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昔取ったきねづかで…と言いながら無双する定食屋のおっさん、実は伝説のダンジョン攻略者  作者: 九頭七尾


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第117話 これは素晴らしい触手

 目黒に現れた新ダンジョン。

 その最下階と思われる地下15階で、俺たちはキノコの傘の上を移動していた。


「っ、恋音ちゃん、危ないっ!」

「えっ!?」


 金本美久が叫び、慌てて足を止めた恋音。

 するとちょうど今から飛び移ろうとしていたキノコの傘がぱっくりと割れ、その奥に鋭い牙が見えた。


〈人食いキノコ!?〉

〈怖っ〉

〈こんなやつまでいるのかよ〉

〈美久ちゃんよく気づいたな〉


「っ……たあああっ!」


 恋音が慌てて戦斧をそのキノコに叩きつけると、傘から柄にかけて真っ二つに両断された。


〈咄嗟に放ったのにこの威力w〉

〈今度こそ食べれるキノコかな?〉

〈食べて食べられてw〉

〈人食いキノコとか怖くて食べたくないなぁ〉

〈中に人骨入ってそうだもんな〉


「あ、ありがとうございます、美久先輩。でも、どうやって気づいたんですか……?」

「うーん、なんとなく、他のキノコとは違うような気がしたから。……勘?」


〈勘なのかw〉

〈鋭い勘〉

〈女の勘ってやつ?〉


「魔物には魔力があるからな。慣れてくればスキルが無くても、魔物を見分けたり接近に気づいたりできるようになる」


 俺はそう解説しつつ、恋音が倒したキノコをチェックする。


「……このキノコも食用には向かなさそうだな。念のため食べてみるけど」


〈食べるんだ〉

〈ここまでキノコ食べまくってるんだがw〉

〈なのにピンとくるやつはないのか〉


 キノコは大量にあるのだが、あえて持ち帰って食材にしようと思えるほどのものには出会うことができていなかった。

 もちろん食材を探しに来たわけではないので、見つかればいいなくらいに思っているだけだ。


 そうして地下15階を奥へと進んでいくにつれ、次第にキノコもその傘も大きくなっていった。

 中には傘だけで100メートルくらいあるような巨大なキノコも少なくない。


 そんな中、やがて辿り着いたのは、このキノコが生い茂るフィールドにあって、そこだけ不自然にキノコが消失し、ぽっかりと開けた空間だった。

 ただし、その真ん中に一本だけ大きなキノコが生えている。


 俺たちは巨大キノコの傘から地上に降り立った。


「……明らかに怪しいキノコだね」

「ですね……もしかして……」


 警戒しつつ近づいていくと、案の定その一本キノコが動き始めた。

 さらに柄の部分に亀裂が走り、口のように開いてそこからサメのような牙が覗く。


〈明らかに強そう(小並感)〉

〈ボスっぽい〉

〈新ダンジョンだからどんなボスか情報がないけど〉

〈この特殊な空間といい、明らかにボスだろ〉


 コメント欄でも指摘されている通り、恐らくこいつがこのダンジョンのボスだろう。

 そのキノコの形状を見ながら俺は思わず叫んだ。


「マツタケだ……っ!」


 めちゃくちゃマツタケに似ていたのだ。


〈美味そうなキノコキタアアアアアアアアアッ!!〉

〈確かにマツタケっぽいwww〉

〈心なしかマツタケの香りが……〉

〈ボスなのに食材にしか見えてなくて草〉


「香りもかなりマツタケに近いです。これはかなり期待できますね」


〈香りまでマツタケなのか〉

〈査定したらすごい額が付きそう〉

〈最近はマツタケ一本でも一万はするからな〉


 ボスの目は木の洞のような空洞だが、淡く不気味に発光している。


 手や足がなく、そのまま地面に生えている形のため移動能力はなさそうだ。

 代わりに柄からは鞭のような触手が何本も伸びていた。


「ギイイイイイノオオオオオオオゴオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


 マツタケが雄叫びを轟かせる。

 するとそれに応じるようにこちらへ触手が殺到してきた。


〈よく見ると触手の先端までマツタケっぽくなってね?〉

〈ほんとだwwwwwwwwwww〉

〈よく気づいたな〉

〈これは素晴らしい触手〉

〈その手があったか〉

〈カリ高の触手とかエロ過ぎてやべぇ〉


 戦いに巻き込まれないよう、俺は加賀麗華を含めた結界を展開する。


「このまま二人に任せて大丈夫でしょうか? いきなり何も情報がない状態で、下層のボスと戦うのはかなり難易度が高いです。……無論、西田様がいらっしゃるので万に一つもないとは思いますが」

「ああ、危なくなったらすぐに加勢する。見た感じ、いきなり致命傷を与えてくるような強力な攻撃はなさそうだしな」


〈ニシダが加勢したら一瞬で終わるからなー〉

〈地下15階のボスなんてゴブリンと変わらんよ〉

〈美久恋音がんばれー〉


 金本美久と恋音は、襲いくる触手を斬り捨てながら作戦を練っていた。


「私が触手に対処しながらアイツに近づいていくから、恋音ちゃんは後ろをついてきて!」

「わ、分かりました! 接近したら渾身の一撃を叩き込みます……っ!」


 一発の威力ではすでに恋音の方が高いことを理解しているため、金本美久は盾役に徹しながらマツタケとの距離を詰めていく。


〈斬られた触手の先端がマツタケのように転がってる〉

〈美味しく食べられそうだな〉

〈あっ、結界の近くに転がってきたやつをニシダが拾ったぞ〉

〈しかも焼き始めてて草〉

〈食べる気だw〉


 そうこうしている間に、二人はマツタケのすぐ目の前まで近づいていた。


「どっせえええええいっ!」


 金本美久の背後から飛び出した恋音が、マツタケの人面に戦斧を叩きつける。


〈掛け声よ〉

〈どっせいってwww〉

〈独特で草〉

〈アイドルとは思えないw〉


「~~~~~~~~ッ!?」


 縦方向に大きな亀裂が走り、巨体を捩らせながら痛がるマツタケ。

 しかし恋音が追撃をしようとしたとき、マツタケが口から胞子のようなものを噴出させた。


「恋音、ガードしろ!」

「……っ!?」


 俺が咄嗟に叫び、それに応じた恋音が両腕で身を守った次の瞬間、胞子が次々と爆発した。


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