに、どうしてこうなってしまうのだろうか。疑問に思わずにはいられない俊介であった。

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