第7章後編:友情と団結の勝利
第7章:友情のクッキー
(後編:友情と団結の勝利)
光を宿した湊花クッキーが、籠の中で輝いていた。
色とりどりの光は、夜の広場を照らし、影を退けていく。
クマちゃんは両手で茶色のクッキーを掲げる。
「これはぼくの勇気! ぼく、もう怖くないよ!」
耳を赤くしながらも、胸を張って叫んだ。
メイドちゃんは緑のクッキーをそっと持ち上げる。
「これはわたくしの想い……癒しと歌を、みんなと分け合いますわ」
声に込められた優しさが、旋律のように広がった。
ミルクティーの彼女は黄色のクッキーを掲げる。
「これは温もり……湯気のように、やわらかく包み込みます」
彼女の周りに漂う香りが、白い結界のように広がっていった。
三人がそれぞれの輝きを掲げた瞬間──。
金色の手が、そっと彼らから離れていった。
役目を果たしたかのように、ゆっくりと、夜空に溶けていく。
「……ありがとう」
誰が言ったのかは分からない。
ただ、その言葉は三人の心に同時に響いていた。
光は重なり合い、友情と団結の輪となる。
紫の影は耐えられず、しゅうっと煙のように掻き消えた。
最後に残ったのは、穏やかな風と、きらめくクッキーの光だけだった。
クマちゃんはにっこり笑い、
「友情と団結、それは素晴らしい!」と声を張り上げた。
メイドちゃんも微笑み、ミルクティーの彼女もうなずく。
夜明けが近づいていた。
空の端に淡い金色が差し込み、町を新しい光で包もうとしていた。
→エピローグに続く




