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〈完結済み〉俺は善人にはなれない   作者: 気衒い
第10章 セントラル魔法学院

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第195話 帰り道






「ねぇ、セーラ。何であなたは"黒椿"に入らなかったの?」


「ん〜以前、シンヤ先生に自分の進路について相談した時に勢いで言っちゃったんですよ。"黒天の星"に入りたいって」


「ふ〜ん……………本当に一途なんだね」


「なっ!?」


「うわっ!顔が真っ赤になった。これまたあからさまな反応だね〜」


「い、い、一体な、何を言っているんですか!」


「あ〜はいはい。その反応で充分分かったから。みなまで言うなって」


「ち、ちょっと!何か勘違いしていませんか!?」


「勘違い?一体何の?」


「いや、あの……………私がシンヤ先生目当てだと…………ボソッ」


「ん?よく聞こえなかったんだけど」


「だ、だから!私がシンヤ先生目当てで"黒天の星"に入ったと勘違いしていないかってことですよ!」


「いや、誰もそんなこと言ってないし」


「え!?だって、一途だとか顔が真っ赤になったとか、あからさまな反応だとか言ってたじゃないですか!」


「それは"黒天の星"っていう凄いクランに対して、一途な気持ちを持って加入まで漕ぎ着けたことについて言ったんだよ。そんな憧れのクランに入れれば興奮や嬉しさから、顔が真っ赤になったり気持ちが舞い上がってもおかしくないでしょ?」


「………………」


「黙りこくるってことは全然違うことを考えていたってことだよね?ん〜?あれ〜?セーラさんは一体何と勘違いしていたのかな?」


「そ、そ、それは……………」


「随分と逞しい妄想力だね」


「や、やめて下さいよ!」


「それと先生のこと本当に大好きなんだね」


「先生方です!皆さんのことが大好きですから!だ、誰か1人に対して特別な想いを抱いているとかないですから!」


「セーラは本当に可愛いね〜」


「もう!からかわないで下さいよ!」


「お前ら、何してんだ〜?もう行くぞ」


「「は〜い!!」」



これはセーラと元クラスメイトとのフリーダムへの帰り道での会話の記録である。いくら鍛錬を積み、冒険者としての強さを備えているとは言ってもそこは10代の若い淑女。甘い食べ物や良い匂いのする花と同じくらい好きなものがあった。それは恋の話である。












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