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47諦める? いいえ、諦めません!

 電話しても繋がらない。

 メールをしても返ってこない。

 何度もしているのに。


 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。


「どうして……? どうして俊介君、私のこと無視するの……?」


 瀬戸内恋華は、自室のベッドの上で、何の返信もない携帯をにぎりしめていた。時刻は既に夜の1時。発信回数は200回を越えていた。メールにいたっては300件以上。ここまできて、恋華はある結論に達した。


 自分は、俊介に嫌われた。

 そして、避けられている。


 しかし、どうしていきなり。

 自分がふざけて暴走したり、冗談を言って俊介を困らせたことは多々あったが。そんなことでキレるほど俊介は大人気無くないし、そもそも俊介自身まんざらではない様子だった。


「でも……だったら何で……?」


 恋華は、1人つぶやいた。

 考えられるのは、妹達が何か裏工作をしたということ。

 特に和姫は、俊介に対する執着心が強い。そして高い知性もある。恋華に対する悪評、あるいは根も葉もない噂話を流すことぐらいは、平気でやるだろう。しかし、俊介がそんな噂を信じるか? 


 1度、その件で俊介と喧嘩したことがある。恋華が男遊びばかりしてるという噂を俊介が信じていたから、恋華は本気で怒った。俊介は謝罪をし、それ以来、自分に対してある程度の信頼を寄せてくれてるものと思っていたが。実際には信頼など何もなかったというのか。


「うっ、うう、そんなの……いやだよぉ……」


 恋華は嗚咽を漏らしながら両手で顔を覆った。

 あるいは学校の連中が、俊介に何か余計なことを言った?

 おおかた、昔フッた誰かが腹いせに「瀬戸内恋華って誰にでも体を許すんだぜ~?」みたいな頭の悪い台詞を吹き込んだのだろう。


 要するに、自分より他の誰かの言葉を信じた?

 そして、自分を捨てる? こんなことで?


 …………。


「うがー! そんなこと、許さなーーーーい!」


 ガバッと恋華はベッドの上から跳ね起きた。

 そして右手を強くにぎりしめると、高く上げた。

 自分は何も悪くない! 悪いのは、人の話も聞かず勝手に勘違いをした俊介だと。


「ふっふっふ。甘いわよ俊介君。私はこんなことぐらいじゃめげない。絶対に仲直りしてみせるんだから。そう、どんな手を使ってもね」


 とにもかくにも、明日俊介と話そう。

 せっかく、また(・・)俊介と会えたというのに。しかも、偽装とはいえ恋人同士になれたのに。こんなことでこの関係を終わらせるなんて、絶対に嫌だった。絶対に諦めない。そして、絶対に俊介に謝らせる。


「見てなさい、俊介君。私を本気にさせたらどうなるか、思い知らせてやるんだから!」


 ――恋華の決意に燃える声が、室内に反響するのであった……。

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