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その体で『男友達』は無理があるだろう!?  作者: 赤金武蔵
第1章 大親友として──

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第28話 後悔しないように

   ◆◆◆



 ったく。ミヤの奴、変なこと言いやがって。おかげで変なこと考えて寝不足だ。

 欠伸を噛み殺し、学校に向かう。一応奏多の分の弁当も持ってきたけど……俺から渡すより、九条あたりから渡してもらった方がいいか。

 今日は朝から曇天。陰鬱な気持ちに拍車が掛かる。学校への足取りも重い。なんで俺がこんな気持ちにならなきゃならないんだ。



「──ん?」



 下駄箱に着くと、奏多が突っ立っていた。何してんの、こいつ。



「奏多?」

「ひゃあっ!?」



 うお、飛び跳ねた。そんなにビビって、何をぼーっとしてたんだか。

 俺に気付いた奏多は、後ろ手に何かを隠し、真っ赤な顔で後ずさった。

 でも、見逃さなかった。……手紙、だったな。今の。まさかラブレター? 下駄箱にラブレターとか、なんつークラシカルな……。



「きょっ、きょきょきょきょ京水……! おっ、おはよぅ……」

「ああ、おはよう。わり、俺行くわ」



 待ってて欲しいって言われたからな。ちゃんと話したいけど、我慢だ、我慢。

 靴を履き替えて、奏多の横を通り過ぎる。まだ俺の顔は見れないみたいで、ずっと顔を伏せていた。



「ご……ごめん……もう少し。もう少しだけ、待って……あとちょっと、だから……気持ち、落ち着かせたいから」

「……ああ。信じてるよ、奏多のこと」



 どれだけ、奏多と一緒にいたと思ってるんだ。こいつがここまで言うなら、俺は待ってやるしかない。

 それが、大親友ってもんだからな。






 おい、嘘だろ。



「火咲さん、好きです、付き合ってください」



 端的に説明しよう。外階段で1人寂しく飯を食おうとしてたら、奏多への告白現場に遭遇してしまった。

 マジか。今朝のラブレターの件もそうだし、ミヤの言ってたこと、当たってるじゃん。

 階段の手すりから、下を覗く。ちょうど真下だ。2人の顔がよく見える。

 ……相手の奴、なかなかにイケメンだ。ネクタイの色からして、上級生。他学年でも、奏多を好きなやつがいるのか……やっぱモテるんだな、奏多って。


 真剣な顔で手を差し出す上級生に、奏多はまったく動じず、澄まし顔で頭を下げた。



「ごめんなさい」

「な、なら、友達からでも……」

「できません。ごめんなさい」

「っ……わかりました……」



 バッサリ。一刀両断とはこの事か。

 上級生は肩を落として帰っていく。が、奏多は時計を確認して、動かない。

 少し待っていると、別の男が現れた。今度はクラスメイトの陽キャ。若干緊張してる感がある。

 さっきの焼き回しのように、また告白。で、撃沈。帰っていくと、別の誰かが現れて、告白。撃沈。


 この繰り返しで、もう5人目に突入した。


 まさか、飯の時間を削って告白の相手をしてる……のか? 昼休憩、あと半分もないぞ。



「あ、いたいた」

「やほ、キョウたん」

「っ……九条、萬木」



 2人が外階段を降りてくると、俺の近くに座った。

 結構狭いから、触れそうで触れない絶妙な距離感。それに、いい匂い。奏多意外の女子の匂いをここまで強く感じることなんてなかったから、緊張が……。



「親友の告白現場を覗き見なんて、いい趣味してるね、氷室くん」

「断じて違う。俺が先に、ここで飯食ってたんだ」

「ふふ、冗談だよ。まだ関わりを持って少ない時間だけど、氷室くんがそんな奴じゃないっていうのは、わかってるつもりだ」



 そいつはどうも。信用を勝ち取れてるみたいで、嬉しいよ。



「キョウたん、全然食べてないじゃん。ダメだって、ちゃんと食べなきゃ」

「え?」



 萬木に言われて自分の弁当を見ると、確かに全然減ってなかった。どんだけ奏多の告白に心乱されてたんだ、俺。



「カナちの告白に動揺する気持ちもわかるけど、食べなきゃ体持たないっしょ。ほい、お茶あげるから」

「あ、ありがとう」



 まったくその通りだ。返す言葉もない。

 普段、俺が奏多に言ってることなのになぁ……この程度で動揺してどうする、俺。

 貰ったお茶と一緒に、弁当を掻き込む。

 その間も奏多は告白されていき、ついに10人目が斬って捨てられた。



「奏多、モテモテだね」

「今朝からもう25人だから。カナち、大変そ〜」



 ……は? 25人?

 耳を疑って萬木を見ると、苦笑いを浮かべて頷いた。



「朝でしょ。各休み時間でしょ。で、昼休み。確か放課後も、呼び出し食らってたはず。みーんなおっぱい目当てなのバレバレだってーの」



 自分のおっぱいを持ち上げる萬木。身長の割にはデカい乳だ……って、揉むな揉むな。やめろ。

 あと九条。虚無顔で自分のものを揉むな。空しいだけだから、それ。



「で、キョウたんはどうするの?」

「……何が?」

「カナちがあんなに告白されてんのに、黙って見てるだけ? アクション起こさないの?」

「そんなこと言われても。待っててって言われたからには、待っててやるのがいいだろ」



 俺の言葉に、2人はドン引きした顔をしてきた。な、何。なんなの。



「ここまでにぶちんなのか、キョウたん」

「奏多、可哀想……」



 そこまで言う??



「いいかい、氷室くん。そうは言っても、女の子は男の子から来て欲しいもんなの。女の子の言葉をいちいち真に受けて受け身でいたら、横から男にかっさらわれちゃうよ」

「このままじゃカナち、別の男になびいちゃう可能性もあるよ。いいの?」

「なびくも何も、あいつが決めたことなら──」






 ──ズキッ──






「ッ」



 え……何、今の痛み。体を刺されたような……引き裂かれるような痛みが走った……?



「君が決めたことならいいけど……後悔しないようにね、氷室くん」

「ウチら、そろそろカナちを迎えに行くよ。キョウたん、ちゃんと自分の心と向き合いなよ」



 2人が外階段を降り、奏多の元に向かっていく。

 その間も、2人の言葉が頭から離れなかった。

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