私が転生する話、または赤ん坊
前回に比べるとこの話はめちゃくちゃ短いです。
ふと目を開けると、茶色の天井が目に入った。
体を起こそうとするが、動かない。
…嫌な予感。
動きそうな手を挙げて、視界に入れる。
短い指、ふわふわな手、まるで紅葉のような小さな…
どうやら私は赤ん坊から始めなければならないらしい。
マジか…
魔法(正確には魔術というらしい)が使えないか念じてみた。
うん、よかった、使えない。
強制的にシャットアウトされた後、真っ暗闇から神様(笑)の声がして、私が10歳になるまで魔力やら私が使える力のほとんどを封印したらしい。
それと、私が20歳になったら成長が止まるらしい。
何やら、助ける人は不老長寿なんだとか。
それで、私もその人に併せて不老長寿にさせられた。
と、視界に二人の人間の顔が入った。
「起きたの?でもまだ眠そうね」
「…余り泣かんな」
片方は金髪碧眼の女性。
普通に綺麗な女性である。
何というか、優しげな、薄幸の美女…のような雰囲気がある。
片方は黒髪茶眼の男性。
美形というより、渋い…という言葉が似合いそうな漢!というような男性である。
…この二人が私の両親だろうか?
「キリヤ、まだ寝ていなさい。私達が側にいるわ」
女性に体を優しく叩かれ、そのリズムにうとうとしてくる。
…これからよろしくね、お父さん、お母さん。




