表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/218

22評価? いいえ、高評価です!

 それから数時間後。自室で時間を潰していた俊介達は、和姫にリビングへと呼び戻された。テーブルの上を見ると、皿の上に盛り付けされた2つのハンバーグが湯気を立てていた。どうやら勝負はハンバーグで決めるらしい。

 俊介がテーブルにつくと、レイラ、美鈴、ましろの3人も、それにならってそれぞれの席に座った。


「皆様お集まりのようですので、早速ですが勝負を始めましょうか」


 全員が着席したのを見計らって、和姫が口を開いた。


「ルールは簡単ですわ。どちらの作ったハンバーグがより美味しいか……ただそれだけです。ただ、贔屓だけは止めてくださいね。それは、わたくしに対する侮辱ですので。あくまで公正に、どちらが美味しいと思ったか決めてくださいまし」


 そう言って、和姫は各自の前に皿を並べた。

 和姫が作ったのは和風ハンバーグだった。ジューシーなハンバーグの上に大根おろしが乗って、ポン酢がかけられている。

 付け合せはキノコの甘辛煮。

 和姫らしい、『和』を感じさせるスッキリとしたメニューである。


「さあ。どうぞ召し上がりくださいまし」


「それじゃあ、遠慮なく」


 俊介はまずキノコの甘辛煮から口にした。エリンギ、シメジ、生シイタケ。それらがピリ辛風味で煮付けられているようだ。

 味はもちろん美味しかった。ピリッと程よい唐辛子の辛さが心地よい。


 今度は、和風ハンバーグを口に運ぶ。

 ……これまた絶品だった。


 ジューシーなハンバーグに、大根おろしの相性が抜群だった。肉の旨味とポン酢ソースの酸味が効いて、こってりさを感じさせないサッパリとした仕上がりになっている。和姫が作る料理は和風なのとヘルシーなものが多く、木目細かい工夫がされているので飽きることがない。俊介にとっても親しみ深い味なので、贔屓するつもりがなくてもついしてしまう。


「いかがでしょうか、お兄様。お味のほうは?」


 俊介の表情を察したのか、和姫は満面の笑みを浮かべながら尋ねた。


「お兄様のことを想いながら、心を込めて調理いたしましたわ。お口に合いましたでしょうか?」


「ええ……とっても。この短い間に付け合せまで用意するとは。流石ですね」


「いえいえそんな。せっかく色んな食材を用意したのですから有効活用しないと。ちなみにキノコ類は、全て京都で採れた特産品ですわ。お兄様にお出しするものですから、中途半端なものはご用意できませんでした。食材費の件は大変申し訳ありません。以後気をつけますわ」


「いえいえ、いいんですよ。たまにはこんな豪勢な食事も。僕らも美味しくいただきましたし。和姫さん。いつも我が家の食卓を支えてくれて、本当にありがとうございます」


「お、お兄様ぁ……」


 俊介がねぎらいの言葉をかけると、和姫は目に涙を浮かべた。

 ちなみに、ましろは「おいしー!」と言いながらパクパク食べているし、美鈴も「美味しいよねー」と相槌を打ちながら楽しげにフォークとナイフを動かしている。レイラは無言ではあったが、食べるスピードは誰よりも早い。『和風ハンバーグとキノコの甘辛煮』を作った和姫は、これ以上ない高評価を受けていると言えるだろう。


「さあ……それでは恋華さん。次は貴方の番ですわよ」


 俊介からの賛辞をひとしきり堪能し終えた後、和姫は恋華に話しかけた。

 恋華は俊介をチラッと見ながら、明るく答える。


「うん、いいよ! 見てなさい! 私の料理で、俊介君のハートも胃袋も掴むんだから!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ