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最強な賢者様と私の話  作者: 天城 在禾
幼少期、もしくは悲劇
13/134

私が捕まる話、そして絶望

ここから残酷表現、暴力表現のオンパレードです。

特に、女性に対する暴力表現があります。

苦手な方は飛ばしてください。


 

さて、時間は進み、私は7歳、ハルトは5歳になった。

あれ以来アルベルト様は何度か村に来て、私たちと遊んで帰っていく。

遊ぶと言っているが、あれは明らかにお勉強だ。

あのお花畑でハルトに魔術を教えるのだ。

これを勉強といわず何と言う。

ハルトはそのお勉強が楽しくて仕方ないらしく、アルベルト様にとても懐いている。

私は二人が遊んでいるのをお花畑で眺めたり、お父さんの工房に入ったり、なるべくアルベルト様と関わらないようにしている。

マリオット様はお母さんと交流をしているので、問題ない!

お二人は私のことも可愛がってくださってるが、すみません、関わりたくないんです…

イグニスは毎回やってくる。

ハルトに武術を教えるのが楽しみなようである。

その度にシルフィとルーチェと喧嘩して面倒だ。

アルベルト様たちは私のこと(転生者なこととか)を全く気付いていないようで、今の所一安心。






ハルトが5歳になったので、アルベルト様のところに行くことが決まった。

王都がきな臭い、とアルベルト様は言う。

王様と対立している悪ーい貴族様が権力を握るため、ハルトを手中に納めようとしているらしい。

確かにハルトを手に入れれば、ハルトを暗殺者に仕立てるもよし、魔術師として育て、魔術師団団長にすることも可能だろう。

なので、ハルトは先にアルベルト様のところに向かうことに。

私たちはハルトを狙う輩にハルトがアルベルト様のところに行ったと気付かせないようにすることにした。

明日、アルベルト様が来て、ハルトを連れて行く。





「やぁ、こんにちは」

「アルさま!」


翌日、アルベルト様がやってきた。

ハルトはアルベルト様に飛びつき、高い高いをしてもらっている。


「…領主様」

「あぁ、何だね、」

「…ハルトを、よろしくお願いします。俺の自慢の息子です」

「もちろんだ!友人の息子を無碍に扱うなんて私がすると思うかい?」

「…友人、ですか?」

「君にはこれからもハルト君のお父さんとして私を見張ってて貰わないといけないからな。私は君と対等な関係でいたいんだ」

「…俺で、よければ」


熱く握手を交わす二人。

男の友情がここにあります。

…アルベルト様も美形ですから、とても絵になるよ、マジで。

アルベルト様はハルトを執事さんに任せ、お父さんと話始めた。


「キリヤ様、ハルト様と森に行かれますか?」

「はい!シルフィとルーチェが待ってるって言ってました!」


執事さんは私のことも敬称で呼ぶので、落ち着かない。

一回拒否したのに、ハルト様のお姉様をそのようにお呼びできません、と言われた。

それに、何となくだが、執事さんは私にもマナーとか勉強とかさせたいらしい…

ハルトの補佐に出来れば、と思っているようなのだ。

うーむ。特にそうゆうのはいらないです。


お花畑ではシルフィとルーチェが待っていて、ハルトを見つけると深々と頭を下げた。


「お待ちしておりました、ハルト様」

「お待たせして申し訳ありません。わたくしはこの周りを見張っておりますので、安心してお遊びください」


執事さんはそう言って森を出て行った。


「しぃ!るぅ!なにする?」

「今日は簡単な儀式をさせてください」

「ぎしき?」

「…シルフィ、ルーチェ、何するって?儀式って何の?」

「…キリヤ、警戒しなくていい。契約は15歳になってからだ」

「はい。僕たちの気配をハルト様は十分に覚えてくれました。なので、仮契約をさせてもらおうと思いまして」


仮契約。

契約は対等な立場で互いを尊敬しているからこそできるもの。

だが、仮契約は違う。

信頼関係も、互いを尊敬していることも、必要ない。

そのかわり、契約よりも効力は弱い。


「…え、二人ともそれでいいの?仮契約って片方を隷属させることに似てるよね」


そして、契約と違い、仮契約は片方を隷属させることに似ている。

多分二人のことだから、自分たちが隷属させられるほうになるだろう。


「構わん。ハルト様に使われるなら本当は何だっていいんだ。ただ、契約が一番対等だというだけで」

「そうです。僕たちはハルト様を愛していますから」


…恐ろしい愛だな!

ヤンデレ化しそうでお姉ちゃんハルト君が心配です。


「ではハルト様、お好きな方の腕を貸して下さい」

「ん!」


ハルトは左腕を出した。

その二の腕部分まで服をめくり上げ、腕を晒す。

二人はブツブツと精霊語で何か呟くと、ハルトの腕に血を垂らした。

ぎゃー、猟奇的!!

その血は光り、形を変えていく。

シルフィの血は羽のような形に、ルーチェの血は太陽を象ったような形になった。

それらは輝きを増し、ハルトの腕に巻きついて、定着した。

そして少しずつ光るのをやめ、ただの刺青のようになった。


「わー!すごい!しぃがふわふわでるぅがぽかぽか?」

「はい!僕が羽です」

「あぁ、私が太陽だ」


ハルト曰く、羽がふわふわで太陽がぽかぽからしい。

あー…ハルト馬鹿が悪化してしまった…



 




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