第89話 恐ろしく速いネタバレ
【新バイトは】ケンちゃん食堂part110【なんと田中正憲】
無名の探索者
また新しいバイト入った? なぜか着物姿の古風な美人
無名の探索者
配信見なかったのかよ
無名の探索者
見てない。俺は店派だから配信は見ない
無名の探索者
そんなやつおるんやwww
無名の探索者
アーカイブ見ろよ、マジでビビるでから
無名の探索者
北条政子やで
無名の探索者
ネタバレ草
無名の探索者
恐ろしく速いネタバレ。オレでなきゃ見逃しちゃうね
無名の探索者
いるよな、こういうやつ
無名の探索者
……何言ってるか分からんのだが?
無名の探索者
まぁ分からんよなw
無名の探索者
ニシダのスキルで英霊を召喚できるようになった。最初の一人が北条政子
無名の探索者
北条政子に定食屋のバイトさせるとか、改めて考えても頭おかしいよなwww
無名の探索者
それなw 普通に接客させてるし
無名の探索者
俺まだ店行ったことなかったけど、歴史上の人物見たさで初訪問してしまった
無名の探索者
やっぱ歴史好きとして見逃せんよな
無名の探索者
俺なんて毎日通うようになった。もちろん歴史上の人物の姿をこの目に焼き付けるため
無名の探索者
はっきり言えよw 北条政子が美人だから通ってますって
無名の探索者
え、怖くて頭ツルツルの尼さんじゃないの?
無名の探索者
長い黒髪の別嬪さんやで
無名の探索者
しかも巨乳
無名の探索者
人妻の色気もある
無名の探索者
物腰も柔らかいしな。三大悪女の一人とは思えん
無名の探索者
今からお店行ってくる!
無名の探索者
俺も俺も!
無名の探索者
シフト教えて
無名の探索者
ニシダがスキル召喚してる英霊だから基本ずっといるんじゃね?
無名の探索者
最高かよ。けど、あの店の速さについていけるん?
無名の探索者
めっちゃ機敏に動いてるで
無名の探索者
先輩バイトの田中正憲にも負けてない
無名の探索者@神オヂ大好き
いつまでも現世に留まってないでとっとと地獄に堕ちろ
無名の探索者
またやばいやつ来てる……
無名の探索者
最近見ないと思ってたけど、復活してしまったのか
無名の探索者
てか、他のダンジョンに行けば他の偉人もゲットできるってこと?
無名の探索者
そうじゃね?
無名の探索者
マジか、アルバイト増やし放題やん
無名の探索者
歴史上の偉人たちがどんどんアルバイトにされていくのかw
無名の探索者
また客が増えそうやな
◇ ◇ ◇
北条政子はよく働いてくれた。
当初はうちの店の速度についていけるか心配だったが、それは完全に杞憂だった。
料理をテキパキと俊敏な動きで運んでくれ、しかもミスが全然ない。
うちは効率を上げるため注文を取りに行かず、お客さんにその場で注文内容を叫んでもらうシステムを取っているのだが、そのため料理を正しいテーブルに持っていくだけでもなかなか難しいのだ。
「師匠、凄いですね、英霊。物覚えも良いですし、何より動きがAランク探索者並みです」
その働きぶりには田中正憲が太鼓判を押し、たった数日で、もはや彼が指導する必要がないレベルになっていた。
田中正憲が不在のときでも、すでに問題なく仕事をこなしてくれている。
「おい、ニシダ! オレと手合わせしやがれッ!」
ちょっとしたトラブルが発生したのは、ちょうど田中正憲が不在の日だった。
店に入ってきた厳つい見た目の男が、いきなり大声で叫んだのである。
……なんかヤバそうなやつが来たな。
よく見るとかなり顔が赤いので、もしかしたら酔っ払っているのかもしれない。
まだ夕方だぞ。
「なんだ、あいつ?」
「手合わせ? 客じゃねぇのか?」
「あの男、もしかして探索者じゃね?」
「マジ?」
「知ってる。割と有名じゃん。名前は忘れたけど」
「なんにしてもここの店長さんに挑むとか身の程知らず過ぎだよな」
「酔ってるんだろ」
お客さんたちは冷めた目で男を見ている。
「おい、あんちゃん、見ての通り営業中だぜ。店主さんはあんたの相手をしてる暇なんてないんだよ。ほら、帰った帰った」
中には男を追い払おうとしてくれた人もいたが、
「うるせぇ、ぶっ殺されたくなけりゃ、雑魚どもは黙ってろ!」
威圧的に怒鳴り散らすと、厨房で忙しなく動いている俺の方へと向かってくる。
そんな酔っ払い男の前に立ち塞がったのは北条政子だった。
「お帰りくださいませ。西田様はお忙しくされておられます」
「邪魔すんじゃねぇ、女! ぶっ殺すぞ!」
「生憎とすでに死んでおります」
彼女の物言いがおかしかったのか、近くにいたお客さんが思わずプッと噴き出す。
男も一瞬呆気にとられた様子だ。
「もしどうしても手合わせを願われるというのでしたら……まずはわたくしがお相手いたしましょう」
「ああ? てめぇはお呼びじゃねぇんだよ! 引っ込んでやがれ!」
「……どうやら阿呆には理解できなかったようでございますね」
次の瞬間、北条政子が距離を詰めたかと思うと、いつの間にか手にした薙刀の先端を男の喉元に突き出していた。
「っ!?」
「わたくしに勝てないようでは、西田様に挑んでも無駄だということでございますよ」
「ちっ、調子に乗りやがって! このオレはBランク探索者だぞ!?」
「そう言われても、生憎とわたくしにはそれがどの程度のものなのか分かりかねます」
彼女はイキる酔っ払いを軽くあしらいながら、
「西田様、少しこの辺りを広げていただけますか?」
「……大丈夫なのか?」
「問題ございません。こう見えて薙刀の扱いにはそれなりの覚えがございますので」
「わ、分かった……マイルーム」
俺は二人が立っている場所をマイルームで拡張する。
学校の教室くらいの空間が生まれた。
「急に広くなった!?」
「すごっ、これが店主のスキルか」
「店内もこうやって広げてたんだな」
さらに周囲に被害が出ないよう、結界を展開しておく。
「ちぃっ、ボコボコにされてから後悔しても遅ぇぞっ!」
「ご心配なく。幸い痛みは感じない身体でございますので」
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