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〈完結済み〉俺は善人にはなれない   作者: 気衒い
第10章 セントラル魔法学院

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第191話 先生と生徒






「先生!」


「お、クリス……………それとお前らまで。どうしたんだ?」


「今日までお疲れ様でした!そして、ありがとうございました!」


「「「「「ありがとうございました!」」」」」


「まさか、それを言う為だけに全員、教室で待っていたのか?」


「当たり前じゃないですか!先生方は必ず、最後は2ーHの教室へと足を運ぶと思っていました」


「これで見納めだからな。ここに初めて来てから、どれぐらい経った?」


「1ヶ月程です」


「そうか。早いもんだな」


「はい。その間に色々なことがありましたね。僕達は毎日が新鮮で飽きることのない生活でした。中でも一番驚いたのは帰宅した後の訓練メニューですよ。まさか、疲れてクタクタな状態で腹筋や腕立て伏せなどをやらされるとは思いもしませんでした」


「そこが一番驚いたところかよ」


「あれは今後も僕達の訓練メニューの必須項目とします。もちろん、新しくクランに入った新人にも同じことをやらせます」


「程々にしておけよ」


「いやいや!誰が言っているんですか!もう僕達はちょっとやそっとの刺激では満足しない身体になっているんですよ?誰のせいでこうなったと思っているんですか!責任取ってもらいますからね!」


「他人が聞いたら勘違いするような発言をこんな真っ昼間からするな。それと一部の女子は色めき立つな。お前ら、一部始終を聞いていたはずだろ」


「とにかく!先生方のおかげで僕達は素晴らしい成長を遂げることができました!だから、この感謝を是非受け取って欲しいんです!」


「まぁ、一応受け取っておく」


「これから、"黒の系譜"の一員として皆さんの顔に泥を塗らないよう頑張りますよ〜!もちろん、ここで受けた恩を返すのが最優先なので何かあったら言って下さい。すぐに馳せ参じます」


「あまり無理をするなよ。俺達と離れても程々に頑張ってくれ。遠くから応援している」


「離れる?遠くから?シンヤ先生は一体何を仰っているんですか?」


「は?交易都市"トレード"、もしくはカンパル王国で冒険者の活動をするんだろ?そうなるとまもなく、この地を発つ俺達とは必然的に離れることになるだろうが。もしかして、魔法でいつでも会いに来てもらえるとか思ってんのか?だとしたら、甘いな。俺達はもうここには当分来ないつもりだ」


「僕達、この国で冒険者活動はしませんよ?」


「ってことは"トレード"で行うのか?」


「いいえ」


「ん?だとしたら、他にどんな…………」


「どこなんでしょうかね〜」


「……………ちょっと待て。まさか、お前ら」


「お、気が付きましたか?そうです。まさにお察しの通りですよ!」


「何も聞いていないが」


「言っていませんからね」


「……………」


「先生は仰いました。自分のやりたいことがあれば、他人に理不尽な迷惑をかけず、貫き通せと」


「ではお前らのやりたいことが理不尽な迷惑をかけないものだと?」


「はい!だって僕達、先生方の為なら、可能な限りどんなことでもしますから!これほど役に立ちたいと思う気持ちが理不尽な迷惑となるはずがありませんよね?どんな命令にも従う所存ですし、子分として毎月いくらかのお納めもキチンとやりますよ!」


「落ち着け。目がやばいぞ」


「だから……………先生方へのご同行をお許し下さい!もちろん、ご迷惑はおかけしませんし、足手纏いにならないよう気を付けます!先生方が少しでも嫌な気分になれば、その時は大人しく故郷で活動すると約束します。なのでそれまでは近くに居させて下さい!」


「お前ら…………」


「僕達、"黒椿"は常に"黒天の星"を一番に考え、この先ずっと支えていくと誓います。どうぞ、これからもよろしくお願い致します」











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