表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/218

18知ってます? いいえ、一応です!

 昇降口で下駄箱(げたばこ)を空けた時だった。その人物に話しかけられたのは。


「……ねえ。君、井川君だよね?」


「ああ、はい。そうですけど」


 おそらくは2年の同級生であろう。

 俊介は瞬時に思い出していた。確か、2年B組の内田という男子生徒だ。

 サッカー部に所属していたはずなので、朝練終わりなのだろう。俊介と同じくらい早く学校に来ている。


 まあ、だからといって俊介が話しかけられる理由はどこにもないのだが。


「えっ、どうしたの。僕の顔に何かついてる?」


「いいえ、何でもありません」


 内田に話しかけられ、俊介は首を振りながら上履(うわば)きを()いた。

 別に不快ではないが、接点もない人間から話しかけられるのは好ましくない。


「それよりも。僕に何か用ですか?」


「ああっ、そうだよね。ごめんね、急に話しかけて」


 抑えたつもりだったが、俊介の気まずさを感じ取ったのだろう。内田は一言詫びを入れながら、


「瀬戸内さんのことで、ちょっと話したいことがあったんだけど……まずかった?」


「いえ、いいですよ。どんなことですか?」


 俊介が答えると、内田は何故か神妙な顔で「そう」と頷き、


「一応自己紹介だけしとくけど、僕は2年B組の内田。サッカー部に入ってるよ」


「ああ、はい。知ってますよ」


 本当に、ただぼんやりと覚えてるだけなのだが。それは言わないでおいた。


「それでね。今朝はサッカー部の朝練があったんだけど」


 内田は顔を、苦々しくしかめた。


「3年生の佐々木隼人先輩。知ってるかな?」


 聞かれて、俊介は記憶の糸をさぐった。

 学校1のモテ男だが、俊介にはチャラそうな人だな、という印象しかなかった。長身で、端正な顔立ちで、話し上手で。サッカー部のエース的存在というのも、女子人気に火をつけているのだろう。いつも女子を侍らせているし、チャラ男かギャル男という呼び名がお似合いだ。


 そこまで考えて、俊介はハッとした。

 内田が佐々木のことを話すということは、恋華とも繋がりがあるということだ。

 片や学校1のモテ男。片や学園1のアイドル。となれば、やはり――。


「どうやら、知ってるようだね」


 俊介の表情から考えを読み取ったかのように、内田は語りかけた。


「その通りなんだ。偶然、佐々木先輩が瀬戸内さんに告白してる所を見てね……。瀬戸内さんもまんざらじゃないって感じだった」


 内田の言葉に、俊介は足元がぐらつく気がした。

 しかし何とか踏みとどまって、内田と正面から向かい合った。


「詳しい話を聞かせてください。いや、最後まで聞かせてもらいます」


 偽装だろうが何だろうが関係ない。

 印象最悪な先輩と恋華がどんな会話をしたのか、この内田から全て聞き出してやろうと、俊介は決意していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 胸糞悪いキャラ作り失敗な作品 [一言] これはオススメしない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ