表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義理の兄妹になっても僕らは両想いなので、学園でも家でも隠れて付き合うことにしました。  作者: まさな
■第三章 紫陽花の季節

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/45

●第二話 猫

 お風呂でうっかり事件のあと、葵が僕を見る度に顔を赤くする。


「あぅ……!」


 逃げ出したりはしないし、怒ってはいないと言ってくれたので、ひと安心だけど。


「二人ともいちいち気にしすぎだっての。ちょっと裸を見られたからって減るもんじゃないだろ」


 と真夜は言うのだが、真夜の思考はどちらかというとマッチョ男子だからなぁ。

 葵は真夜とは違い、繊細な子なのだ。


「ふぅ」


 どうしたものかと僕はため息をつきながら部屋を出る。

 お茶でも飲もうとリビングに向かうと、向こうから変わった声が聞こえてきた。


「にゃー、シロちゃんはかーいーでちゅねー、にゃんにゃんにゃん」

「ニー」


 まさか、と思いつつ、入り口からそっと中をのぞくと、やはり葵が床にひっくり返った状態で白い猫――シロを可愛がっていた。ま、猫は可愛い。シロを可愛がってくれるのも、飼い主としては嬉しいことだ。


「にゃー」

「ニー」


 ゴロゴロとリビングのカーペットの上で転がりまくる葵。もうどちらが猫かわからないほどだ。


 何このカワイイ生き物!


 ただ、これ――僕が見ていると気づかれると、葵はきっと恥ずかしいだろうな。そう思って、部屋に引き返すことにする。


「ニー」

「あっ、シロちゃん、どこ行くの。待って」


 どうやらシロは僕を追いかけて廊下までやってきたようだ。おっと。


「ああっ! ゆ、悠真くん、いつからそこに?」

「いやぁ、つい、さっきだよ」


 僕は気づかれまいとして笑ってごまかそうとしたが、みるみるゆでだこのように顔を赤くした葵にはバレてしまった様子。


「う、うう、恥ずかしいところをまた見られちゃいましたぁ~」


 涙目で顔を隠す彼女。なんだろう、葵には悪いのだけれど、この恥ずかしがる姿を見られただけで僕はニマニマと幸せな気分になれてしまう。


「猫は可愛いよね」


「うう~!」


「まあ、僕も似たようなことをしてるから、気にしなくて良いよ。勝手に盗み見たみたいでごめん」

「ええ? それなら、うーん。ホントに?」


 小首を傾げて上目遣いに聞いてくる葵。


「もちろん。君に嘘はつかないよ」

「じゃあ、いいかな」

「うん」

「ニー」


 なんだかシロが楽しそうに僕と葵の足に交互に体をこすりつけてじゃれついてくる。


「次は絶対、自分の部屋でシロちゃんと遊びます。いいですよね?」

「まぁ、いいよ。いいよな? シロ」

「ニー」


 いいようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ